2022年を振り返る

今年の仕事活動を振り返ってみました。コンテンツ配信が減ってしまいましたが、充実した1年になりました。

2022年を振り返る

仕事の内容の変化

UXデザイナーならではの 1年の振り返り方で紹介した施策のデータベースは今でも続けています。今年の活動は以下のような分布になりました。

全クライアント案件をテーマ分類

今年大きな変化があったのが「デザインチーム」への取り組みが増えたところ。これは育成とは異なり、働きやすくするための仕組み作り、成長計画、モチベーション維持のための取り組みになります。完全リモート化から、次第に対面する機会が増えてきた 2022 年。とはいっても、周りの様子が見えにくく、ひとりで働いているような状態は今でも続いています。1 on 1 のような個別対応は重要ですが、目の前のタスクをこなすという狭い視点からチームでどう前進するかという視点がもてるような仕組みも欠かせません。

プロダクトマネージメント、デザインシステム、リサーチといった他カテゴリも、結局のところ現場の方達(主にデザイナーと PM)が働きやすくするための手段と捉えて進めています。クライアント組織によって抱えている課題は違いますし、取り組んでいる内容も異なります。けど、全体でみたときに様々なテーマがバランスよく分布していたのが興味深かったです。

発注側への取り組み

昔はソフトウェアの使い方をはじめとした作り方のテクニックをテーマにした講師をしていました。「〇〇は使えるよ」といった機能紹介を通してデザインの仕方の変化を訴えかけていたものの、「うちでは無理」「個人的にやってみたいけど実務では難しい」といった感想をよくいただいていました。

受講していた方が受託制作会社の方が多かったからというのもありますが、彼らが新しく学んだツールやワークフローを実践する機会は限られています。たとえ新しいツールやワークフローを試してみたいと思ったとしても、発注者側が変わらなければ実践は難しいという現実があります。つまり、受託会社は発注者側の働き方にある程度『合わせる』必要があるわけです。今でも Photoshop で web サイト作って欲しいとか、PDF で書き出して欲しいとか注文が出てくるところで、いきなり「〇〇でコラボしましょう!」と訴えかけても通用しません。

そもそも「〇〇は使えるよ」と伝える相手が間違っていたこと気付いて、XDIというグループに参加したのが 2 年前。エンタープライズ(発注側)へ直接ソフトウェアトレーニングができるのに魅力を感じて、今でも年に何回か講師をしています。発注者が変われば、受託会社で働くデザイナーも自然と変わるだろう仮説のなか活動を続けています。

他にもエンタープライズで働くデザインリーダー /マネージャーに向けた Adobe Japan 主催の勉強会「Design Leaders Collective」も実施しました。ゲストスピーカーに話してもらう機会も合わせると全8回。集客が難しいトピックも扱うことができ、少人数ですが満足度の高いイベントになりました。

  1. デザインプロセスのためのツールキットとは?見えにくかった進め方を明らかにしよう。
  2. デザインフィードバックの前提になる「質」とは何?
  3. 感覚だけに頼らないデザインチームの成長を支援する方法とは?
  4. UXリサーチに取り組むための必要なマインドセットとは?
  5. 個人の体験を可視化することの意味は何?
  6. デザインを伝えるために必要な準備とは?
  7. 次世代をリードする人財をどう育てる?
  8. 目標を立てるために振り返りを習慣化しよう

業界の活性化は様々なアプローチがありますが、発注者の変化を通して全体を少しずつ変えていくというアプローチは来年も続けられたらと思います。

コンテンツ配信が削られた1年

今年は記事執筆やポッドキャストの数が大幅に減ってしまいました。ポッドキャストは年の初めはゲストを交えた番組がありましたが、今は不定期でひとりトーク。ゲストとの対談のほうが聴くほうも話す方も楽しいはずですが、コーディネートも含めて時間がかかることからついつい後回しになりがちです。

今でも Roam Research を活用した個人のナレッジマネージメントは続けているので、書いたり考えたりする機会は減っていません。ただ、クライアント組織内でコンテンツ配信をしていたからなのか、「誰かに読んでもらう」という欲求はある程度満たされてしまったところはあります。

来年はゲストを交えたポッドキャスト配信を復活したいですし、記事配信もいろいろなかたちで実現できればと思っていますが… もう少し心の余裕が欲しいところ💦

その他いろいろ

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。