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すぐに使えるノウハウではなく、「なぜそうなっているのか」を考える記事を書いています。デザインの仕事で感じるモヤモヤに、構造から向き合いたい人のための場所です。
「分からない」から始まるデザインプロセス
分からなくて当たり前 デザインの意味がますます広がる今日。ビジネスや街作りに至るまで「デザイン」という言葉が使われているものの、実際に形作るには深い専門知識が必要とされます。 Web サイト制作も、ビジネスモデルやユーザー調査など様々な分野を理解しなければいけないですが、それだけでは完成しません。フロントエンドやサーバーサイドだけでなく、特定のアプリケーションの使い方を熟知することで、「Webサイト」が形作られるわけです。つまり、視野を拡大・縮小を繰り返すことが、デザインの学習、キャリアにおいて欠かすことができないわけです。 こうして書くのは簡単なことですが、実際に視野を拡大・縮小を繰り返して学習・実践するのは難しいです。時間は有限ですし、ゴールをイメージして情報収集 [http://www.yasuhisa.com/could/article/what-you-need-to-know/] したとしても、知ることができことは限られています。デザインの意味が広がり続けると同時に、デザイナーに求められる知識やスキルが深くなってきています。しかし、すべてを知らなければいけないわけで
Adaptive Path 買収から思う銀行のこと、デザインのこと
米国の金融大手キャピタル・ワンが UX コンサル会社である Adaptive Path を買収 [http://www.adaptivepath.com/ideas/adaptive-path-where-were-going-next/] しました。その2ヶ月前にはモジュール式スマートフォン「Ara [http://www.projectara.com/]」を手がけた Daniel Makoski 氏が同銀行へ移籍しています [http://www.fastcodesign.com/3032630/why-one-of-googles-wildest-designers-left-for-a-bank] 。金融機関という巨大な組織でいかにデザイン思考が広がり、形になるのか今から楽しみです。ひとつの案件としてではなく、組織の一員として内側から変えていくという Adaptive Path のアプローチは、最近の私の仕事の仕方と重なるところがあります。 デジタル化は進んでいるものの、改善余地が数多く残されている大手金融機関。一般企業とは比べものにならないほど、安全性、プライバシー、危機管
疲れない情報収集と何を知るべきかを知るためのヒント
何を知るべきなのか分からない 昨年「情報だけでは価値がない時代の学びの姿 [http://www.yasuhisa.com/could/article/learning-in-network/] 」という記事で、流れの速い今の時代における学習との向き合い方について執筆しました。当時、変化し続けるプロセスに自ら身を投じることで学習しやすくなるのではと提案しました。 まずはアウトプットする、そして失敗を恐れず模索できる場を築くことで、体験しながら学習することができます。私の場合、このサイトやポッドキャスト [http://automagic.fm/] は良い実験場になっていますし、仕事にも役立っています。情報をインプットするためのコストが限りなくゼロになった現在。アウトプット(消化 )をすることで情報を知識/スキルに変えていかなければ身にならないどころか、膨大なインプット(情報)によって圧殺されてしまう恐れがあります。 インプットとアウトプットのバランスを保つのが難しい現在。鳥のように食い、象のように糞をしよう [http://www.yasuhisa.com/could/arti
コンテンツ管理で解決しなければならない課題
コンテンツ管理というと、真っ先に CMS (コンテンツ管理システム)を連想する方はいると思います。どのシステムを導入するか [http://www.yasuhisa.com/could/article/before-implimenting-cms/]を考える前に、そもそも Web におけるコンテンツ管理とは何かを理解しておく必要があります。理解を深めることで、クライアントが抱えている課題と解決のための模索がしやすくなります。 コンテンツを管理するということは、システムの中にデータを保管し、様々な形式に書き出すことだけに留まりせん。多くの場合、システム導入だけでは解決しない課題にぶつかります。CMS を導入しただけでは、Web コンテンツ配信における課題の一部を解決したに過ぎません。 コンテンツ管理で解決しなければならないことは、主に以下の7点です。 コンテンツの保管テキストだけでなく画像や PDF など様々な種類のコンテンツを保管できるような仕組み。検索性が求められるだけでなく、誰がどのコンテンツにアクセスできるのか、権限を割り振ることができる機能が求められます。 一貫性を
コンテンツ評価をする前にしておきたい質問
質問で変わる調査の仕方 Web解析 [http://www.yasuhisa.com/could/article/data-creative/] は、コンテンツの質を評価するために欠かすことができません。しかし、いきなりデータの海へ飛び込んでも、目的を見失うことがあります。手軽に膨大なデータへアクセスできるようになった今だからこそ、データに触れる前に何を見るのかを明確にしておく必要があります。 コンテンツの評価とは、大まかに言うと「コンテンツがうまく機能しているかどうか 」を調べることです。データを通して、人々はどのようにコンテンツに触れ、どのような体験をしているのかを見出すのが解析の主な目的になります。つまり、何をもって「うまく機能している」「していない」のかを理解した上で、評価しなければいけません。もちろん、アクセス解析だけですべての答えを見つけることはできませんし、並行してユーザー調査もしたほうが良いですが、いずれの場合でも何を評価するのかを事前に理解しておきたいところ。 アクセス解析において、ページビューや滞在時間はよく取り上げられる指標ですが、サイトの種類によって適し
コンテンツから先に考えなければデザインすらできない理由
ワイヤーフレームの間違った使い方 たまにリニューアル案件をいただくときがありますが、見た目より先にコンテンツを整理しましょう、一緒に作っていきましょうと説得するようにしています。このサイトでも様々な角度から コンテンツの重要性 [http://www.yasuhisa.com/could/tag/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%84/] を語ってきましたが、最もシンプルな方法は「UX を考えていきましょう」「モバイルファーストで戦略を練っていきましょう」といった専門性の高い言葉を使うのではなく、今までのやり方ではうまくいかないということを分かりやすく説明することです。 従来の Web サイト制作でよくあったのが、まずワイヤーフレームをつくって情報の大まかな構成を設計するというやり方。ワイヤーフレームを作ることは間違っていませんが、コンテンツを作る前に始めてしまうと、あとで大きなギャップを埋める作業が発生することがあります。コンテンツなしで構成を作り始めると、例えば以下のような状況に陥ります。 * 文字が多過ぎて入らない
Webコンテンツを理解できる人になろう
9月13日に金沢で WDF Vol.15 [http://wdf.jp/vol15/] が開催されました。今回はポッドキャストでおなじみのたにぐちまことさん [http://automagic.fm/post/86903851720/h2o]、神森 勉さん [http://automagic.fm/post/89204549730/momojam-eri-tstudio]、そして初共演になる株式会社キノトロープ [http://www.kinotrope.co.jp/]の生田 昌弘さんとご一緒させていただきました。昨年はコンテンツに関する講演やワークショップをしてきましたが、今年は 1 月以来ストップしていました(最近は デザインプロセスの話が多かったです [http://www.yasuhisa.com/could/article/how-we-talk-about-design/] )。今回は久しぶりのコンテンツ関連の講演ということもあって「コンテンツとはなにか?」という原点に立ち返って話をしました。 「コンテンツ」と言うけど
Iconic : A Photographic Tribute to Apple Innovation
イノベーションを『誰よりも先にすること』と捉えられることがありますが、それだけではないと思います。実際、アップルが誰よりも先に製品化、サービス化したものはごくわずかです。iPod が出る前に HDD 内蔵の MP3 プレーヤーはありましたし、マルチタッチスクリーンも消費者向けではありませんでしたが、既に存在していました。アップルの魅力は、機能や仕様に捕われない、今やるべきこと、未来にできることを考慮してデザインしているところだと思います。 ハードウェア、ソフトウェア、サービスを、他にはできない連携を実現することで独自の価値観を生み出しているアップル。いずれかを抜き出して語るのは、アップルのほんの一部を語るに過ぎないかもしれませんが、それをあえて実践し、魅力を最大限に引き出している本が「 Iconic : A Photographic Tribute to Apple Innovation [http://iconicbook.com/]」です。 これは書籍というより、図鑑と言ったほうが良いかもしれません。非常に大きく重たい本なので、ソファでじっくり眺めるのに適しています。アップ
dConstructで学んだWebの仕事に関わる責任
先週はイギリス、ブライトン [https://www.google.co.jp/maps/place/Brighton,+The+City+of+Brighton+and+Hove,+UK/@50.837418,-0.1061897,13z/data=!3m1!4b1!4m2!3m1!1s0x48758509f6294167:0x9cc6af7a727d0ef9] を訪問していました。目的は dConstruct [http://2014.dconstruct.org/] へ参加するためです。 あまり日本では知られていないイベントですが、今年で 10 年目になる Web と未来をテーマにした老舗カンファレンス。イベント開始当初は Web サイト制作寄りのテーマが多かったですが、ここ数年にかけてスケールが大きくなった印象があります。今年は「ネットワークに住むわたしたち 」をテーマに、