リクリでコンテンツとデザインについて話しました
先日スピーカーとして第2回 Re:Creator’s Kansaiに参加しました。WDEの菊池さんも加わり、これから何をしようかといった将来の話題が中心のイベントになりました。大阪でセミナーをするのはかなり久しぶりだったので、こうした機会が巡ってきて嬉しかったです。今年は執筆している記事も含めコンテンツにフォーカスした講演が多かったですが、リクリでも再びコンテンツをテーマにした話題でした。今までは概念的な部分が多かったのに対し、今回は「コンテンツ戦略を意識したデザインアプローチ」という題名で、コンテンツにフォーカスしたサイトの組み立て方を、実際あるサイトを例に挙げて解説しました。
テレビ、紙媒体、ラジオでは顧客・消費者を「視聴者」「読者」「観覧者」と呼びます。受動的な呼び名が使われているのに対し、Webでは「利用者」という能動的な表現を使います。ちょっとした違いですが、実はこれが大きな違いだと思います。情報発信・操作・共有・創造など、何か能動的なアクションをするということにおいては、誰でも自由に行うことが出来ます。たとえ「ニュースを読む」という一見受動的な行動のようにみえる部分でさえ、利用者には様々な選択が与えられており、前のページへ戻る、文字を大きくする、言葉を検索する、メモをするなど何かアクションが出来ます。Web は必ずといって良いほど、利用者が何かをする場といっても良いでしょう。
常に何かをすることが出来る Web で、突然従来のような「観覧者」のような扱いにしているサイトは幾つかあります。「自分たちを見てくれ」と自己主張は強いものの、利用者に価値を与えているか再確認が必要です。これは単に見た目のデザインだけでなく、コンテンツにもいえることです。Webには本当にたくさんの情報がありますが、観覧者ではなく利用者に適した形でコンテンツが配信されているかというと、実はそれほど多くなかったりもします。人々が集まる場へどのようにコンテンツを届けたら良いのか、どの形式だと届けやすいのか、利用者が何かアクションをするときの邪魔になっていないかといった様々な点を検討して初めてコンテンツが Web で活かされます。
一見、根本的な話をしているかのようにも見えますが、個人的に製作プロセス、マーケティング、ブランディング、情報設計など、今後様々な部分に影響を与えると信じています。大きな変化になる可能性がありますし、様々な人が携わる Web サイト制作において良い架け橋になる可能性もあると思います。コンテンツはまだまだ語ることが多いですし、実践も踏まえたアプローチも今後紹介していきますのでお楽しみに。
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