Discoveryという名前にピンと来なくても Vampire Weekend (VW) の Rostam Batmanglij と Ra Ra Riot (RRR) の Wes Miles のユニットと言えば、ちょっと聞いてみようと思う方もいるのではないでしょうか。VR、RRR 共に 2008年にアルバムをリリースしており、共に良作でした。私はどちらかというと RRR のほうが好みだったりしますが。今熱いニューヨーク出身のインディロックバンドのコラボといえば聞きたくなるではありませんか。

ただ、両バンドの音楽が好きな方がそのままのイメージを抱きながら聞くと、びっくりするかもしれません。アルバムは全編シンセサイザー、ノイズ、そして Auto-Tune (日本語ではロボットボイスとでも言うのだろうか) のボーカルで構成されており、いかにも今風の雰囲気です。曲によってヒップホップや R&B のようなメロディもあります。Jackson 5 の「I Want You Back」のカバーが、ある意味アルバムを象徴している曲といえます。RRR のアルバムに収録されている「Can You Tell?」のセルフカバーも違ったテイストになっていい感じです。

実験的なエレクトロポップという印象のこのアルバム。多少一貫性はありますし、試み自体はおもしろいのですが、次から次へと流行のスタイルを借用したメロディーが流れてくる印象があり、彼等がやっているというオリジナリティはあまり感じられないかも。特に Auto-Tune は使い古された感もあるので、去年ならまだしも今年にこれはないかなという気もします。

その他大勢のアーティストが行うサイドプロジェクトもそうですが、彼等が楽しんで自分たちのために作ったのでしょうね。この経験がそれぞれのバンドの次のアルバムにどう影響するのか楽しみです。