「自分は絶対にそうしない」の正体 デザイナーであれば思いやりではなく感情移入ができるようになっておきたいですが、同じ立場になって考えるだけだと思わぬ落とし穴に出くわします。 ダイエット、新年の抱負、過労、セクハラなど、様々な方達のエピソードを聞いたときに「自分だったらそんなことはしない」「なぜそうなってしまったのか」と反応してしまったら危険信号です。それは、Empathy Gap(エンパシーギャップ)と呼ばれる認知バイアスの可能性があります。 エンパシーギャップには大きく 2 パターンあります。 感情の高ぶりや非日常的な状況の影響力を過小評価してしまう状態 どのような状況でも客観的に分析・思考できると過大評価してしまう状態 例えば新年の抱負を考えるときは、真っ新な気持ちで様々なプランを立てると思います。しかし、日が経つと次第に宣言した習慣が続かなくなってしまうことがありますが、これもエンパシーギャップによる過大評価が原因です。ちょっとした状況の変化や気分によって行動が大きく変わることを考慮できていないパターンです。過去の経験を無視して、今年こそ!と真っ先に考えてしまうのもエンパシーギャップのひとつです。 デザイナーであれば自分がつくった成果物を過大評価してしまうエンパシーギャップがあります。これにより上手く使えないユーザーや反対意見に対して「分かっていない」「エッジケースだ」という結論に至ってしまいます。 ユーザーインタビュー(ユーザー調査)でもエンパシーギャップが発生する可能性があります。ただ、ユーザーに行動や考えていたことを聞くだけでは、「ターゲットユーザーにはないケースだ」と結論付けてしまうかもしれません。