Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

デザイン

デザインの会話にあるぶつかり合いのメリット

ぶつかるから良くなる 文脈や話し手の背景により「デザイン」の意味合いが変わることがあります。先月のセミナー [http://www.yasuhisa.com/could/article/how-we-talk-about-design/]では、デザインには 葛藤やぶつかり合いが含まれていると話しました。ぶつかり合いと書くと、負のイメージが先立つかもしれませんが、デザインプロセスにおいて欠かせない要素だと思います。 デザインを語る場において、参加者が考えを述べることがアイデアを検証する(ぶつける)ことになります。『考えを述べる』ということは、自分の考え方がひとつの解になるということを証明しなければいけませんし、そうしなければ聞き手には理解できないことがあります。時には意見の相違がありますが、自然なことですし違いを歓迎するべきです。アイデアを出し合うからこそ見つかる課題もありますし、アイデアがより洗練することもあるからです。 良い会話ができたと思う瞬間は、誰のアイデアか分からないけど、皆が理解して先に進めることができる状態。「○○さんの意見が通った」「リーダーの意見でまとまった」と

デザイン

デザインを決めて進めるために必要なこと

先月は東京 [http://www.creativevillage.ne.jp/PR/seminar123.html]、そして今月は大阪 [http://www.creativevillage.ne.jp/PR/seminar133.html] で、クリーク・アンド・リバー社が主催する Web ディレクター向けのセミナーで登壇しました。私自身、Web ディレクターと名乗っていないので、依頼を受けたときは半信半疑でした。しかし、Web ディレクターをはじめとした「作り出す人」にある共通の話題があると考え、登壇を決めました。 点をどのように線にするか ツールの使い方。マークアップの仕方。コードの管理方法。ペルソナの作り方。コンセプトを固めるためのワークショップの仕方 … などなど。こうした行程の中にある『点(作業)』は、書籍や Web でたくさん見つけることができます。どれも重要ですが、行程全体からみたとき、

コンテンツ

全面リニューアルの幻想と、取り組むときの注意点

リニューアルでは何も変わらない Webサイト制作の仕事で、いつの間にか当たり前になっているのが『リニューアル案件』。2, 3 年おきに見た目の衣替えをしたり、使い勝手の向上のためナビゲーションや情報構造の見直しをします。 テクノロジーだけでなく、Web を取り巻く文化や社会が目まぐるしく変わるので、定期的なリニューアルをして『追いつく』ことは必要なのかもしれません。しかし、ただ見た目を変える、情報構造を変えるといった「作る」「作り直す」ということが目的になることがあります。リニューアルをすれば何かが変わるという淡い期待感が寄せられることがありますが、費用対効果が良くないことがあります。 第一印象はとても重要です。 全面リニューアルを通して見た目がよくなれば、印象は良くなるかもしれません。しかし、デザインを変えたからといって、コンテンツも自動的に良くわけではありません。最初の印象がよくても、訪問者のニーズが満たされていないのであれば、金メッキはすぐに剥がれてしまいます。 また、リニューアルが話題性があるのかというと、それほどではないことがあります。刺激的なグラフィック、先進的な

UI

デバイスと利用シーンへの最適化から学べること

Web サイトデザインでは 2, 3 年くらい前から モバイルファーストでデザインをする [http://www.yasuhisa.com/could/article/responsive-design/] という考え方が浸透し始めていますが、最近アプリでも似たような傾向が見られるようになってきました。先週 Foursquqre が チェックインとショップガイドを分ける [http://techcrunch.com/2014/05/02/foursquare-swarms-over-swarmly/] と発表しました。一方、Facebook は、メッセージアプリを分断 [http://techcrunch.com/2014/04/09/facebook-messenger-or-the-highway/] しようとしています(Google+ は、Hangout を分断してしばらく経ちます)。 デスクトップ版の使い勝手に慣れ親しんでいる方にとっては『改悪』なのかもしれません。しかし、モバイル(又はスマートデバイス)中心で活用している方には、

UX

欲求段階と体験の質

人はなぜ、Web サイトへ訪れるのでしょうか。 なぜ、アプリをダウンロードして使うのでしょうか。 そこには、知識、娯楽、快楽、名声など様々な欲求が根底にあると思います。人が感じる「良い体験」というのは、その欲求と深い関わりがあるはずです。 米国の心理学者アブラハム・マズロー [http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%8F%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%BA%E3%83%AD%E3%83%

デザイン

デザインの仕事にある成熟と熟練

デザインの意味とは … といった禅問答のような質問をときどき耳にします。語源まで辿って「記号を表す」といった説明をする人もいれば、「設計をする」と応える方もいます。装飾という意味合いをデザインから離す人もいますが、装飾もデザインの一部として捉えることもできます。 デザインの定義は読者ひとりひとりに委ねますが、デザインを学習したい場合「人それぞれだから頑張って」で済ますわけにはいきません。デザインの『入り口』が必要ですし、どこへ向かっていくのかという目的地も必要だと思います。 デザイナーの成熟度は、以下のような UI を見たときの反応で判断することができます。 あるサイトの UI を基にしてつくったスケッチ デザイナーによって、この UI に対するリアクションは異なります。大きく分けると 4 つあります。 見た目を変えたいインプットフィールドの見た目が良くない。タイポグラフィの選択が良くない。色彩を変えたいといった、見た目をデザインしたいという方。 作り方を見直したいどの技術を使えば実装できるのか。何かツールを活用することで、UI を改善できるのか。どのような技法を採用すれば、

コンテンツ

脱PVで見えてくるコンテンツの質

PVが人気を証明しているとはいえない ページビュー(PV)は、とても気持ちいい数値です。自分が作ったコンテンツの反応を分かりやすい数値で示してくれます。また、多くの広告モデルが PV を基に価格が設定されているので、ビジネスに直結している数値といえると思います。しかし、PV が高いから、訪問者が満足しているとは限らないですし、顧客ロイアリティに繋がっていないかもしれません。そこで、ソーシャルメディア … という意見もありますが、そこの評価指標も RT 数、Like 数といった PV と似たような数字に留まっている場合があります。 特にブログのようなメディア配信をしていると、PV 至上主義になりがちです。PV を稼ぐために釣りタイトルを付けたり、手軽なお菓子コンテンツ [http://www.yasuhisa.com/could/article/what-is-reading/] で、人を集めようとしてしまいます。もちろん、それをひとつの『戦略』といってしまえば、そうかもしれません。しかし、それで欲しい読者が獲得できるのかというと、疑問を感じることがあります。 1度訪問するだけの

UI

Webらしいニュース配信UIとは

紙的な情報配信 新聞記事は、印刷されたらそれで終わりです。後の紙面で修正・注釈が入る場合がありますが、記事が世に出た瞬間、そのままのかたちで残ります。また、配信できるタイミングと回数が限られているので(朝・夕、時々号外)、期限までにどれだけ記事の質を高めるかが勝負になることもあると思います。新聞社の Web サイトは、こうした『新聞の性質』を強く残したまま Web コンテンツを配信しているように見えます。 カテゴリやキーワード(タグ)を活用した情報分類をするなど、 Web の特性を活かした手法を取り入れているものの、記事を集めた書庫のような存在です。以前紹介した 公共施設の Web サイト [http://www.yasuhisa.com/could/article/content-webaccessibility/] と似たような状況といえるでしょう。新聞社の Web サイトの記事の特長をみると、記事の形状は、紙の時代とほぼ変わりないことが分かります。 * 配信された記事は、そのままの形で残る * 訂正や追加情報が入る場合はあるが、別記事として配信されることがある * キー

デザイン

デザインにある繋げること、導くこと

行程の先にあるもの コンテンツ [http://www.yasuhisa.com/could/tag/%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%b3%e3%83%84/] の仕事ばかりしていると、利用者のことを考えていないように思われてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。コンテンツと利用者は切っても切り離せない関係です。以前は 電子書籍としてまとめることができるくらい [http://www.yasuhisa.com/book/exp/] UX のことを書き続けてたわけですから、利用者のことを無視するなんて考えられないわけです。しかし、最近は意図的に取り上げないようにしています。 UX について頻繁に書いていたときからそうですが、「UX デザインを実践したけど、そのあとどうするの? 」という疑問を常に感じていました。プロセスを踏めば、ワイヤーフレームが描けるのかといえば、そうではないことがあります。そのあと、

コンテンツ

なぜ緊急時になるとデザインが崩れるのか

本日話題になった銀行サイトの緊急メッセージ。このように緊急時になるとサイトデザインからかけ離れたコンテンツエリアを貼付けるサイトは少なくありません。 サイト運営は大事業 コンテンツの仕事に携わる海外のプロフェッショナルと情報交換をすることがありますが、最初驚いたことが運営人数が圧倒的に違うところ。日本で、ひとりかふたりの「Web担当者」が運営しているサイトの規模だと、海外(特に欧米)の場合、 10 人前後のチームを抱えていることがあります。10人前後の Web チームが存在するのは、メディア・パブリッシングのようなコンテンツの掲載頻度が高いサイトに限らず、様々なジャンルで同じことがいえます。大企業の Web サイトだとおもっと多くの人を抱えていることがあるそうです。 Web チームの仕事は企業によって異なりますが、共通して以下のようなタスクがあります。 * コンテンツ制作から掲載までのワークフローの調整 * Web へコンテンツを掲載するための最適化(マークアップ含) * 掲載に必要な写真や図などの素材制作 * ガイドラインに合わせてデザインを調整 当然、日本の Web

コンテンツ

ところでコンテンツは誰がする仕事なの?

専門的だが、専門でする人がいない 昨年は、1 年を通して各地で コンテンツ関連の講演やワークショプ [http://www.yasuhisa.com/could/announcement/content-seminar-workshop2/] をしてきました。アンケートの評価が高い人気講座になりましたが、多くの課題を残すことになりました。「よかった」と仰ってくださった参加者のソーシャルメディアやブログを追っていますが、学んだことを実践に繋げたり、今の仕事との関連付けに苦労しているという印象があります。これは参加者のスキルが足りないのではなく、 そもそも誰がする仕事なのか分かり難いというところに問題があると思います。 コンテンツを扱う講座では、以下のような仕事があると説明しています。 * 自社における『良いコンテンツ』を定義する * そのために、サイトへ訪れる人々の姿や文脈を明確にする * 現状のコンテンツを見直し、品質チェックを行う * 足りないコンテンツはなにか、必要なコンテンツはなにかを洗い出す * 掲載までのワークフローを見直し、必要であれば設計もおこなう * 運

デザイン

変わりゆく利用者行動と情報の流れ

縮小する Search & Find Google 以後の Web 利用は「Search & Find(検索して見つける)」が根底にありました。情報を見つけるために、キーワードを入力して検索したり、ディレクトリを掘り下げて目的の情報へたどり着くという行動です。 今や『当たり前』となった利用者行動ですが、Web の黎明期からそうだったわけではありません。90年代は、検索するといっても、欲しい情報が見つかる検索エンジンはなく、使わないほうが良いという考えもありました。そうしたなか、Google という優秀なアルゴリズムを実装した検索エンジンが登場したことで、広大な Web の中から情報を探し出すことが出来るようになりました。 このように技術が『当たり前』を作りだすことがあります。私たちの行動や思考は、技術に大きく左右されることがあるわけです。Google のような検索エンジンが登場したことで、Search & Find という行動が助長されたといえるでしょう。このように、技術に影響されるのは私たちの行動だけではありません。広告もマーケティングもすべてそうです。 Search &

UI

カードUIとコンテンツのパッケージング

小さなパッケージとしてのカード 前回の記事 [http://www.yasuhisa.com/could/article/message-card-ui/] で、メッセージのやりとりという文脈にカード UI が組合わさることで、新たな利用者体験を提供できるのではないかという話をしました。コンテンツを『ページ』としてではなく、『小さなパッケージ [http://www.yasuhisa.com/could/article/content-package-design/] 』にして利用者に配信することが主流になりつつある現在。これは、Web 上の情報のあり方を再考せざるを得ないと同時に、利用者にとって理解しやすい(ページに代わる)メタファが必要とされているのだと思います。小さなパッケージの表現方法としてカード UI は、無視できないデザインパターンのひとつです。 カード UI の可能性を最初に感じたのは、2010 年に登場したPinterest [http://pinterest.com/] 。たくさんの画像を全面に出しつつ、概要や操作を統一感を持たせてコンパクトに表現しています。P

ポッドキャスト

ポッドキャスト、再び配信中です

2011年2月から名前を変えてスタートをした Automagic Podcast [http://automagic.fm/]。2014 年 1 月からは、誰かと雑談するという形式で、ほぼ毎週のペースで配信しています。 昨年度は仕事のリズムが変わったことと、さすがに一人で話すのが辛くなてきたので、半年ほど小休止していました。以前から 何人もゲストに来てもらっていますが [http://www.yasuhisa.com/could/announcement/automagic50/]、Q & A 形式のインタビューになりがちで、躍動感のようなものが少ないことがありました。 これは、ひとりでポッドキャストをしているときにもいえることです。台本を作って、それを読み上げているわけではありませんが、話をしている途中で新しいアイデアが生まれたり、予想もしていなかった展開になるといった、不確定要素が少ないのが個人的に物足りないところでした。誰かと対談すときは、(相手によりますが)きちんと質問のリストを作ってから始めることがありました。質問リストは、対談を進める上での安心材料になるものの、特に

UI

カードUIと会話化するデザイン

LINE [http://line.me/ja/], WhatsApp [http://www.whatsapp.com/], Facebook Message [https://www.facebook.com/about/messages/] のようなメッセージアプリの魅力のひとつに「情報の流れが制御できる」ところがあると思います。1対1の会話が中心なので、ノイズが少ないですし、情報を追いかけるのも容易です。 Jelly [http://jelly.co/] のように、メッセージアプリのような表現がメッセージアプリ以外で見られるようになってきているのも、今の利用者に求めらている情報の形だからなのかもしれません。 今、UI デザイン [http://www.yasuhisa.com/could/article/no-border-design/] という観点で注目しているのは、この『メッセージ型 UI [http://www.yasuhisa.com/

コンテンツ

今CMSで本当に必要とされているもの

今の CMS の現実 ここ数年で、CMSは劇的に変化しています。 マイクロCMS [http://www.yasuhisa.com/could/article/before-implimenting-cms/] が注目を集めているのは、その兆候のひとつですが、こうした変化の要因は、従来の CMS では今の利用者に届ける仕組みを作るのが困難だからです。自分の好きなデバイスでアクセスする利用者。より柔軟な表現。どのサービスを経由してアクセスされるか分からない情報経路の複雑化。 WordPress [http://wordpress.org/], Drupal [http://drupal.org/], Movable Type [http://www.sixapart.jp/movabletype/] をはじめ、5 年以上経っている CMS の多くは、パソコン向けの『ページ』や構造に最適化された設計になっていることから、今後登場するかもしれない未知のデバイスやサービスまで見据えたマルチデバイス対応が難しいわけです。 実は、従来からある CMS でも「

コンテンツ

嫌われないスマホサイトを作るための第一歩

2013年12月21日に WCAN Winter 2013 [http://wcan.jp/event/2013winter/] が開催されました。CSS Nite Shift [http://www.yasuhisa.com/could/article/making-is-great/] と同様、WCAN [http://www.yasuhisa.com/could/article/modern-times/] も毎年招待していただいている年末イベント。今回は「 スマホサイトが嫌われる理由と改善方法」と題して講演をしました。今年は全国各地でコンテンツ関連の講演・ワークショップ [http://www.yasuhisa.com/could/announcement/content-seminar-workshop2/] を行ってきましたが、そのダイジェスト版のような内容。『スマホサイト』という制作者であれば身近なキーワードと合わせて話をしました。講演の詳細は 鈴木 健太郎さんの記事 [http:

デザイン

ポストPC時代のWebで注目している2014年のキーワード

タブレットの販売台数が PC を超えた [http://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS24314413] 2013年第四半期。(スマートフォンは 2011 年で超えています [http://tech.fortune.cnn.com/2011/02/07/idc-smartphone-shipment-numbers-passed-pc-in-q4-2010/] )。スマートフォンやタブレットはもちろん、情報へアクセスするための『ガラス』は、今後ますます増えていきます。2014年は、Web へアクセスするための手段が文字通り多様になるといっても過言ではありません。iPhone をはじめとするマルチタッチのスマートフォンが出回りはじめた頃は『モバイル Web』という言葉が用いられていましたが、これからは『The Web(これが Web)』と言い換えたほうが良いでしょう。PC がなくなることはありませんが、「まずはパソコン版を前提」という考え方はいちはやく拭い去らないといけなくなります。 自動的に取得した睡眠のデータを、いつでもアクセスでき

ゼロ・グラビティ
映画

ゼロ・グラビティ

映画「Gravity (邦題 ゼロ・グラビティ)」のあらすじは、「事故に見舞われた宇宙飛行士が、無重力空間のなか、地球への帰還を試みる」というシンプルなもの。アクション映画と思って劇場へ向かった人もいるかもしれませんが、まったくそうではなかったと気付くと思います。 映画の設定もハリウッド映画ではあまり見ないものでした。登場人物はわずか 2 人(アポロ13 [https://www.amazon.co.jp/dp/B006QJT0C8/ref=as_li_ss_til?tag=could-22&camp=1027&creative=7407&linkCode=as4&creativeASIN=B006QJT0C8&adid=1HKZMDGXE2DNSK5ZD97V&] でも司令室に立っていたエド・ハリスが声で出演しています)。舞台もほぼ一カ所で、

アイデア

作れることは正義である

撮影:飯田昌之 12月14日に CSS Nite Shift7 [cssnite.jp/lp/lp31/] が開催されました。基調講演ということで、少し先の未来を話すようにしていましたが、今回は未来に備えるための『今の話』をしました。「スクリーンの先、私たちの仕事の先 」という題名で話した今回の講演。スクリーンの外を見ようというメッセージは伝わったと思いますが、仕事の先の意味が捉え難かったかもしれないので、この記事で解説しようと思います。 アイデアと完成品との間 アイデアがあるからこそ、新しいサービスやプロダクトが生まれます。しかし、この間には大きな溝があって、なかなか繋がらないことがあります。素晴らしいアイデアでも製品にしてみるとそうでもなかったり、どこかで質が低下してしまったり、アイデアが製品にうまく反映していなかったり、いろいろです。 Web サイト制作の世界では、この溝が広く深いことがあります。アイデアを生み出したり、設計に関わる「考える人」と、実際手を動かして構築する「作る人」が完全に分離(分業)していることがあります。作るひとが、考える側に立ち入る余地がないこともあ

ガイドライン

問題解決のためのスタイルガイド入門

定義が広いスタイルガイド フロントエンド開発者からスタイルガイドという言葉を耳にするようになりました。効率的、かつ一貫性のある見た目とコードをつくるための共有ツールとして、スタイルガイドが使われることがあります。一見、目新しくみえるスタイルガイドですが、最近生まれた新しいアイデアではありません。 ロゴやコーポレートカラーの使い方を記したスタイルガイド [http://www.logodesignlove.com/brand-identity-style-guides]は昔からありますし、 ライターにもスタイルガイド [http://web.calstatela.edu/library/styleman.htm]があります。 このように、開発者も、デザイナーも、ライターも同じように「スタイルガイド」という言葉を使っています。人によって、その言葉から受ける印象も異なれば、必要としている要素も異なります。 YUI 並の UI アセット [http://yuilibrary.com/] をスタイルガイドに含めることを期待している人もいます。アプリや Web サイト開発におけるスタイルガイ

アクセシビリティ

コンテンツからみるWebアクセシビリティの課題と提案

コンテンツは本当にアクセシブルか Webアクセシビリティは、大きく分けて 2 つの『デザイン』があります。ひとつは、情報を分かりやすく整理し、目的の情報へた辿り着くための Web アクセシビリティ。この要素は、色、形状、動き、スピードなど、UI デザインの課題と重なるところが多いです。もうひとつの要素は、情報の構成や文章のスタイルといった「編集」とも呼べる Web アクセシビリティです。 前者の情報構造や操作性は、明確なガイドライン化がしやすく、チェックもしやすいですが、後者の編集の部分は、パッと見では判断がしにくいだけでなく、ガイドラインとして共有するのも難しいです。 Webアクセシビリティにある 2 つの『デザイン』 もちろん JIS X 8341–3:2010 [http://waic.jp/docs/jis2010-understanding/] でも「利用者が理解できるコンテンツ」を制作・維持できるようにすることが重要であると書かれていますが、