Pixelmator 1.5

Pixelmator 1.5

以前からお勧めソフトとしてセミナーなどで紹介していた Pixelmator。仕事に使えるというよりかは、Photoshop Element の代りになるくらいの位置づけでしたが、先日リリースされた 1.5 でその考えを改めなければならないと思いました。

Webサイト制作をしている方にとって今バージョンで最も大きなニュースは「Web用に書き出す」と「スライス」機能が追加された点にあります。以前から JPG や GIF への書き出しは可能でしたが、画質設定をリアルタイムで見ながら確認出来るようになりました。また、全バージョンに比べると圧縮の仕方もよくなったような気がします。スライスも Photoshop と同じような感覚で区分け出来ますし、その場で画質設定もすることが出来ます。

Pixelmator を使って感じるのが Photoshop の使い勝手が必ずしもベストではないと気付かせてくれる点にあります。Web用に書き出すにしても、Photoshopであれば別ウィンドウが表示されるのを待つ必要がありますが、Pixelmator は作業をしているウィンドウのままでスライスごとの画質設定を行えます。選択しているツールのアイコンが大きくなったり、取り消しなどのアクションをさりげなくアラートしてくれるなどちょっとした工夫がたくさんあります。

フィルタもそうですが、別のウィンドウが立ち上がって仕事の流れを変えることなくリアルタイムで結果が表示されるのは嬉しいですね。アプリケーションの起動も含めて動作が機敏なのはネイティブの Cocoa アプリだからなのでしょう。iPhoto や iSight から直接画像を取り込めるのも Mac らしいところです。

今までは Photoshop Element キラーになるかも・・・と言っていましたが、1.5 の登場により Photoshop のライバルになる気がしてきました。値段は Photoshop の 1/10 で、最低限の機能が出揃っているのは脅威ですね。PSDの読み込み・書き出しは出来ますが、他の Adobe 製品と連携があるわけでもないですし、機能の数も全然違います。しかし、仕事をするソフトで重要とされるスピードと安定性が最近の Adobe 製品には欠けています。どの部分を重視するかによりますが、Pixelmator は今後ひとつの選択肢になりそうです。

メニューはすべて日本語なので一度試してみてはいかがでしょうか。起動して写真を開いて、フィルタを使うだけでもビックリすることが多いと思いますよ。

Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。