確信と不確信が生み出す次のアクション

CSS Nite LP11で開催したミニワークショップ「人の特徴から見えてくる次のデザイン提案」。時間の都合でたくさんのことを伝えきれなかった部分がありますが、受講者の中にはアイデアをまとめて送ってくださった方がいます。文章にまとめてくれた方からスケッチをしている方まで実に様々。今まで3回記事にして紹介しました。

開催から既に1ヶ月経ちましたが、受講者の方からアイデアをいただいたので紹介します。

確信

確信がもてる情報を欲すると同時に、詳細情報があるほうへ行動する傾向にある。

曖昧さは不安を招く場合があります。クリックした先に何があるのか分からないというのもそうですし、情報が漠然とし過ぎているのも不安に繋がることがあります。「業界ナンバーワン!」と一見明確に書いているようにみえる文章でも、一体なにを基準でいっているのか分かりません。それどころか、そのナンバーワンが見ている方が欲しいと思っているコトとどう関係しているのかも分からない場合があります。明確さを持つことの重要性については「文化の違いで変わるデザインアプローチ[後編]」で少し触れましたが、日本人にはその傾向が強いかもしれません。

確信できるような情報がないことから、「先には何があるだろう」「もっと知りたい」と誘導出来る場合もありますが、同時にアクションにまったく繋がらないこともあります。大きく分かりやすい色で「こちらをクリック」と書かれていても、先が分からない(確信がもてない)ことからクリックをしてもらえないということも考えられます。

人が物事を決定するときに必要な情報とは何でしょうか?利用者が確信をもてるような配慮をしているのか、それともわざと確信がもてない内容にして興味を注ぐようにしているしているか?なにかアクションに繋げて欲しいと考えているサイトであれば考えなければ鳴らない部分です。

現行サイトでも全国で開催されているというのが分かる文章がキャッチにはいっている

@brightflavor さんが注目した「確信」を CSS Nite の Web サイトでどのように活かすことができるでしょうか。CSS Nite のWebサイトのゴールのひとつに「CSSNiteの活動を知っていただき、 はじめて参加される方の敷居を下げること」があります。CSS Nite は東京都内だけでなく、全国各地で開催されています。CSS Nite の Web サイトを見て頂くとわかりますが、キャッチコピーで全国各地で開催されているのが読み取れますが、これを視覚的に見せることで直感的に日本全国で盛り上がっているイベントに見えるのではないか、というのが brightflavor さんからの提案です。

brightflavorさんからの提案

利用者に確信をもってもらう場合、まずは文章 (もしくはデータ) で表現してしまいがちですが、場合によってはユーザーインターフェイスであったりグラフィックで伝えることが可能です。地図には「地元で開催されているのかな?」という疑問を確信に変えてくれる効果があります。また、地図では詳細は分からないので「何が開催されているのだろう?」という不確信な思いをアクションに繋げる効果をもっています。

各地方主催のスタッフの方などその地方特色の 切り抜き写真を地図POPUPの部分に配置すれば もっと親近感が出て、よりサイトのゴールに近くなると思う。

brightflavor

brightflavor さんの着眼点として興味深いのが、確信というキーワードを親近感と関連づけさせている点です。身近に感じるから安心・確実と連想される方はいます。「あの人も参加しているし、私も参加しようかな」という行動の後押しになるのが親近感である場合がありますし、そう思えるのは一種の確信です。情報を明示するだけでなく、思いを利用者に近づけることで確信に繋げることが出来るというひとつの例です。

Webサイトでは情報が大事といいますが、情報を明確にみせることだけが利用者の確信に繋がるわけではないということが、brightflavor さんの提案からも分かります。確信とストーリーを組み合わせて考えることで、利用者の思いに近づけた情報の提示の仕方やコンテンツ企画がつくれるかもしれませんね。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。