ネットワーク

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ソーシャルメディア

クルートレインマニフェストが今に伝えるメッセージ

1517年、マルティン・ルターが 95ヶ条の論題を発表し、カトリック教会中心のヨーロッパ社会に大きな影響を及ぼしました。そのおよそ 400 年後に同じように 95 の論題を発表した人たちがいます。その論題は TV や新聞といったマスメディアが多大な影響をもっていた当時、大きな衝撃を与えました。本当にそんな時代がやってくるのかと疑った人もいたでしょう。しかし、それは振り返ってみると今を予言しているかのような内容です。 英語ですが、詳しい解説が書かれた 書籍を購入することが出来ます。Amazon.comからだと、Kindle 版を入手することができます。 その論題とは1999年に発表された Cluetrain Manifesto(クルートレイン マニフェスト)。Rick Levine, Christopher Locke, Doc Searls, David Weinberger の3人によって書かれた文書です。この論題は様々な言語に訳されており、日本語で読むこともできます。 クルートレイン マニフェストをすべて読まなくても、最初の 10

ソーシャルメディア

あなたも私もメディアカンパニー

メディアを配信することは権利に近い 以前 「ソーシャルメディアの語源から分かる課題」という記事で、ソーシャルメディアという言葉はコンテンツを共有するサイトが次第に SNS 的な機能を盛り込んできたところから生まれたと解説しました。ソーシャルという言葉が付いてくると、どうしても社会的関係性・人と人との繋がりにフォーカスされがちです。実際、ソーシャルメディアの活用といった話になると、特定の社会ネットワークに最適化されたコンテンツを配信するという話題になることがあります。活用するという結果という意味では確かにそうなのですが、ソーシャルメディアという言葉は「人と人とが繋がっているメディア」と捉えることが出来ると同時に「メディアの社会化・公共化」と捉えることが出来ます。 カタカナ英語で表現すると「ソーシャルなメディア」であると同時に「メディアがソーシャル」になったわけです。 メディアをもつということは特定の団体や個人による専売特許ではなく、普通にあるものへと変化しています。メディアを配信するという行為そのものは特別なことでも膨大なコストがかかることではないわけです。若い世代になればなるほど、メディア配信に特別な意識はしておらず、日常生活の一部と捉えているかもしれません。 従来、外注かインハウスで作ったコンテンツをマスメディアを通して配信しなければ人々に届きませんでした。その配信の役目をラジオ、テレビ、そして雑誌や新聞が請け負っていたわけですが、それらに頼る必要なく自分たちがつくりだしたコンテンツを自分たちが好きなように配信できるようになったのが現在です。 配信の仕方を考える 企業も表現者も個人もみんなメディアカンパニー from: yhassy Twitterでも書きましたが、もう誰もが小さなメディアカンパニーを持っていると同じような状態です。メディアカンパニーは、

facebook

脱テンプレートなFacebookの難しさと関係の変化

ネットワークのテンプレート化の終焉 2003年頃から次々にでてきた SNS。Facebookもその一種なのにも関わらず、使い方セミナーや勉強会が各地で開催されています。多機能、複雑というイメージが先行しているのも事実ですし、実際いろいろやることが多いのが Facebook。数多くの SNS がでてきた中、なにが Facebook が違うのでしょうか。 代表的な例として実名で公開しているという点が挙げられることがありますが、それが特に珍しいわけではありません。ビジネスに特化してしまえば LinkedIn も元々そうですし、規則ではなかったにしても他の SNS でも実名を記入することからコミュニケーションを楽しんでいた人たちはいました。 Facebook がなんとなく難しく感じる理由と、実名公開を貫く Facebook の姿勢。一見関係のないふたつのように感じますが、他の SNS との根本的な違いが複雑そうに見えるけど実名公開は OK かもと思える環境を作り出しています。 従来の SNS のあり方。すべての機能がフラットに扱われ組み合わせ方や人との繋がり方が一定。テンプレートなのでどのユーザーが使ってもおなじ。 従来の SNS は、人が関わるであろうと考える繋がり方を開発側が定義しテンプレート化しているのが特徴です。人との繋がり方、

ネットワーク

キーワード2011: Empower(元気づける)

キーワード2011Empower(元気づける)Analyze(分析 / 観察)Talk Now(今すぐ対話)Fun(楽しむ) 今回から4回にわたって 2010 年のキーワードを事例と共に紹介します。まず最初は「Empower」です。エンパワーメントというカタカナ表現はよくマネージメントでも使われている表現。英和辞書でこの言葉を調べると「能力を高める」「権限を移譲する」といった少々堅苦しい言葉になりますが、言い換えれば「元気づける」「活躍の場を設ける」といった表現になります。 Webの魅力は幾つかありますが、そのなかに「共有」があります。YouTube は毎分 13 時間以上のビデオがアップロードされていますし、Flickr には既に 30 億枚もの画像がアップロードされています。それらをはじめとした Web コンテンツは猛烈な勢いで共有され多くの方がコンテンツを消費しています。私たちが何気に利用しているソフトウェアもオープンソースという共有・共働の原動力があるからです。たくさんのコンテンツが無料に存在し、いつでも何処でもそれを手にすることが出来るようになったのは

テクノロジー

メールがこれからも残り続ける理由

Google Waveは、Web上でのコラボレーションをより効率的に行うための新しいツールになる可能性があります。今までメールでやりとりでしてきたことを Google Wave で代替することで、情報のズレや漏れを防ぐことが出来るかもしれません。Google Wave 以前からも「メールは時代に合っていない。新しい形が必要だ」と言われていましたが、依然メールは仕事においてよく使うコミュニケーションツールですし、様々なデータが添付されてくることがあります。 新しいツールを使わない(使われない)理由として Web リテラシーを挙げる場合がありますが、これも一概にいえません。RSS や Gmail を使いこなしている Web に詳しい方でもファイルはメール添付で送ってくる方がいます。「Dropbox とか便利ですよ」とサービスを紹介してもメールで添付してくる方もいます。その方は Web を基軸にした仕事をしていますし、様々なことに興味をもっていますが、メールから離れることが出来ません。なぜかといえば、メールで「ファイルを手軽に送りたい」という利用者のニーズが満たされているからではないでしょうか。 技術的な隔たりがないメール メールの素晴らしい点は、オープンスタンダードであることです。誰でも自由にメールアプリケーションを作ることが出来ますし、

openwebdesign

ブログの向こう側にある会話を追う

この記事は「ブログでの会話を見えるようにするには」の続きにあたります。 従来オンライン上の会話は一元化されていました。例えばフォーラムや掲示板で会話を始めるためのネタが挙り、それに対しての反応がその場に連なっていました。ブログが使われるようになると、フォーラムでの会話だけでなくブログを中心とした会話もスタートしました。簡単にブログを設置することが出来るので会話が一カ所ではなく数多くの場所で発生するようになったものの、ブログにあるコメントやトラックバックによってなんとなく繋がり合っていました。また、TechnoratiやGoogleブログ検索を利用してある程度、会話を追うことも可能です。しかし、現在はさらに会話を追うのが難しくなってきています。 今はブログより気軽に自分の意見を書き込む場所が数多くあります。Livedoor クリップをはじめとしたソーシャルブックマークサービスのメモ機能。Tumblrのようなスクラップサービス。Newsingのようなソーシャルニュースサイト。コメントが集中するところは特定出来ますが、それでも膨大な数のサービスが存在します。最近ではFriendFeedのようなライフストリーム系のサービスでもコメントを記入出来るような機能を実装しており、類似サービスも幾つか登場してきています。 自分の意見をサクッと書く場所として最も敷居が低いのはTwitterやTimelogのようなプチブログ。1日に数十もの言葉を発している人も少なくないところから、インプットの敷居の低さが分かります。Twitter のようなサービスが典型といえますが、最近の会話が起こる場所はよりリアルの会話に近づいてきたといえます。リアルタイムかつ簡単に出来るだけでなく、発信するための道具も豊富にあるので、自分の発言スタイルやネットワーク (友達との繋がり方) にマッチしたものも選べば良いわけです。一元化されていてフラットだった会話がダイナミックでソーシャルになってきたといえるでしょう。 自分のブログを中心に発生する会話の場所も分散化しています。中心から離れるほどリアルタイムになり追ったりアーカイブするのが難しくなります。 このように単純にブログをチェックしているだけでは特定のトピックを取り囲んで行われている会話が追えなくなってきています。ここで課題になってくるのが、いわゆる Web 1.0

テクノロジー

無線メッシュ・ネットワークの可能性

無線メッシュ・ネットワークは相互に無線接続することを可能にする技術で、電波の強度などに応じて接続ポイントを自動的に変えて最適な経路でネット接続が出来ます。無線メッシュ・ネットワークは数年前からあるので知っている方も多いと思いますが、最近再び注目を集めている印象があります。 One Laptop Per Child (OLPC)は、無線メッシュ・ネットワークを利用してネット接続するデバイスで、有線回線が1つしかなくても誰でもネットワークに繋がることが出来るようになっています。少し違いますが、Apple が Mac OSX に実装している Wireless Distribution System (WDS) も設定をすれば無線メッシュ・ネットワークのような使い方を可能にしています。無線メッシュ・ネットワークの長所は幾つかあります。 低コストもしくは無料でネット接続が可能になるほぼ無制限にネットワークを広げることが出来る高い拡張性利用しているアクセスポイントが失ってもすぐに別のポイントからアクセス出来る柔軟性 OLPCを例に出すと、今はまだネット接続出来る環境が少ない国や地域を対象にしているような気がしますが、無線メッシュ・ネットワークは公共サービスの向上に役に立ちそうな技術だと思います。 Motorola の Wireless Broadband Mesh Network に幾つかケーススタディがありますが、ロサンゼルスをはじめとした幾つかの街に設置されている監視カメラは、無線メッシュ・