クリエイティブになるための4つの視点
クリエイティブという言葉を聞くと、何か前例のないものを生み出す力だったり、アーティスティックな部分を指す場合があると思います。しかし、クリエイティブな実際そういったアートもしくはデザインだけに特定しているものではなく、すべてに関係しているものです。実は誰でも毎日クリエイティブな瞬間はあります。
私たちは毎日のように課題や問題に出くわします。それらをいかに解決するかを考える・・・これだけでもクリエイティブです。何も考えずに済ましていることも実はクリエイティブの結果だったりします。時間がかかったり出来ないと思っていることも工夫することで解決することもクリエイティブでしょうし、限られた時間の中で出来ることをするということもクリエイティブです。
「どうなったらクリエイティブになれるのか」という言葉をたまに耳にしますが、クリエイティブになるのは意外なほど単純であると同時に難しいものだと思います。クリエイティブな状態になるには4つの視点・考え方があります。
ほんの少しだけ注意深くなる
何気なくしていることを、まるで客観的に見ているかのように意識しながらアクションにするだけでも気付きはあります。また、自分の環境や社会で何が起こっていて人はどうリアクションをしているのかを見ること、そしてそれに対して自分で何かを思い考えることも重要でしょう。こうした気付きがクリエイティブな考えに繋がることはよくあります。流れてくる情報をただ受けて止めて脳を停止させないで意識をすることはまず最初の重要なステップになります。
制限をつくる
締め切り、予算、規約などなど何かをするときには必ずといって良いほど制限が存在します。実はこの制限がクリエイティブにさせていることがあります。限られた状態をそのまま受け入れるのと、制約の中で最大限のことをしようという気持ちで取り組むのでは大きな違いがあります。逆に何も制限がないと何でも出来る状態になり輪郭がないアイデアになることもあります。ギリギリになってエンジンがかかる人はいると思いますが(僕もそうですね)、実はそのときあなたのクリエイティビティは最大限になっているのかもしれません。例えば締め切りが近い場合、今まで以上に早く終わらせることを意識するので、いつもと違う方法で取り組んでみたり、自分の知識や技術を最大限に引き出すような努力をすると思います。
あるものに手を加える
クリエイティビティ (Creativity) には想像力という意味もありますが、他にも創造性や独創力といった意味もあります。創造性という言葉が特にそうですが、今までにないものを無から作り出すといったイメージがしてきます。そういった創造は実は大変まれなケースで、ほとんどは模倣が多かったりします。クリエイティブな世界だと言われているアートの世界もおなじで、模倣の連続だったりします。模倣する対象は作品そのものであったり社会であったり人であったり様々です。では単にコピーをしているといったらそうではないですし、クリエイティブではないとも言えません。
既に存在する様々なものは完璧ではありません。つまり改善する余地はいくらでもあるわけです。ちょっと使いにくいと感じるものを使いやすくする。以前書いたイラストに少し手を加えて雰囲気を変えてみる。メールソフトの表示設定をカスタマイズしてみる。そんな少しのテコ入れが大きなインパクトを生む場合があります。神懸かり的に何か生み出すことが出来ることもクリエイティブですが、こうした模倣からの改善もひとつのクリエイティブです。
引き出しをいつでも開けれるようにする
あなたが今日読んだ記事や、今日見た映画の内容は何処でどう繋がるか分かりません。アイデアのヒントは実はそういった別の目的で得た知識や情報を元に生まれる場合も少なくないです。新しい Web サービスのアイデアを考えるときも、類似サービスを見比べるのではなく、全く別の分野にあるものをアレンジしたり、組み合わせることでおもしろいものになることがあります。何かアイデアを考えるときは、今まで自分が得てきた情報や知識を分野に関係なくいつでも参照出来るようにしておきたいですね。幾つもある『引き出し』から情報のパズルを拾い、それをどう組み合わせるのかがクリエイティブになることもあります。
簡単そうで難しいです。もちろんクリエイティブなことをすることに長けた人もいるでしょう。けど誰でもクリエイティブになるためのきっかけを常に持ち続けていると思います。
【追記】Ten Eyck さんが Four points to be creative と題してこの記事の英訳を書いてくれました。ありがとうございます。