Latest thinking
すぐに使えるノウハウではなく、「なぜそうなっているのか」を考える記事を書いています。デザインの仕事で感じるモヤモヤに、構造から向き合いたい人のための場所です。
メタデザイナーを育成するデザイン教育
今月末から デジタルハリウッド大学院 [http://gs.dhw.ac.jp/curriculum/subject/list-all/index.html#future_interface] でプロトタイピングをテーマにしたコースを受け持つことになりました。1時間くらいの短い講義で話をしたり、ワークショップの経験はありますが、数週間にわたって生徒と交流しながら進めていく授業をするのは始めてになります。少々不安ではありますが、今までの経験を活かして教育の分野に貢献できればと思います。 今、デザインの教育に関わることは非常に意味のあることだと考えています。 先月開催された UX Kanazawa [http://www.yasuhisa.com/could/article/uxkanazawa-prototyping/] で、成安造形大学でデザインを教えていらっしゃる大草真弓 [http://grasslands.biz/] さんが参加されていました。大草さんとの懇親会での会話やメール交換は、私の中で大変刺激になりました。デザインといっても製造・制作の要素が強かった従来の捉え方から
コンテンツのアクセシビリティが未来を保証する
「その情報にアクセスできるかどうか」 これが私にとっての Web アクセシビリティです。一般的に Webアクセシビリティ [http://ja.wikipedia.org/wiki/アクセシビリティ] といえば、主に高齢者や障がい者への配慮という見方が強いですが、数年前からは私は上記のように捉えて仕事をするようにしています。少し極端な考え方かもしれませんが、「その情報にアクセスできるかどうか」ということを意識して設計するときに、高齢者や障がい者といったごく一部のグループを考えることはありません。 全ユーザーが特殊な存在 近年の Web 利用者の動向をみると、高齢者や障がい者を意識しなかったとしても、情報にアクセスできるかどうかを真剣に考えなければ、見られない・読まれないコンテンツになることが分かります。 * デスクトップだけでなく、タブレット、スマートフォンなど様々なスクリーンサイズをもったデバイスで Web にアクセスしている。また、デバイスにより初期設定やカスタマイズ方法も様々である。 * インプットする方法も多様化しはじめている。マウスやキーボードといった従来
ポジティブ心理学から学べるデザイン思考
[https://www.amazon.co.jp/dp/4757210442/ref=as_li_ss_til?tag=could-22&camp=1027&creative=7407&linkCode=as4&creativeASIN=4757210442&adid=0JVXP9BVDZTF9TJHAGNN&] デザインはよく「問題を解決するための設計」と解釈されることがあります。HCD の観点からみると、その意味合いは強いでしょうし、人が扱うアプリケーションに携わる仕事をしている方であれば、常に問題解決のためのデザインを意識されていると思います。タスクを完了するためにはどうすればシンプルで効率が良いのか、ゴールに辿り着きやすくするための使いやすさを設計するのがデザインですが、それだけではありません。 目の前にある問題を解決するだけではなく、いかにポジティブな感情を引き出すのかもデザインの大きな課題です。ポジティブな感情を引き出すためのデザインをするという意味合いから UX という言葉が使われることがあります。「気持ちのよい」「爽快な」といったポジティブな言葉をつかってデザ
私的ソーシャルを活用した電子書籍の作り方
先日、日本の Kindle ストア [http://www.amazon.co.jp/Experience-Points-ebook/dp/B0096PTV7I/]でも発売が開始された電子書籍「 エクスペリエンス ポイント [http://www.yasuhisa.com/book/exp/]」。発売当初に制作の意図と大まかな過程 [http://www.yasuhisa.com/could/announcement/experience-points/] について解説しましまたが、今回はソーシャルメディアをいかに活用して電子書籍を作ったのかを体系化してみようと思います。 今回の電子書籍は具体的に作り出す前から、長い下準備をしていました。電子書籍の制作自体はひとりで行いましたが、多くの方に関わっていただくことで、またひと味違う電子書籍のあり方をつくれるのではと思いました。以前 LEAF という対話のサイクル [http://www.yasuhisa.com/could/article/socialmedia-leaf/] について解説したことがありますが、それを基に以下のプロセス
皆の「良い」を作り、話し合うプロセス
2012年10月20日、金沢歌劇座で UX Kanazawa [http://uxkanazawa.15vision.jp/ux-kanazawa-vol-4-20121020/] が開催されました。先月、basecamp NAGOYA でおこなったプロトタイピングのセミナー [http://www.yasuhisa.com/could/article/paper-prototyping-seminar/]の金沢版になります。主催者の @ichigami [https://twitter.com/ichigami] さんのご好意で急遽金沢で開催することができました。かなりギリギリの告知だったのにも関わらず定員オーバーでキャンセルなしという高出席率の会になりました。 基本的に名古屋で行った内容を継承していますが、3時間半という長い時間を活用して名古屋ではカバーできなかったことを金沢で行うことができました。ワークではチーム別で作ったプロトタイプの意図を発表する時間を設けることができましたし、批評の場をもつことが出来たのが長時間イベントの魅力。私の心配とは裏腹に懇親会に持ち越して話
箱と自分と飛躍する距離について
英語には Out of the Box という表現があります。 独創的、枠を超える、常識に捕われないという意味が込められています。箱の中に閉じこもらないで、自由に発想したいときに、こうした表現が使われることがあります。 ※ ちなみにソフトウェア分野で「out of the box」といえば、設定不要ですぐ使えるという意味で使われることがあります。 クリエイティブな仕事をしている人であれば、独創的でいたいと考えるでしょう。また、イノベーションは時には常識外れなアイデアが必要だと思う方もいるでしょう。私もそのひとりだったりするわけですが、いつも上手くいくわけではありません。 枠を超えることは良いことだと思います。しかし、箱から飛び出して、どれくらいジャンプするのかが難しいところです。「クリエイティブの翼を広げて、大きく羽ばたこう」「自分のやりたいと思うことを形にできる」と意気揚々とするわけですが、勢い余って結局うまくいかないことがあります。 誰でも面白いアイデアはあります。私にもあるわけですが、そのアイデアがあまりにも飛躍し過ぎたことで、プロジェクトが思うような方向に進まなかった
2012年 デザインの4つの課題
ここ 1, 2 年でアプリが爆発的に増えただけでなく、スマートフォンの普及により Web がさらに身近になりました。便利な世の中になったかのように見えますが、今見るトレンドから新たな課題が浮き彫りになりました。今年末から来年にかけて、デザインの観点から解決していきたい課題が 4 つあります。こうした課題を Web やイベント、会合を通して議論できたらなと考えています。 一貫性のないジェスチャーインタラクション マルチタッチスクリーンは、インタラクションデザイナーに新たな可能性を提示たのと同時に、大きな課題を残しています。ジェスチャーUIの課題と対策 [http://www.yasuhisa.com/could/article/gesture-ui/] でも指摘しましたが、現状ジェスチャーにはスタンダードと呼べる操作がなく、アプリごとに異なる解釈をしています。 iPhone のメールアプリで左から右へスワイプをすると「削除」のボタンが右側に表示されますが、同じジェスチャーを Twitter 公式アプリですると、スワイプした項目は消えて新たにメニューが表示されます。これが Facebo
体験のレイヤーをつくるWebデザイン
2012年10日6日は、神戸ITフェスティバル [http://kobe-it-fes.org/]の講演 [http://www.yasuhisa.com/could/article/web-is-message/]に続いて CSS Nite in KOBE [http://cssnite-kobe.jp] でも登壇しました。神戸での記念すべき第一回目ということで、技術話がほとんどない働き方をテーマにした話題が中心でした。私のセッションは、終わりなき Web の旅 と題して、予測不能でトレンドも目まぐるしく変わる Web の世界で変わらないもの、目標にできるものを紹介しました。 再考 Progressive Enhancement 今頃「Progressive Enhancement」なんて言葉を使うなんて古いと考える方もいるかもしれません。不幸にも日本語で最適な表現がなく、カタカナ表記でプログレッシブ エンハンスメントとしてもピンと来ないのが、言葉のもつ意味が浸透しないひとつの要因ではないかと考えています。例えば、昨年からよく耳にするようになったレスポンシブ Web デザイン [
Webページからメッセージへ
2012年10日6日は、Web / IT に関わる様々なイベントが日本各地で開催されました。IT勉強会カレンダー [https://www.google.com/calendar/embed?src=fvijvohm91uifvd9hratehf65k%40group.calendar.google.com] を見ただけでも、この日は全国で 35 以上のイベントがありました。その中でも、神戸ITフェスティバル [http://kobe-it-fes.org/] はビックイベントでした。「IT」をキーワードに、社会・政治・文化・技術・芸術など様々な角度から今の世界・今の日本・今の神戸をみることができました。いつもは制作側の視点の話を聞いたり、情報交換をすることが多く、IT フェスティバルは制作以外からの Web の関わりを知ることができる貴重な場でした。 今回は脱紙!Webならではのコミュニケーション思考術という題名で講演。神戸 IT フェスティバルの雰囲気に合わせるように、Web という媒体に再注目した内容にしました。以前から