利用者がサイトを去るときの感情
アクセスしたウェブサイトから離脱する理由はいろいろあると思います。目的を達成したのであれば最高ですが、そうでない場合もあります。利用者がサイトを去る理由はサイトによって異なると思いますが、共通した思いを抱いていることもあります。ちょうど1年くらいの記事ですが「25 reasons users STOP using your product: An analysis of customer lifecycle」で、利用者がサイトを利用しなくなったときの感情や思いをリストアップしています。主にソーシャルサイトを意識したものになっていますが、ウェブサイト全般にもいえることで思い当たるところを以下にリストしてみました。
- なぜこれが自分にとって価値があるのか分からない
- なかなか表示してくれない
- いろいろしたいわけじゃない
- 登録してまで利用したくない
- パスワード忘れてしまった
- そもそも何をしたら良いのか分からない
- アラートやメールがたくさん来て気が散る
- 知り合いが誰も使っていない
- どうも見た目がしっくり来ない
- 別のを既に使っているからいい
改善策としてインターフェイスやビジュアルの変更がなされる場合がありますが、それだけではソリューションとして成り立ちません。むしろ、上記に挙げたリストの中でインターフェイスを変えたら解決するものは少ないです。「価値があるのか分からない」といった思いは、少数のページを観覧したときだけでなく、使い込んだ後に出てくる可能性もあります。提供したいサービスや製品の伝え方のアプローチを変えてみるということは単に視覚部分だけでは解決出来ず、サイト (企業) そのものの姿勢の変化も必要なこともあります。
使う・使わないと感じる重要な要素に、利用者の環境があります。もし自分の知っている何人かが使っていれば使うでしょうし、信頼している人が「これ良いから見てみなよ」と勧めてくれれば思わず見てしまいます。逆に誰も使っていないということが使わない理由としても成り立ちますよね。僕の周りでも Mac を使わない理由が他に使っている人が周りにいないからといったことを耳にします。「使いやすいサイト」と言われているサイトはインターフェイスが優れているからということも理由のひとつですが、自分以外で使っている人がたくさんいることが使いやすいという感情を引き起こす場合もあります。分からなかったけど人に聞いて理解出来た、上手く使えたときの喜びを分かち合えた、自分が良いと感じるところを少ない言葉で共有出来る・・・そんなことが「使いやすい」という感情に集約されていることもあります。
上記に挙げたリストの他にもいろいろ感情はあるはずです。次、自分がサイトを訪れて離脱する際に、なぜ離脱をしたのかを問いかけるのはスタートですし、知り合いやクライアントにインタビューする際のネタにも使えそうです。