COULD
すぐに使えるノウハウではなく、「なぜそうなっているのか」を考える記事を書いています。デザインの仕事で感じるモヤモヤに、構造から向き合いたい人のための場所です。
即興が超える領域の壁
これは、私が好きな動画のひとつ。 歴史に残る映画の名シーンは、俳優たちによる即興が数多くあります。ヒース・レジャーが魅せた「ダークナイト [http://amzn.to/1dlJUJb] 」の怪演や「タクシードライバー [http://amzn.to/19Yew3b]」の名台詞が即興というのは、知る人ぞ知る有名な話。25 の映画のシーンを見ながら、俳優達の想像力と演技力を堪能できる内容です。(英語ですが、簡単な解説がアノテーションに記載されているので、表示しながら観覧すると楽しみが増します) 映画好きなら見ておきたい動画ですが、即興について考えさせられる動画でもあります。 俳優は台本どおりに台詞を話したり、監督の指示通りに演技をすることが仕事ではありません(それを好む監督もいますが)。「俳優だから」と、自分の周りにラインを引かず、与えられた世界の中を自由に動き回ることがあります。即興は、その表れだと思います。即興は、脚本によって定められた領域に留まらず、ときには領域からはみ出ることもあります。うまくいけば、作品の世界観を広げたり、登場人物に深みを与えてくれることがあります。
良いWebサイトのなかにある静と動
シンプルな言葉のなかにあるニュアンスの違い 「なぜ、Web サイトが必要なのか?」 とてもシンプルな質問ですが、回答は様々です。 「利用者にとって良いコンテンツや体験を提供したいから」という回答をする人もいるでしょう。しかし、この模範解答のような言葉でさえ、人によってニュアンスが異なります。特に、マーケッター寄りの人と人間中心設計を実践している人では『良い Web サイト』の捉え方が大きく異なります。 マーケッターの視点で Web サイトをデザインするとは、どういうことでしょうか。彼等が考える「良いコンテンツ」は、サービスや製品を購入してもらうための説得材料です。写真、映像、文章、機能リスト・・・、こうした要素は、説得するために必要だと考えています。顧客が Web サイトへ訪れることによって、「買ってみようかな」と思ってもらえるような画面に設計することが重要だと考えられています。 それでは、人間中心設計の視点で Web サイトをデザインすると、どうなるでしょう。彼等が考える「良いコンテンツ」は、サービスや製品を利用することで、どのような感情が生まれるのか、どういった体験が待っ
Indie Game: The Movie
ゲームはアートと呼べるのでしょうか。 そうとは呼べないものもあるかもしれません。ゲームはアートとはいえないと思っている人も 2012 年のドキュメンタリー映画「Indie Game [http://buy.indiegamethemovie.com/]」を見れば考えが変わるかもしれません。3 つのインディゲームの開発模様を追ったこの映画。その中で開発者のひとりは「自分の良いところも悪いところもすべてゲームにぶつけている」と話しています。彼等がどのようにしてゲームをつくり、世に送り出しているのかを見終わったときに「はたしてゲームはアートを呼べるのか」という疑問が頭をよぎるかもしれません。 制作会社でビックタイトルの開発に携わるのではなく、ゲームデザインからグラフィックまですべてを 1 人又は少人数で開発する意味とは何でしょうか。続編に頼ったリスクの少ない商業化されたゲームではなく、自分たちがつくりたいゲームをつくる。それはとても『カッコいい』響きですが、実際は恐怖に満ちあふれた世界です。そこで彼等は身も心も削りながら、ゲームを少しずつ組み立てていきます。開発者ひとりひとりにフォ
コンテンツ提案を生み出す対話のポイント
今のコンテンツの状態を書き出す「Content Inventory (コンテンツ・インベントリー)」は、Webサイトだけでなく、アプリ開発の際にも役立つステップです。ひとつひとつの画面を見ているだけでは気付かなかったことも、表にしてまとめると、重複していたり、古かったり、間違った情報が表記されているところが見つかりやすくなります。 コンテンツ講座 [http://www.yasuhisa.com/could/article/visualize-content-process/] でもインベントリーの重要性と始め方を解説したものの、難しいのは数百ページ分のコンテンツを表にまとめて調べるところではありません。本当に難しいのは そのあとどうするのか?という部分です。例えば、重複コンテンツや Web には適さないライティングが増えないようにするための処置はできます。 インベントリーに特別なツールは必要ありません。Excel や Google Spreadsheet で十分です。 * ワークフローの見直し: CMSの機能を使うだけでなく、組織の誰がどのようなタスクをするのかを確認する
WD101: PC脳な制作者にありがちな8つのアプローチ
このシリーズは Web Design101(WD101)と名付けて、ウェブデザインをより深く理解するための最初の一歩になる知識やノウハウをコラム形式で紹介していきます。 * Webは見た目のコントロールがきかない [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-nocontrol-in/] * モニターの外をデザインするのが大半である [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-outside-monitor/] * Webは寛容性をデザインする場である [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-progressive-enhancement/] * Webのデザインは枠のない世界である [http://www.yasuhisa.com/could/article/wd101-no-edge/] * Webデザインであるもの、そうでないもの [http://www.
ポジティブとネガティブのデザインバランス
個人や社会の反映させるような強みや長所を研究するポジティブ心理学 [http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6] 。以前、ポジティブ心理学から学べるデザイン思考 [http://www.yasuhisa.com/could/article/positive-psychology/] でも取り上げましたが、より良い体験を設計したいと考えるデザイナーであれば無視できない分野だと思います。一見、自己啓発の話に聞こえるわけですが、チーム管理や、コミュニケーションなどにも役立つと言われており、関連書籍や資料から多くを学ぶことができます。 [https://www.amazon.
イメージ先行を超えた有意義なブランド価値
刷り込むだけがブランドか 企業ブランドを紹介する Web サイトを見る度に「ブランドってなんだろう」という疑問が頭を過ります。 どのサイトも洗練されたイメージつかってブランドを紹介しています。時には『企画モノ』を通して面白いアイデアに乗せてブランドを紹介していることもあります。PR の意味合いも含めてブランドメッセージを訴えかけているからかもしれませんが、時に「これをすることでブランドを伝えているのだろうか」と思うことがあります。 元々 brander という焼き印をつけることを語源としているブランド。イメージ(言葉・絵・音など)から、製品やサービスを連想させやすくし、それが安心感や信頼性にも繋がると言われています。焼き印としてのブランドであれば、イメージ先行の『刷り込み型』のコミュニケーションでも十分なのかもしれません。 しかし今のブランドは、他にも様々な意味が含まれています。 例えば、企業ブランドは企業が訴えるイメージだけでは完成せず、消費者の経験や価値観も加味された、複合的な存在であるといわれています。この場合、ブランドを通して約束された価値や意味を、消費者にきちんと提
利用者の期待とUIデザインについて
UI デザインとひとことで言ってもたくさんのことを考慮しなければいけません。単一機能のシンプルなアプリの設計だったとしても、UI の課題は山のようにあります。私自身、どこから始めたら良いのか分からなくなることがありますが、UI デザインを考える始めるために、ふたつの疑問を自分自身に問いかけるようにしています。 * 利用者が期待に応えられるようなインターフェイスはなにか? * 利用者が目的に辿り着く為の明確な道筋はなにか? 利用者と目的の間には『溝』があります。それをどう埋めるのかを考えるのも UI デザイン。 矢印のような印がついたボタンがあれば、利用者は何を期待し、行動するのか。 この2つの疑問のなかで特に重要になのが「期待に応える」という部分です。実は、利用者の期待をうまく処理できていないために、使い難いという反応に繋がる場合があります。では、ここでいう 期待とは、どういう意味なのでしょうか。 * 次に表示される画面が、利用者の思っていたものであること * 操作した結果が、利用者が想定していたものであること それでは、逆に期待通りではない状態とはどういったもので
ワークショップで気をつけている5つのコト
講演 [http://www.yasuhisa.com/could/tag/%E8%AC%9B%E6%BC%94/] が難しいのは、限られた時間で自分の想いを伝えなければならないこと。誰でも共感できるように視野の広い話をする傾向がありますが、具体性に欠けたり、自分の仕事に関連付けさせるのに苦労する方も出てきます。しかし、だからといってノウハウを伝えるだけであれば、浅い Tips になったり、その場でなんとなく満足して終わりという危険性もあります。 そこで、最近はワークショップにも力を入れるようになりました。講演で伝えている想いの真意を、追体験を基にじっくり学んでもらうことが出来るのが魅力です。昨年から続けている コンテンツ三部作 [http://www.yasuhisa.com/could/announcement/content-workshops-seminars/] 、そしてデジタルハリウッド大学院で行ったプロトタイプの講座 [http://www.yasuhisa.com/could/article/dh-prototyping-course/] を通して学んで、