Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

ビジネス

自由になったWebの情報と広告について

先日、某紙媒体の企業が定期的に開催している勉強会にゲストスピーカーとして参加させていただきました。紙媒体でのビジネスが中心ですが、豊富なコンテンツを揃えた Web サイトを長く運営しているこの企業。去年から社外の方を招いて今後の Web での展開を模索するために勉強会を開いているそうです。Webサイト制作だけでなくマーケティングに近い分野まで広げて講演をすることがあるので、こうした制作に特化しないところで話が出来て非常に有意義でしたが、同時に訪れた企業のビジネスモデルについて知識をもっているわけではないので、どこまで伝えることが出来るか不安でもありました。 勉強会での詳細は紹介出来ませんが、そこで感じたことを書き残しておきます。 自社の領域を示す囲みがないWeb 紙媒体だけではなくテレビにもいえることですが、コンテンツをパッケージング出来ることがひとつの特徴です。コンテンツ配信者側が考える最適なビジュアルと情報の分量をコントールし、そのままの形を視聴者に届けることが出来ます。当然、こうしたパッケージングの概念をもちいて成功している Web サイトは少なくありませんが、利用者と We

UX

機械的に評価をしない私たちだから

私たちは様々なことに対して「よかった」「イマイチだった」と評価することがあります。食べ物や音楽もそうですし、私たちが毎日のように利用する Web サイトもそうです。例えば食べ物を評価するとしましょう。その際、評価で最も重要となる要素は味です。食べ物であるわけですから、味が重要なのは当然ですが、果たして私たちは本当に味だけで食べ物を評価しているのかといえばそうではありません。場合によっては味が評価の際に最も重要な要素ではない場合もあります。 例えば、誰かのホームパーティに誘われたとしましょう。 そのときに出て来きたものは、腕のいいシェフが最高の食材を使って料理した食事にはほど遠いものです。コンビニで買った食べ物の味の方が良かったのかもしれません。しかし私たちはきっとそのホームパーティで食べた食事を「とても美味しかった」と記憶すると思います。 私たちは味だけでなく、どのような場所で誰と一緒に時間を共にして食事をしたのかということも含めて善し悪しを評価します。もしそのホームパーティが、一緒に料理をして自分達でつくったものを食べるという体験も含まれていたら、味は一層良く感じるかもしれません

広告

Webで広告を見せる前に必要なこと

Do we really hate ads? 広告 (バナーやテキスト広告) は Web サイト運営において貴重な収入源のひとつです。しかし、広告を観覧している利用者にとってはあまり好まれていない存在でもあります。AP (Associated Press) では民族誌学の視点からニュースサイト読者の研究 [http://www.niemanlab.org/2010/03/aps-ethnographic-studies-look-for-solutions-to-news-and-ad-fatigue/] を進めていますが、読者は現在の Web における広告の体験に満足しておらず、多くはウンザリしているそうです。しかし、広告そのものを嫌っているというわけではなく自分に関係のある広告であれば見たいと考える方も少なくありません。 こうした結果は AP による調査より以前から言われていることなので驚くことではありません。ビルボードや雑誌や TV の広告のように、今まで自分には関係のない広告をたくさん見てきた私たちが、なぜ Web だとウンザリしてしまうのでしょうか。

サービス

ロイターが新聞向けに視覚化サービスを開始

部数が減って苦しい状況に置かれている新聞ですが、その新聞に向けて新しいサービスをロイターが提供を開始しました。Reuters Financial Infographics [http://thomsonreuters.com/products_services/media/media_products/news_agency/graphics/reuters_financial_infographics] は、ファイナンスデータを視覚化したものを、新聞社のニーズに合わせて提供するというもの。すべて自動化されているこのサービスは、紙面の大きさに合わせて作成してくれるだけでなく、特定の企業や業種に絞るといったカスタムビューも作ってくれます。印刷にも耐えられる EPS か PDF で、決まった日時にデータが送られるそうです。 以前、執筆した「ウェブらしい新聞サイトのあり方とは [http://www.yasuhisa.com/could/article/web-oriented-newspaper/] 」という記事で、新聞サイトはサービスプロバイダーになるべきだという話をしました。コ

IA

1991年の資料から学ぶ情報デザインチェックリスト

Web デザインをきっかけに知ることになった方も多いと思いますが、IA (Information Architecture) の歴史は長く 30,40 年ほど遡ることが出来ます。IA と明確に書かれていない書籍でも IA に関わる資料が昔からたくさんあるわけですが、当時はどのようなことが書かれていたのでしょうか。今と変わらないもの、そして今とは違う事柄はあるのでしょうか。Volkside の「17 guidelines for better information architecture…from 1991 [http://www.volkside.com/2010/03/15-guidelines-for-better-information-architecture-from-1991/] 」という記事で Kent L. Norman が執筆した「The Psychology of Menu Selection:

google

価値のあるコンテンツを提供しているかを調べる方法

以前 Google のウェブマスターツール [https://www.google.com/accounts/ServiceLogin?service=sitemaps&hl=ja]を利用して 簡単にコンテンツが最適化されているかを見る方法 [http://www.yasuhisa.com/could/article/google-webmasater-tool/] を紹介しました。自分のサイトがどのようなキーワードを通して露出しているのかを知るのに手軽で便利なツールですが、検索エンジン (Google) からみた視点なので、訪問者全体を表しているわけではありません。そこで Google Analytics [https://www.google.com/analytics/] を利用して、読者がどのコンテンツを好むかを調べることが出来ます。機能が多い Analytics ですが、今回紹介する方法はほんの数分でできます。 Analytics の右側のメニューにある「コンテンツ」から「タイトル別のコンテンツ」

UX

ゲームから学ぶ「おもしろさ」と「ハマる」の秘密

シナリオ < ゲームプレイ 今はゲームと一言でいってもかなり意味が広い時代です。ジャンル、機器、オフライン/オンラインなど分類すればキリがありまません。最近 Web ではソーシャルゲームという人とのコミュニケーションを軸にしたゲームが幾つか出て来ています。日本でも流行しはじめている foursquare [http://foursquare.com/] もその部類に該当します。人気になるゲームは「おもしろい!ハマる!」という言葉で表現されることが多いですが、おもしろいゲームとは一体どういった特徴をもっているのでしょうか。なぜ人はゲームにハマるのでしょうか。 Jesse Schell 氏の著書「The Art of Game Design [http://www.amazon.co.jp/gp/product/0123694965?ie=UTF8&tag=could-22&linkCode=as2&camp=247&

意見

新聞サイトのコンテンツと広告領域

新聞だけではありませんが、雑誌をはじめとした紙媒体メディアではページの一部を広告として販売することによって収入を得ています。Webでもこの手法は流用されており、ページの場所や大きさによって値段が細かく決められています。Webにおけるこうした広告モデルは確立されていますし、すぐにお金が入るだけでなく比較的安定した収益が見込めます。Web サイトを運営するのはタダでは出来ないわけですから、広告はなくてはならない存在です。 しかし、ただ貼付けているだけの広告では読者のサイト利用の邪魔になりかねませんし、だんだん広告が「ないもの」として扱われる場合もあります。現状、日本の新聞サイトではどのように広告が扱われているでしょうか。以下のスクリーンショットは XGA (1024×768) の解像度で撮影したものです。スクリーンショットの下に書かれているパーセントは、表示領域に対して広告がどれくらい占めているかを示しています(ブラウザのボタンや検索フィールドは表示領域に含まれていません)。 朝日新聞: 32.7%日経新聞: 15.5%毎日新聞: 19.6%中日新聞: 27.1%産経新聞: 12.4%