先週のえふしんさんとのポッドキャストで、師事したり目指す対象になる巨匠のような存在が Web に不足している(もしくはいない)と話しました。そう痛感した理由のひとつがこの書籍を読んだからです。佐山一郎さんが過去 10年に行ったインタビューが一冊にまとまっています。原研哉、横尾忠則、石橋寛、タナカノリユキ など『デザイン』に関わる巨匠達がジャンルを問わず一挙に揃っている本も少ないと思います。

インタビューの時期はそれぞれ違うものの『デザインとは』という一環としたテーマがあり、ひとつ読み終わったあと、そして全部読み終わったあとにそれぞれ考えさせられます。佐山さんの丁寧かつ鋭い質問やコメントが間に入っているのが、文章に良いリズムを作り出しているような気がします。インタビューのプロフェッショナルとデザインのプロフェッショナルが会話をしている・・・そんな雰囲気が全体にあります。

書籍に登場している方達すべてに言えることですが、業界のトップにいてもデザインに対して切実で何かしようと今でも積極的に行動しているところ。何人かの方は商業化し過ぎているデザインに対して疑問を抱いていて共感を得たと同時に、僕が考えている程度のことなんてもうずっと前から考えられていることなんだと痛感しました。誰もがデザインにどん欲というか、歳をとったから衰えることなんてないんだなと改めて思いました。

25人もありますし、「もっとこの人の話を聞きたい」と思えるものも多いので物足りないと感じる部分もありますが、名前は知っているけど、どんな人なのかあまり知らないという方にとっては、この書籍は良いイントロダクションになると思います。足下にも及びませんが、Webデザインというジャンルでデザインをどう模索していくのか、どう行動に反映していくのか、考えさせてくれると同時に勇気づけられた一冊です。