Latest thinking

すぐに使えるノウハウではなく、「なぜそうなっているのか」を考える記事を書いています。デザインの仕事で感じるモヤモヤに、構造から向き合いたい人のための場所です。

ツール

デザインツールを振り返って気付いた今後のデザイナーの役割

広がるデザインツールの役割 2016年はデザインツールのあり方が大きく変わった年でした。スマートフォンが主流になってから、平面な画面をひとつひとつ設計するのではなく、利用者の遷移や UI フィードバックを塾考するようになりました。多彩なデザインツールが出てきている [http://www.yasuhisa.com/could/article/design-tools-revolution/] のは、デザイナーの作り方だけでなく、役割も少し変わってきているからでしょう。ひとりの職人が閉じ籠って完成品に近いものを作るのではなく、デザインプロセスを共有しながら少しずつ作るというやり方に変わりつつあります。 デザインのブラックボックス化を避けるための手段 [http://www.yasuhisa.com/could/article/wcan-prototype-design/]は今も増え続けています。 従来のデザインツールは、ひとりのデザイナーがデザインに集中するための道具であって、途中経過を共有したり、協力して作ることを得意としていませんでした。現在のデザインツールは複数のデザイナーが

Dec 16, 2016 4 min read min
デザインシステム

デザインシステムが作り出す明文化への道

明文化をテーマにしていた2016年 今年の初めデザイン SDK のようなものが欲しい [http://www.yasuhisa.com/could/article/design-sdk/] という記事を書きました。開発者から提案されているフロントエンド寄りのスタイルガイド [http://www.yasuhisa.com/could/article/starting-webdesign-system/] はコードの品質管理と、見た目の再現性を高める上で有効な手段です。しかし、これだとコードを理解していることがスタイルガイドの利用・関与の大前提になります。すべてのデザインがコードから始まるとは限らないですし、デザイナーであれば Sketch や Photoshop といった日々使うツールを活用して最低限の品質を保つ手段が必要になります。 共通言語を作っていく。 これは文字通り言葉だけでなく、UI を始めた視覚的な部分など、今まで好みや感覚で済ませていたこともきちんと言葉にすることも指しています。デザイン批評 [http://www.yasuhisa.com/could/articl

Dec 7, 2016 3 min read min
デザイン

有意義な批評・評価をするためのデザイン原則

ニュアンスを明文化するという行為 大企業のように Web 上で公開しなかったとしても、デザイン原則はどの現場でも必要 [http://www.yasuhisa.com/could/article/why-you-need-design-principles/] です。ステークホルダー、クライアントそしてチームメンバーと対話をする際「本プロジェクトにおける良いデザイン 」を予め定義しておくことで、ファシリテーションの難易度を下げることができます。見た目はもちろん、機能実装や画面設計も「これは原則に沿ったものだろうか?」という質問を投げかけることで、感情や直感だけに頼らないデザインが決めやすくなるでしょう。 わたしたちデザイナーがよく使う「利用者にとって分かりやすく、使い易い」「素早くタスクを完了できる」「シンプルで見やすい」といった言葉は、実はそれほど明確な表現ではなかったりします。シンプルも 捉え方で様々な見た目が生まれます [http://www.yasuhisa.com/could/article/task-interface-simplicity/] し、使いやすさも個々の

Nov 30, 2016 4 min read min
デザインはビジネスも世界も変えなくて良いと思う
ビジネス

デザインはビジネスも世界も変えなくて良いと思う

今は過剰な夢を売り込むより、模索でも良いから実践して前へ進める時期ではないかと思う今日この頃です。

Nov 17, 2016 3 min read min
アート

文脈の共有から始まるデザインの会話

知ることで変わるアートの見方 ジャクソン・ポロックが描く抽象表現主義の絵画を見て、「分からない」「何かゴチャゴチャしている」という感想を述べる方はいると思います。彼の作品だけでなくとも、美術・芸術作品にはパッと見ただけでは理解が難しいものは数多くあります。「素晴らしい」と絶賛される芸術作品でも、昔から普遍的にそうであったとは限りません。例えば世界で最も有名な絵画といっても過言ではないモナ・リザも、1911年にあった盗難事件で一気に有名になったと言われています( 参考記事 [http://www.ibtimes.com/why-mona-lisa-so-famous-310480])。 アートは自分の好みで「素晴らしい」「美しい」というリクアションを語ることができますが、それだけではありません。芸術家が歩んできた人生や歴史背景を知ることで、作品への理解が増すだけでなく、作品の見方が大きく変わる場合があります。 ジャクソン・ポロックは、幼少の頃厳しい生活をしていたのが彼の生き方にも影響していますし、メキシコ壁画運動が大型でダイナミックな彼の作風の土台を作り出したと言われています

Nov 15, 2016 3 min read min
ガイドライン

NASAのマニュアルからデザインシステムを学ぶ

Web サイトやアプリのデザインにおいて、再利用可能な部品(UI)をカタログしたスタイルガイド [http://www.yasuhisa.com/could/article/frontend-styleguide/] が必要とされています。公開されてから次のリニューアルまでデザインが変わらないという状況はまれですし、即座に対応しなければならない場合もあります。制作時は想定されていなかった要素も出てくるでしょうし、対応できる技術が変われば、コードから見直しも考えられます。変わり続けるのはコンテンツだけででなく、デザインにも同様のことが言えるわけです。 Web サイトやアプリといったデジタルプロダクトだけでなく、紙媒体やソーシャルメディアなどあらゆる場でデザインの一貫性が求められています。そうした場合、フロントエンド寄りのスタイルガイドだけでは不十分で、ロゴ規約や書体の扱い方などデザインに関わる様々な素材・ツールを揃えた何かが必要です。 デザインSDK [http://www.yasuhisa.com/could/article/design-sdk/] のようなもの。特定のデザイナ

Nov 7, 2016 2 min read min
プロセス

プロセスなんて下手でも我流でも気にしない

デザインプロセスの儀式化 随分昔の話になりますが、茶道(表千家)をしばらく学んでいた頃があります。日本伝統をひとつでも知っておきたかったというのもありますし、茶道にある特有の礼儀に興味があったのが理由です。茶道は、使う道具はもちろん、たてかた、飲み方にも決まったルール・プロセスがあります。できあがった茶の味だけでなく、茶がたてられる過程も楽しむのが茶道の魅力であり奥深さです。 完成品だけでなく、過程を重んじるのは茶道だけの話ではありません。日本に昔からある芸道だけでなく、「寿司を食べる」といった食の世界にもあります。美味しく寿司をいただくには、決まった順序がありますし、正しいとされる礼儀もあります。プロセスというより、一種の『儀式』と呼ぶことができるでしょう。 過程(プロセス)を重んじ、儀式のように進めるという行為は日本文化だけでなく、他国でもあります。プロセスには言葉として表現するのが難しい魅力があるものの、無心で信じるのは良くありません。今日のデザインにおいて、どの環境、どのプロジェクトでも適応できる完全無欠のプロセスは存在しません。しかし、それでも私たちは確実性や安心を求

Nov 4, 2016 4 min read min
デザイン

的確なデザインアドバイスをするための確認事項

段階的に考えるデザインのアドバイス 時々「デザインのアドバイスもらえますか?」という依頼を受けることがあるわけですが、応えるのに困ることがあります。尋ねている側は「もっと良い見た目、さらに使いやすくするにはどうしたら良いか?」というニュアンスを含めて質問しているわけですが、初めて見る成果物に対して評価するのは極めて困難です。 成果物は突然生まれるものではありません。価値共有を行ったり、あえて省いた機能や、意図的に作られた表現もあります。こうした過程を経て Web サイトやアプリという成果物があるわけですから、それらを理解する前に評価するとなると、どうしても「好き」「嫌い」といったリアクションに近いものになりがちです。「 これはどうですか? [http://www.yasuhisa.com/could/article/starting-design-critique/] 」と尋ねても、的外れなフィードバックが来る場合があるのはそのためです。 ムードボード [http://www.yasuhisa.com/could/article/webdesign-control/] を作ると

Oct 20, 2016 2 min read min
デザイン

Palmが教えてくれたプロトタイプの真髄

Palm Pilot は木片から始まった 90年代から00年代にかけて手の平で使える PDA(Personal Digital Assistant)と呼ばれる種類のコンピューターが市場で出回っていました。ノートパソコンよりスペックが劣るものの、予定を管理したり、マルチメディアコンテンツを楽しむことができる『小さなパソコン』。後にスマートフォンやタブレットに吸収されて姿を消してしまいましたが、PDA はスマートフォンの前衛とも呼べる存在でした。 そんな PDA の代表格が Palm [https://ja.wikipedia.org/wiki/Palm] 。ハンドヘルドコンピューティングという概念を打ち立てたジェフ・ホーキンス氏によって考案されました。90年代初頭といえば、パソコンは机の上に置いてある大きな機械でしたし、ノートパソコンも今より数倍分厚くて重たいものでした。そうしたなか、パソコンよりスペックが劣り、2 台以上パソコンを持つことがまれだった時代に PDA のようなデバイスのニーズは未知数でした。そもそもコンピューターを手軽に持ち運ぶことが便利だと感じる人はごくわずかだっ

Oct 13, 2016 3 min read min