Latest thinking
すぐに使えるノウハウではなく、「なぜそうなっているのか」を考える記事を書いています。デザインの仕事で感じるモヤモヤに、構造から向き合いたい人のための場所です。
複雑をシンプルにしても駄目な場合
「シンプルがベスト」という言葉はデザイナーでなくてもよく使う言葉です。しかし、すべてをシンプルにしてしまえば良いというわけではありません。シンプルの反意語で「複雑」という言葉があります。しかし、英語の「Simple」の反意語には「Complicate」と「Complex」という2つの言葉があります。いずれの単語も日本語にしてしまうと「複雑」になってしまいますが、使い方が違います。そして、「Complicate」をシンプルにするのと、「Complex」をシンプルにするのは意味が異なります。 「Complicate」は込み入ったものや困難という意味がありますが、「Complex」は幾つかの部品からなる複合体、入り組んだという意味が含まれています。共に複雑に構成されている可能性がありますが、必要なもので作られた複合体(Complex)だとしたら、シンプルにするのは難しいです。つまり、「Complicate」はシンプルにすると良いですが、「Complex」は一概にそうとは言えないということになります。複雑だからシンプルにしたほうが良いというわけではなく、その複雑さがどういった性質のものか判断
2009年ベストイントラネットサイト
オーストラリアのコンサルティング企業 Step Two Designs [http://www.steptwo.com.au/] は、2007年から企業のイントラネットサイトで優れたデザインを紹介・分析したレポートを公開しています。詳細な情報を知りたい場合はレポートを購入する必要がありますが、概要であればオンラインで観覧することが出来ます。イントラネットサイトに関する情報はなかなか表に出ることがないので、貴重な情報です。しかも、公開されているスクリーンショットはぼかしがかかっているものではなく、実際動作しているサイトのイメージで掲載されているのも嬉しいです。 優秀サイト一覧はこちらのページ [http://www.steptwo.com.au/products/iia2009/winners-iia2009] にリストされています。CRS Australia のようなオーストラリア国内のものだけでなく、IDEO や IBM のような有名企業もリストされています。オリジナリティ、スタッフへのインパクト、企業利益という3項目を審査対象とし、優秀サイトが選出されたそうです。レポートにはな
Nokiaが考える2015年の未来
Webを利用した共同作業 [http://www.yasuhisa.com/could/article/nokia-betalabs/]や ジェスチャーを利用したコミュニケーション [http://www.yasuhisa.com/could/article/gesture-mobile-communication/]など、ノキアは UX に注目したサービスやデバイスの模索をここ数年続けています。そのノキアが、今月はじめにフィンランドにて The Way We Live Next 3.0 [http://events.nokia.com/thewaywelivenext/home.htm] というカンファレンスを開催しました。そこで、2015年に人々はどのような生活をしているのか幾つか提案をしています。「インテリジェント・デバイス」と呼ばれるネットに常時接続と同期をするデバイスを利用することで人々とシームレスに繋がる構想が描かれています。イメージビデオを見ると、その全体像がなんとなく見えてきますが、ビデオの下にサマリーを書いておきます。 * すべてのデータがクラウドに保管される
メールがこれからも残り続ける理由
Google Wave [http://www.yasuhisa.com/could/article/google-wave-and-you/] は、Web上でのコラボレーションをより効率的に行うための新しいツールになる可能性があります。今までメールでやりとりでしてきたことを Google Wave で代替することで、情報のズレや漏れを防ぐことが出来るかもしれません。Google Wave 以前からも「メールは時代に合っていない。新しい形が必要だ」と言われていましたが、依然メールは仕事においてよく使うコミュニケーションツールですし、様々なデータが添付されてくることがあります。 新しいツールを使わない(使われない)理由として Web リテラシーを挙げる場合がありますが、これも一概にいえません。RSS や Gmail を使いこなしている Web に詳しい方でもファイルはメール添付で送ってくる方がいます。「Dropbox [https://www.dropbox.com/] とか便利ですよ」とサービスを紹介してもメールで添付してくる方もいます。その方は Web を基軸にした仕事をしていま
マイコミジャーナルでの連載が100回を迎えました
本日掲載された Magntize [http://journal.mycom.co.jp/column/lifehack/100/] の紹介記事で、 クリエイターのためのライフハック [http://journal.mycom.co.jp/column/lifehack/index.html] がめでたく100回目を迎えました。第一回目の Writeboard [http://journal.mycom.co.jp/column/lifehack/001/index.html] の紹介が 2006年ですから3年以上かかってしまいました。週に2,3回で途中から別の連載 [http://journal.mycom.co.jp/column/anatomyofwebdesign/index.html] を始めていることもあるので余計時間がかかったのかもしれませんが・・・いや、かかりすぎか。
私にとってテクニカルアートディレクターの意味
Twitter [http://twitter.com/yhassy]では、自分の趣向に合ったサイトをリンクしているだけ [http://www.yasuhisa.com/could/twitter/] ということが多いですが、たまに仕事に関係したことを書いていることがあります。先週ですが、以下のようなことを書きました。 > 優れたマークアップをする方はテクニカルアートディレクターみたいな存在になっていくのかな。既にそんな方いるけど。 — Yasuhisa🗯 (@yhassy) November 12, 2009 [https://twitter.com/yhassy/status/5652774126] Twitterの文字数ではどうも説明しきれない部分があるので、この場で少し補足しておきます。 マークアップする方は印刷機? 単価数百円のマークアップサービスがあるように、見た目のデザインを再現するという意味でのマークアップの価値は下がっていく一方です。もし見た目を形作るだけでマークアップがあるのであれば、それは当然のことです。紙の印刷業も同様で、見た目の再現の水準が同等で
ゲームにもあるProgressive Enhancement
Progressive Enhancement [http://www.yasuhisa.com/could/article/progressive-enhancement-result/]は、Web サイト制作の取り組み方にも影響する重要なトピック。Web 特有の考え方だと思われるかもしれませんが、ゲームの世界では随分前から Progressive Enhancement をゲーム開発の一部として取り組まれています。 左が画質設定が最高の画面 影の中のディテールが鮮明だけでなく光の反射も繊細上の画像は「Crysis [http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000VYXVBU/could-22/ref=nosim/] 」というファーストパーソン・シューティングゲームのものです。同じゲームですが、少しだけ違う見た目を提供しています。ユーザーが影やテキスチャの質を自由に調整することが出来るので、環境により違う見た目になっています。素晴らしいグラフィックが特徴の Crysis ですが、こうしたハイスペックのゲームを古いパソコンで遊ぶとフレームレ
Web OS 搭載のネットブック「litl」
正直、あまりネットブックに興味がなかったのですが、今月初めに発売された litl [http://www.litl.com/] は興味津々です。ソフトウェアのインターフェイスが独特なのと、機能ではなくライフスタイルからネットブックの可能性を提案している点が好感をもてます。ハードをフリップさせてデジタルフレームとして使える点のもおもしろいですね。 スペックをみると、HDDは2GB, 1GB RAM, 1.86GHz Intel Atom プロセッサなので、他のネットブックと変わりありません。しかし litl が他のネットブックより魅力的に感じるのは小さくて便利というスペックから見た魅力紹介ではなく、具体的な使い方を提案している点にあります。また、外へ持ち出すのではなく、家で使えるネットブックという見せ方もあまりないかもしれませんね。 litl の最大の特徴は、専用 OS にあります。これはモバイル向けの Ubuntu を改良したもので、インターフェイスデザインはロンドンを拠点とし今は世界各地に事務所をもつ Pentagram [http://pentagram.com/en/new
テラハウス訪問で考えた教育のこと仕事のこと
先日、東中野にあるテラハウス ICA [http://www.terahouse-ica.ac.jp/] キャリア開発研究所の見学に行きました。テラハウスは再就職訓練を実施している施設。東京都産業労働局には職業能力開発センターや職業能力開発校といった組織がありますが、テラハウスは民間委託訓練施設に属します。教務部長の金澤さま、 キョウリツネット [http://rico-web.net/]の新井さまと牧原さまにお時間をいただいて、職務訓練の現場について、そして教育する側からみた Web の仕事についてお話を伺いました。 再就職訓練という一度社会に出ている方を対象にして短期間で Web の仕事ができるためのスキルを教える場。3ヶ月の授業と1ヶ月、Webサイト制作会社にてインターンとして働くことが出来るカリキュラムになっています。週に5日の授業はトータルで360時間ありますが、その間に「使う拡張子はなに?」から具体的なワークフローの実践まで幅広く学ぶわけですからかなりハードです。しかも Photoshop, Illustrator, Dreamweaver, Fireworks, Fla