人にマッチさせた広告をつくるには

2回ほど欠席していたのですが、久しぶりに百式の田口さんが主催する勉強会に参加してきました (前回のレポート)。今回のテーマは「コンテンツマッチ広告」。ブログをやっている方は AdSenseがお馴染みではないでしょうか (僕もgreenhugで使っています)。詳しくは IDEA*IDEA のレポートをチェックすると良いでしょう。僕個人的にはあまり馴染みのない分野ではありましたが、技術的な視点も含めて大変興味深い情報が幾つかありました。

コンテンツをいかにマッチさせるためのアルゴリズムの精度を上げるのはもちろん重要ですが、それよりシステムの最適化やスピードアップに力を注いでいるなという印象でした。この業界は「生き物」のようなもので、トラフィックのボリュームも全く予想が出来ません。また、不正クリックや勘違いクリックなど『広告をクリックする』という同じ行為でも様々な例外が生じます。そういった予測が出来ない状況にいかに早く最適な形で解決していくのが、コンテンツマッチ広告サービスを作るのに重要だと言われていました。この視点はウェブサイトを作る際にもいえる重要なことですね。

コンテンツマッチ広告という言葉はウェブページにある情報を元に広告を表示させるところから生まれたのだと思いますが、今後はさらに観覧している人をマッチングさせたものになるでしょう。既にこの業界でも純粋にコンテンツマッチだけで広告を出しているというのはなく、行動ターゲティングも組み合わせているのがほとんどだそうです。これがさらにプロフィールを元にしたり、蓄積されているデータから予測するディスカバリー的な広告も出るのではないかと思います。

実は僕の mixi プロフィールはここ数ヶ月女性にしています。なぜそうしているのかというと、性別で広告がどう変わるのか見てみたかったというのがあったからです。今のところそれによる変化は見られず、今までと似たようなものばかりなので、性別がトリガーになっていないのかもしれません(もしくは性別を変えるだけが広告を変えるほどの変化になっていないのかも)。プロフィールに応じたピンポイントの広告はこれからさらに重要視されるでしょうし、コンテンツにはないキーワードでもプロフィールから予測して、その人が欲しいと思う情報を掲載することも出来るようになるでしょうね。ある意味、Amazon はそれを実現している部分がありますが。

広告もデザインも人に目を向けている点では共通点が少なくないですし、サービスプロバイダーが気を使っている点や工夫している点は勉強になりました。

そして、今回もスケッチしましたよ。一部で期待されているのが妙なプレッシャーになっておりますが、アウトプットの良いトレーニングになるのでこれからも続けようと思います。

Sketch 2008-08-20
Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。