意見

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仕事

デザイン業界にある『インスタ映え』な側面にふと思う

美しいものだけに囲まれている不安 Instagram をはじめとした写真共有サービスでアップロードされる見栄えの良い写真を「インスタ映え」と呼ぶことがあります。ハッシュタグで繋がる様々な写真を見て楽しむことができる Instagram ですが、そこで映し出されている世界がすべてだと勘違いしている人も少なくないと思います。自分の生活と比べて「なぜ皆はこんなに楽しそうなんだろう」と悲観的になる人もいるかもしれません。 Instagram に限った話ではありませんが、ソーシャルメディアで共有されているものは、投稿者の生活がダイジェスト配信されているようなものです。言い換えるならば、「ベスト・オブ・◯◯さん」を見ているようなものでしょう。ソーシャルメディアを使う人たち全員が、自分の PRエージェントになって活動しているようなものかもしれません。 私は「インスタ映え」と似たような現象は、デザイナー、スタートアップをはじめとした組織が配信するコンテンツにも言えると思います。 「こうしたら上手くいきました」という成功事例 正論を通してプロセスを進めたエピソード 時間と予算を十分につかった丁寧なプロセスの紹介 最新の技術やツールをつかった実績紹介 こういう現場で仕事していないのは遅れている? 上記のようなコンテンツは仕事の役に立つだけでなく、インスピレーションにもなります。配信側も良かれと思ってやっていることですし、自分も幾つか書いています。しかし、こうした「インスタ映え」コンテンツばかりの環境はあまり健康的ではないと考えています。「ベスト・

仕事

手段を切り離したら楽になったデザイナーの仕事のお話

元々デザインの仕事は広範囲だった ここ数年でようやく Web・アプリの世界で「デザイナーは広範囲でいろいろ知っておかなければならない」という声が高まりましたが、元々デザイナーの仕事は範囲が広いものでした。例えばファッションデザイナーはデザイン力はもちろん、技術に基づいた設計、製造工場との交渉、流行や市場の動向の理解などが必要とされています。インダストリアルデザイナーや建築家も同じです。ただデザインができるというだけでは一人前として見なされない仕事がすぐそこにのあるにも関わらず、なぜ Web・アプリでは目新しく見えてしまうのでしょうか。 ひとつの仮説として考えられるのが、DTP デザインなどに見られるデザインの分業化・効率化です。1984 年に登場した Apple Machintosh には Adobe の PostScript が実装されました。翌年に発売された PageMaker によって、高機能かつ WYSWYG 感覚でのデザインと印刷が可能になり、DTP が一気に広がりました。 企画、設計、編集、活字組み、印刷など、工程のなかにある様々なことへの知識と介入が必要とされていたデザインも、DTP

アクセシビリティ

アクセシビリティとはを一緒に考えて分かった視点転換の発想

4月23日、クリーク・アンド・リバー社主催で、と、コラボ特別編「アクセシビリティってなんなのさ」というイベントが開催されました。これは昨年開催された「UXってなんなのさ」い続く Q&A 中心で 3 時間話し切るというもの。今の仕事に直結するテクニックや知識を得たいという方には向いていませんが、参加者全員で課題共有をして考えたいという方には参加価値があったと思います。今回は私はモデレーターとして参加し、「デザイニングWebアクセシビリティ」の著者である太田良典さん(@bakera)、伊原力也さん(@magi1125)。「IA/UXプラクティス」の著者である坂本貴史さん(@bookslope)にアクセシビリティの過去・現在・未来についていろいろ質問しました。当日の模様の一部は Togetter でまとまっています。 以下、モデレーターの視点からイベントで感じたことを書き残しておきます。 信念だけではどうにもならない 性別・人種・年齢・身体の状態に関係なく、自由にコミュニケーションができる World

デザイン

2016年、デザイナーが実践すること

デザインってなんだっけ? デザインはこれから重要になる。 デザイナーの端くれである私ですが、そんなこと言っている状態ではないのでは?と思うことがあります。 2016 年はデザインの重要性を伝える前に、デザインへの信用を取り戻すためのアクションが必要ではないかと考えています。ここ数年、海外(特に欧米)ではデザインの役割が大きく進化してきていますが、それを真に受けて日本で同じように実践しても意味がないと思います。なぜなら、デザインという言葉や、デザイナーの仕事における考え方の『前提』が大きく異なるからです。 デザインの価値を商業的なものだけにせず、人々や社会に良い影響を及ぼすためのデザインをしようという意向を示すデザインマニフェストが1964年に発表されています。見た目だけでなく、問題解決のためのデザインを考えていこうという動きが 50 年前からあります。また、アメリカのデザイナー協会 AIGA は、無料で「とりあえず作ってみて」と注文がくる Spec Work は止めようという声明を発表していますし、最近でも東京オリンピックのロゴをクラウドソースすることを反対する公開状を発表しています。 こうした活動は大きな団体だけに留まることはありません。例えば Medium のデザインタグを追えば、たくさんのデザイナーが自分の意見を発表していますし、今はポッドキャストとブログの全盛期と呼べるくらい、たくさんの『声』を聞くことができます。

Webデザイン

Webならではの表現を見つけるために捨てるべきこと

面白いから実装で良いのか コンテンツや利用者体験を重要視する動きは Web でもネイティブアプリでも見られるものの、Web サイトデザインにおいては空回りしているように見えることがあります。ときには Web サイトよりネイティブアプリのほうが良いと思われてしまうような表現や手法が使われていることも少なくありません。 上から下へスクロールするという多くの利用者が期待するユーザビリティでさえ、パララックスデザインという表現によって破壊されていることがあります。パフォーマンスが重要視されているのかと思いきや、10 以上の JavaScript ライブラリを組み合わせた重たいサイトも未だにあります。それも「面白い表現」「ネイティブアプリのような見た目」を実現するためだけに実装されていることもあり、利用者には負荷がかかることがあります。日本人を対象にしていたとしても、誰もが高速回線でデータ量無制限というわけではありません。 Flashサイトではよくないよねとか言われていたのに、HTML5サイトならローディングナウとか、スキップイントロがありになってしまう不思議。おいおい。 — Yasuhisa Hasegawa (@yhassy) June 2, 2014 興味深いことに、10 年くらい前に「バッドプラクティス」と呼ばれていたことが、様々なサイトで採用されています。ローディング画面はもちろん、ニュースレター登録を促すためのポップアップ、自動的に出現するバナー、テキスト選択メニューの過剰なカスタマイズなど、

コンテンツ

コン親会が教えてくれたコンテンツの仕事の面白さ

2月16日、Web コンテンツの作り方・指示の仕方・拡げ方・改善の仕方などを雑談する『コン親会』を開催しました。お付き合いが長い 株式会社エフシーゼロ の @fuuri さんとした初めての企画です。 以前から、教える・教わるという関係を省いたかたちで、コンテンツやデザインの話がしたいと思っていました。特にコンテンツに関しては、明確なポジションが日本では確立されていないので、実際どのような取り組みがされているのか分かり難いところもあります。自分の知見だけではなく、様々な方の意見を耳にすることで、自分の仕事にフィードバックできるはず。今回は「第0回」と題して、現状把握のための場を設けました。 参加した何人の方がイベントレポートを書いてくださったので参照してください。 コン親会 第0回で、コンテンツとは何かを考える – @kaoritter BLOG コンテンツについて~第0回コン親会に参加してきました – 馮富久のブログ コン親会 第0回 参加レポート – #fc0ノート 視点の切り替えから始まる

意見

私たちはすべての人と友達になれるのか

ソーシャル。ソーシャル。ソーシャル。 今、この言葉を聞かない日がないくらい耳にしています。そして、様々な言葉がソーシャルと組み合わせて使われることがあります。ソーシャルリーディング、ソーシャルラーニング、ソーシャルファンディング、ソーシャル医療・・・。おそらく私たちの行うすべての行動はソーシャル化され、ソーシャルという言葉を使う必要がなくなる日が来るのかもしれません。 ソーシャル化される・・・これは、私たちの情報が公の場にさらされ、すべての人が何かしらの形で繋がっているネットワーク化された状態です。人との繋がりや影響力がネットワーク化された社会では重要と考えられているからこそ、評価経済や評判経済という言葉が生まれてきたのでしょう。 人と人とが繋がり合い、新たな可能性を生み出すソーシャルな世界。常にネットワークにいるからこそ、心を支え合うこともできるかもしれない。Sean Parker 氏が、彼の新しいスタートアップ Airtime を語るときに使った言葉が「Eliminate Loneliness」でした。ネットワークで繋がったソーシャルな世界は、正に孤独がなくなることといえるでしょう。 しかし、私たちは本当に孤独がない世界を必要としているのでしょうか。また、ネットワークに繋がった世界にいることが我々にとって本当に必要とされている状態なのでしょうか。それが時々分からなくなります。 孤独は辛いです。しかし、孤独という状態があるからこそ、繋がりの喜びがあるでしょう。孤独とは言い換えれば、

Adobe

アドビさんへ3

次期バージョンからのアップグレードポリシーの変更とAdobe Creative Cloudの発表で、昨日から Adobeユーザーの間から様々な声が発せられています。今年はサブスクリプションサービスの提供を開始し、さらに Cloud によって価値を高めようとしているものの、思惑どうりにはいっていないようです。今まで過去 2,3 バージョン遡ってアップグレードできたのが、1バージョン前からしかアップグレード価格が適応されなくなるのが大きな原因。今までも利用者の間では「アドビ税」と呼ばれている Creative Suite ですが、今回のポリシー変更でフラストレーションを爆発させている方も少なくありません。 ここ数年、Adobe のソフトウェア開発サイクルと戦略に疑問をもっている方は少なくないと思います。 アップグレードすることで機能の数は増えるものの、それに反比例するかのようにパフォーマンスが落ちる Creative Suite。素晴らしいユーザーエクスペリエンスを提供しますと宣言している CS 5.5 ですが、今年の7月にリリースされた OS にも対応がままならないまま次バージョンへ移行しようとしているのはどういうことなのでしょうか。Museのようなプロジェクトは確かにおもしろいのですが、Creative Suite のコアにある Dreamweaver や Fireworks

UX

日本的なUXの解釈とは

おもてなしをどう解釈してますか? UX という言葉を仕事とどう関連付けさせるのかという課題は「UXの定義と私たちの仕事の関係」という記事をはじめ何度か取り上げています。とはいうものの以前から気になっているのは「良い体験」というのは果たして世界共通なのかということです。日本的に解釈するとどうなるのか、何が共通しているのかについて時々考えています。何気に使っている外来語(例えばイノベーションとか)も日本独自の解釈で使われていることがあります。Webデザインにしても日本独自のトレンドはもちろんありますし、海外では流行していることがそのまま日本で使えるとは限らない場合があります。 よく UX の言葉の和訳的存在になっている「おもてなし」という言葉。日本人の耳にはとても気持ちよく聞こえるわけですが、この言葉をどう解釈しているのかで考え方も変わります。「モノを持って成し遂げる」という語源をもつこの言葉。意味を調べると以下のような言葉がでてきます。 とりはからい。処置。取り扱い 表裏のない心で客を取り扱うこと。待遇 食事や茶菓のごちそう。饗応 語源を考慮して「おもてなし」を解釈するのであれば『製品・場所・サービスという見たり感じたりするモノをもってとりはからう』といったところでしょうか。しかし、この解釈をそのまま Web デザインに移行できるのかといったら疑問です。その理由のひとつとして、

セミナー

物理的な近さと心理的な近さから考えるプロセス

CSS Nite LP11で「人の特徴から見えてくる次のデザイン提案」というミニワークショップを行いました。時間の都合で考えたアイデアは後ほど共有という形で終了しました。今回から数回に渡りいただいたアイデアを幾つか紹介していきたいと思います。 近さモノとモノが近いと、遠いもの同士に比べて関連性が近いと理解する。 人の特徴を活かしてサイト特有のゴールを達成させるためのアイデアを練るというのが今回のワークショップの目的ででした。ワークショップでは14もの人の特徴を紹介しましたが、その中のひとつに Proximity (近さ) というのがありました。 上の図を見てください。色が違いますが、直感的に隣り合っている円が同じグループに属しているように見えると思います。色にはまったく共通点がありませんが、近さが同じグループであると思わせています。AとI、FとHはそれぞれ同じ形と色です。しかし、それぞれに何か関連性があるとは考え難いです。たとえ同じ情報でも近くなければ関連性が見えてこない一例です。上の図は極端な例ですが、情報を設計する上で「近さ」をつかって感覚的に関連情報であることを伝えることが出来ます。 こうした情報の距離感ではなく、別の近さに注目したのが crema さんのアイデアです。上記に挙げた近さは物理的・視覚的近さですが、cremaさんが注目したのは心理的な近さです。今回のワークショップの題材として選ばれた CSS Nite だけではありませんが、講演者は「壇上のエラい人」に見えてしまうので心理的に遠く感じてしまうかもしれません。 「壇上のエラい人」

意見

新聞サイトの有料サービスの糸口

有料コンテンツは成功しない? イギリスの新聞サイト The Times は、6月から 有料サービス を開始し、記事の全文を読みたい場合は会員登録をしなければならないようにしました。その結果、2月のアクセス数に比べ 90% も落ちたそうです (詳細記事)。外サイトからリンクを辿ってアクセスした際は、自動的に登録ページへリダイレクトされるように設定されており、そのうちわずか 25.6% が先に進んでサイトを観覧したそうです。値段だけでなく、やり方も不味かったと思いますが、これは大打撃といえるでしょう。 The Times は 15,000 の有料会員を獲得したので、一概に失敗例とは呼べません。成功・失敗をどう定義するかは難しいですが、近年国内外の新聞社が積極的に有料コンテンツを開始しているのは事実です。大手だけでなく地方新聞も有料サービスを開始しており、こちらの表でどの新聞社が開始しているのか見ることが出来ます(USのみ)。紙の新聞の配布数と共に広告収入も落ちるわけですから、別の収入源を探さなければ運営が難しいです。現状、紙の新聞の収入に頼っている部分が多いわけですが、Web ではバナー広告以外の決定打がなく、有料コンテンツ化を試みるものの The

意見

新聞サイトのコンテンツと広告領域

新聞だけではありませんが、雑誌をはじめとした紙媒体メディアではページの一部を広告として販売することによって収入を得ています。Webでもこの手法は流用されており、ページの場所や大きさによって値段が細かく決められています。Webにおけるこうした広告モデルは確立されていますし、すぐにお金が入るだけでなく比較的安定した収益が見込めます。Web サイトを運営するのはタダでは出来ないわけですから、広告はなくてはならない存在です。 しかし、ただ貼付けているだけの広告では読者のサイト利用の邪魔になりかねませんし、だんだん広告が「ないもの」として扱われる場合もあります。現状、日本の新聞サイトではどのように広告が扱われているでしょうか。以下のスクリーンショットは XGA (1024×768) の解像度で撮影したものです。スクリーンショットの下に書かれているパーセントは、表示領域に対して広告がどれくらい占めているかを示しています(ブラウザのボタンや検索フィールドは表示領域に含まれていません)。 朝日新聞: 32.7%日経新聞: 15.5%毎日新聞: 19.6% 中日新聞: 27.1%産経新聞: 12.4%読売新聞: 43.2% ほとんどのサイトで右上に大きな広告が表示されているのが分かります。

意見

ウェブらしい新聞サイトのあり方とは

2月24日に「ネット時代のメディアとジャーナリズム」というオープンフォーラムが開催されました。本当は会場に行くべきでしたが、丁度 Ustream で中継がされていたので視聴させていただくことに。そのときの模様は Twitter の #mf224 で追うことが出来ます。パネルディスカッションはフォーラムの題名にもなっているメディアとジャーナリズムだけでなく、ビジネスモデルの話まで広げて議論がされていました。同じ日に日経が有料のWeb刊サービスの開始を発表しているので、こちらも踏まえて依然として存在する Web と紙とのギャップについて整理しておこうと思います。 新聞の価値がコンテンツの価値ではない 新聞はお金で買っていますが、Web にアクセスすれば無料でコンテンツがあります。よって、Web はすべて無料にしてしまうライバルのような存在である、情報の価値を下げているので価値に対して値段をつけるべきという考える方もいるとでしょう。しかし、私たちは新聞を買う際に新聞のコンテンツのみに対してお金を支払っていたわけではありません。私たちは新聞にお金を払うとき、以下のコストに対して支払っていると考えることが出来ると思います。 情報料 掲載されている記事 編集料 コンパクトに分かりやすくまとめられている 印刷料 手軽に読むために媒体を最適化 配送料 自分の手元に届く Web以前だと今のようにニュースを探して読むのは大変手間でしたし、全体的に見渡すことも難しいです。そもそも素人の私たちでは情報を探すということすら不可能に近かったかもしれません。しかし、新聞をひとつ読めばニュースを探す手間が省けますし、購読すれば毎日手元へ郵送されます。

意見

読まなくなった私たちと「読む」の今後

今、書籍を読む人たちはどれくらいいるのでしょうか。学生の頃はたくさん読んでいましたが、今は減ってきています。そもそも書籍を読むということが時にストレスがたまることも少なくありません。はやく要点に辿り着いて欲しいと感じる事もあれば、検索が出来ないのでとても不便と感じることもあります。 お菓子コンテンツが愛される 少ないメッセージやちょっとしたリンクであれば Twitter で十分役割が果たせるので、このサイトでは情報を盛り込んだ読み応えのある文章にするよう心がけています。Web には他にもたくさんの長文と呼ばれる記事はありますが、本のボリュームで考えると数ページの話です。それですら私たちは「あとで読む」とタグ付けをしてブックマークの奥底に放置します。むしろ、長文は読者受けされにくく、ザッピングに最適化されたリストや Tips が多いのが現状です。 このサイトでも長文かリスト形式の Tips にするかでアクセス数が大幅に異なることがあります。 Webだけが、こうした一口サイズのお菓子コンテンツになっているわけではありません。書店へ行っても Web コンテンツを書籍化しただけような Tips 集や、ネタのような新書サイズの本も見かけます。 「Now」な文化の代償 答えを導くためのプロセスを楽しむということが出来なくなってきているかもしれません。 特に Web に見られる傾向ですが、私たちは欲しい情報を今すぐに手に入れたがる傾向にあります。Google でキーワードを書けば1秒以内に情報が手元に届くわけです。検索結果を辿って情報を探すにしても、

Adobe

アドビさんへ2

以前「アドビさんへ」という記事を書きました。当時 Dear Adobe という Adobe 製品の不満や改善点を共有するサイトが話題になり、私も記事内で提案を幾つか書きました。そして、その記事を書いたおよそ1年後のAdobe MAX で CS5 がほんの少し紹介されました。一体どのような改善点が見られるのか楽しみにしていたのですが、結果はガッカリする内容でした。 もちろん、今回が CS5 のすべてではないですし、Flash Catalyst を中心とした RIA 戦略が話題の中心でした。失望するには早すぎますが、Photoshop CS5 の魅力を紹介するのがパフォーマンスではなく使うかどうかも分からない『スゴい』機能についてだったのは残念ですね。あると良い機能というのは確かですが、絶対必要でもないですし、そのせいでパフォーマンスが落ちているのであれば微妙なところですね。 Adobe 製品は以前は使うのが楽しいかったですが、今はどうでしょうか。立ち上がるのも何かをするのもワンステップ遅いですし、メモリ不足の警告やクラッシュを心配しながら仕事をしなければいけません。Coda や

ブラウザ

Opera Japan のパネルディスカッションに参加しました

数日前の話になりますが、Opera Japan にて社員向けのパネルディスカッションが開催され、スピーカーとして招待されました。林 信行さん、ミツエーリンクスの木達さんに並んで一緒に話すことが出来て恐縮でしたが、こんな機会はまずないので楽しんで参りました。Opera が示すことが出来る日本のプレゼンスに関するディスカッションもありましたが、Opera というひとつのブラウザに捕われない大きな話もありました。 HTML5 がこれからWebアプリケーションにどのような影響を及ぼすのか、そして使える環境が整えられ始めている現在においてデザイナーや開発者はどのような姿勢をとっているかといった話は多くの時間を費やしました。ジャーナリストから見た視点、大規模の Web サイト制作会社の視点、そしてひとりの Web デザイナーの視点がそれぞれあり、興味深い展開でした。どの視点をとっても「なぜ」HTML5 や CSS3 を使うのかではなく「いつ」「どのように」のほうが課題という印象がしました。Progressive Enhancement の意識調査と共通していえることですが、作る側が重要性を理解していても、クライアントや利用者に対しての提案の仕方が模索されきれていないのが現状です。このあたりがクリアになることで導入サイトの増え方も変わってくるでしょうね。 また、技術視点での提案ではなく利用者視点の提案も必要です。DHTML や Ajax

Twitter

Ask Twitter: ウェブサイトの見た目は同じにしなければならないか?

このエントリーは「質問: ウェブサイトの見た目は同じにしなければならないか?」の続きにあたります。 やっと明日に結果レポートを出せる状態になったので、まずは Twitter 経由でいただいたウェブサイトの見た目や Progressive Enhancement に関する意見をまとめて紹介します。アンケートだけでなく、こうして意見まで送っていただき感謝しています。140文字内でこれだけの情報を詰め込めるのかと関心してしまう意見も多数です。 Progressive Enhancement を簡単に説明すると「ブラウザに応じて最適だと考えられるインタラクションと見た目を提供する」になるかと思います。ただ、この説明文だけ読むとブラウザによって異なるデザイン/レイアウトを作らなければならないという印象を与えかねません。実際はそうではなく、新しいブラウザで見ると text-shadow を利用して可読性を少し上げているといった小さなことでも Progressive Enhancement に該当します。もちろん、その『小さな違い』を小さいと見なすかどうかは個人によって判断基準が異なりますが、CSS と Progressive Enhancement は相性が良いですし、元々それが CSS を使うメリットだと思います。実は CSS を利用してレイアウトをし、

アイデア

DreamweaverはCSから独立してもいいと思う

Dreamweaverは、たくさんのウェブサイト制作者が愛用しているソフトウェア。毎回バージョンが上がる度に目まぐるしい発展を遂げていますし、新しいバージョンのCSを買おうと思うひとつの要因になるキーソフトだと思います。私個人は Dreamweaver を使用していませんが、それでも使うメリットを感じますし、Dreamweaver ならではの良いソリューションも少なくありません。特に印刷向けのデザイナーがスムーズにWebに向けたデザインが出来るようにした功績は素晴らしいです。ウェブサイトを制作するのにかかせない存在ではありますが、同時に改善点も少なくありません。それは「Dreamweaver」というソフトウェアの存在そのものの見直しだと感じています。 2,3バージョンくらい前からですが、わざわざ Creative Suite というバンドルの中のひとつに Dreamweaver が必要なのか疑問を感じます。「もう新しい CS が出た!」という声は新バージョンが出る度にありますが、それでも1年半か2年のブランクがあります。Photoshop や Illustrator のようなソフトであれば、そのブランクは大きなものではありません。しかし、ウェブで1年といえば相当のブランクではないでしょうか。ブラウザの状況も変わりますし、CSS や JavaScript で使える表現も進化しています。この Web のスピード感に

仕事

Ask Twitter: 使っているサイト制作ソフトは何ですか? 2

前回に引き続き、いろいろな方が使っているサイト制作ソフトの紹介です。 以前、制作ソフトに関して神森さんと話したことがあります。制作ソフトそのものの使い方を習得することも重要ですが、実は OS の特徴をいかに把握して活用するかが制作ソフトの使い勝手に大きな影響を及ぼします。テキストをダブルクリック、トリプルクリックしたときにどのような挙動が起こるのか、コピーしたデータがどのようにクリップボードに保管されるのか、他のアプリとの組み合わせで相乗効果があるのか・・・といったことを知っていると知っていないとでは大きな違いです。 自分が使っているソフトを支えている技術や別のソフトを改めて見つめ直すことで、自分の『武器』がさらに手に馴染むと思いますよ。 ブックマークに使用している制作ソフトを書いている方もいらっしゃいますね。他にもあればぜひ @yhassy でコメントよろしくお願いします。 wooyan Crescent Eveというエディタを使っています。軽さと程よい補完機能が便利ですね。それと編集中のファイル内を調べて入力支援してくれるところが最高です! Kazabana やっぱりDWが多いですね。WPテンプレート編集するのに使ってますが、WPタグを扱うのがちょっとアレです。 floral DreamWeaver,CSSSEdit,SKEdit,Jedi X。JChecker Xは、コードや全角・半角チェックをしてくれるので重宝するっす versionfive Mac買ってからずっとskEditです.軽い上にローカルとリモートの同期も簡単にできるとこがいいっす hatto

仕事

Ask Twitter: 使っているサイト制作ソフトは何ですか?

エディタは何度か放浪しながら、そのときのワークフローに合ったものを使っています。今でもメインは相変わらず skEdit ですが、サイト管理の機能がとても良い Coda も併用しています。Coda はまだまだエディタとしては物足りないですが、バージョンが上がる度に良くなってきていますし、1.6.1 に導入された プラグイン でどれだけ多くの開発者の協力を得ることが出来るのかが今後の鍵でしょう。 また、CSSEdit を開発している MacRabbit が Expresso という本格的なエディタを開発しているのも見逃せません。こちらも Sugars という拡張機能が備わっており、カスタマイズ性も高いです。 そんなにエディタ変えてコーディング面倒そうと感じる方もいるかもしれませんが、コードのスニペッツの多くは TextExpander に格納しています。仕事とは関係ないですが、ブログでレビューを書く際も、ショートカットで hReview のテンプレートを書き出しています。アプリケーションに依存することなく自由にコードを呼び出せるので重宝しますね。 いろいろチョイスが増えている近年ですが、他の方はどのソフトを使っているのか気になりますし、理由も知りたいですよね。そこで Twitter を使って「

意見

何処で何を投稿していますか?

今年の4月で11年目になるこのサイト。昔は個人的な日記, リンク, 記事, 一言メモなど何でもこの場所に書いていたわけですが、ソーシャルメディアが普及したことによってその現状も変化してきています。2年くらい前までは個人的な日記を mixi や Vox で書く試みをしましたが、今は一言ちょっと書く程度ならすべて Twitter に移行しています。気になるリンクは delicious に保存していますし、興味深い画像が見つかったら Tumblr へ貼付けています。 記事を書く場所も分散してきています。もちろんメインでこちらで書くことは変わりませんが、このサイトにフィットしない内容もあるので、それらは別サイトで執筆しています。greenhug, builder.com, Web担, マイコミがその例になります。 気軽に書く場所も、真剣に書く場所もたくさんあるのは素晴らしいことであると同時に混乱も生じます。何処に何を投稿するのか迷ってしまうこともあります。複数のユーザー名を作ってひとつのサービスを利用している方も聞いたことありますが、それも少し複雑です。人によっては書く場所によって異なるペルソナを作ったりしているのかな? 僕が何かを投稿をする際に考えることと言えば: プライベートなのか仕事関連なのか 投稿する内容のテーマは何か どのようなレスポンスを求めているのか 3つ目は意外と気にしている部分ではありますね。分散すればするほど、レスポンスやその先にある対話を追うのが難しくなります。以前「ブログの向こう側にある会話を追う」

セミナー

Web Directions East を終えて

もう10日も前の話になりますが、Web Directions East (WDE) が無事終わりました。夏の初めからずっと携わっていたので、4ヶ月くらいこのイベントに関係した作業やお手伝いをしていました。主に僕は執筆関連が多かったかもしれませんね。こちらでは告知していませんでしたが、東京IT新聞のほうでもミニ連載をしていました。 『スペック』がイベントの価値ではない 運営のお手伝いをしていた僕でも、WDEの参加費用はウェブ制作関連のイベントでは挑戦的だなと思いました。スピーカーを日本へ呼んだり、同時通訳のことを考えると仕方のない費用ではありますが、金額では計れない体験にどう注目してもらうかに苦労しました。海外では名が知られている方達が来日したとはいえ、海外のニュースにアンテナをのばしていなければ、ただの『外人』といっても良いかもしれません。スピーカーがどういった方なのか、そして彼等の仕事がいかに自分の仕事に影響しているのかを紹介することが自分の中では最初の課題でした。 カンファレンスとは・・・と言うとそれぞれ違った価値があるのは当然です。ただ、1時間くらいの話を聞いただけでスキルが上がるということはまずないでしょうし、ウェブというオープンな世界で仕事をしている以上、革新的に新しい情報がカンファレンスに参加することで得れることもないでしょう。むしろそれを期待していると、(WDEだけではないですが) カンファレンスはとても不満足なものになると思います。 どういった情報を得れるかといった『スペック』を求めるのであれば、ワークショップに参加したり、学校へ行ったり、書籍を熟読したほうが効率が良いでしょうし、満足度も高いと思います。 そこにいるという体験の尊さ 僕の中ではカンファレンスは、体験の場だと思っています。

ビジネス

険しいがエキサイティングな時が来た

今日は新宿の某所で境さんと対談をしてきました (このときの模様はポッドキャストとして来週公開予定)。様々なトピックが話されましたが、全体的に「来年はエキサイティングな年になる」というテーマがあったような気がします。アメリカでは深刻な状態が続く経済問題も、日本への影響は出てきます。企業は発注を減らす可能性はあるでしょうし、ウェブだけでなくプロモーションやサービス関連の予算を割くことも考えられるでしょう。しかし、これは絶好のチャンスと捉えることも出来ます。 特に小規模の会社で働く方やフリーランスにとってチャンスです。次へのアクションが柔軟に起こせるだけでなく、次のための提案や提示をいち早く出来るのも小回りの効く小規模チームのメリット。変化が必要な時期だからこそ、変化の波の乗っている会社や個人が注目させるようになるのかもしれません。停滞気味だからこそ、成長のチャンスです。 フリーランスに特化したジョブボードも増えてくるでしょうし、個人と個人、又は個人と中小企業のコラボレーションが幾つか生まれるでしょう。中には従来、大手の制作会社や広告代理店を通していた企業も中小企業やフリーランスにあるスマートな人材を採用するという機会も出てくるのではないでしょうか。そういったチャンスが出てくる可能性があるからこそ、技術を磨くだけでなくビジネスの運営方法やプロジェクトの進め方を学ぶことも重要になってきます。そして、今まで以上にウェブやそれを取り囲む環境に注目し、「次」を嗅ぎ付ける勘もなくてはならない存在です。 あれやこれやと学ぶものが増えるという感じが相変わらずするウェブの世界ですが、常に流動し続けるウェブではそれは当たり前のことです。ただ、ビジネスの運営の仕方というのは、そう毎年変わるほど変化の激しいものではないわけですから、勉強していく価値はあるのではないでしょうか。 「Web 2.0!」と騒がれていた時期に比べれば、なんとなく静かな雰囲気もあります。しかし、表面化していないだけで、水面下では考えている方、

Adobe

アドビさんへ

既に Adobe Labs では、次期バージョン「CS4」の話題が出てきています。特に Fireworks CS4 は、プロトタイプを作るのに便利そうな機能があるので期待している方もいるのではないでしょうか。しかし、「もう CS4 か」という思いも同時にありますね。もちろん、今回はスキップするという選択はありますが、機能が増えても安定性やスピードは低下している一方のように思え、次買うのが不安だったりします。 アドビ製品がなければ仕事が出来ないというくらい毎日使っているわけですが、それと同時に不満も少なくありません。どうやらそう考えている方は少なくないようですね。先日立ち上がった Dear Adobe では、人々が不満を書いたり、投票することが出来ます。ちなみに現時点でのトップ10はこんなかんじです。 ただ PDF が見たいだけなのに、立ち上がるのに時間がかかったりアップデートが何回もある Adobe Reader ってどうよ? OS のインストールより時間がかかるインストーラーはどうにかしてほしい DRM はもう止めにしてお手頃な価格形体にしてほしい Updater はもう止めてほしい。

仕事

建設的な会話をするために気をつけておきたいこと

ウェブサイトの構築といっても、立場関係を考慮することなく、コラボレーションのようなデザインプロセスになってきています。デザインプロセスのどのフェイズにおいても、開発メンバーやクライアントを交えて意見を交換するときがあります。皆でサイトを作り上げて行くわけですから、会話をすることはとても大事な時間ではありますが、建設的な意見ばかりが出て来るわけではありません。時には会議が迷走してしまったり、開発メンバーの士気を下げてしまう可能性もあります。 チームメンバーだけでなくクライアントにも伝えておきたい、建設的なフィードバックの仕方。よりよいウェブサイトを皆で作って行くために覚えておきたい項目を5点紹介します。 感情を含む熟語を含めない 「好みではない」「違う気がする」といったネガティブな表現だけでなく、「好きだね」も使うのを控えたほうが良いです。もちろん、違う意見を言うことは悪い事ではないですし、「好みではない」と考えることは誰でもあります。そのとき感情的な表現をそのまま述べるのではなく、どうしてそう感じるのかを考えてフィードバックすると良いでしょう。 問題と言わない この言葉が入った瞬間に、何か間違いが起こっているように聞こえてしまいます。デザインプロセスは試行錯誤の連続なので、あるのは問題ではなく超えなくてはならない『課題』のみです。感情的な表現も含めて、ちょっとした言葉の使い方を気をつけるだけで伝わり方が変わることがあります。 主観的であることを認識する 自分の経験や役職の責任からフィードバックをすることはありますし、ときにはデータに基づいた意見かもしれません。しかし、フィードバックはあなたの意見であって主観的であることが多いです。何か意見を言う前に、デザイナーや開発者になぜその見た目にしたのか、なぜその機能があるのかを聞くようにして、その意見を元にフィードバックすれば主観性は和らぐでしょう。 明確な理由を述べる