新聞

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UX

日本の新聞サイトから学ぶパフォーマンスの現在

パフォーマンスはすべてに関わる課題 パフォーマンスは利用者体験を向上するだけでなく、ビジネスにもプラスになります。コンテンツと同様、パフォーマンスはデザイン、エンジニアリング、ビジネスすべてに関わる重要な課題です。それを裏付ける事例をたくさん見つけることができます。 表示に 3 秒待たせることで 40% の利用者が離脱してしまう(Gomez) 表示速度を 68% 改善したことで、コンバージョン率が 7% 向上した(Ancestory.com) 4 秒遅くなったことでページビューが 11% 低下。20秒遅くなると 44% 低下した(Telegraph) サイトパフォーマンスを向上することで、ユーザープロフィールのインプレッションとスクロール率が上がった(Instagram) ショッピングサイトではパフォーマンスが 2 秒改善することで、離脱率が半分にまで減った(Radware) SEO にも影響するので、Google はモバイルフレンドリーテストというツールまで用意しています。たくさんの事例やツールがあるにも関わらず、Web

意見

新聞サイトの有料サービスの糸口

有料コンテンツは成功しない? イギリスの新聞サイト The Times は、6月から 有料サービス を開始し、記事の全文を読みたい場合は会員登録をしなければならないようにしました。その結果、2月のアクセス数に比べ 90% も落ちたそうです (詳細記事)。外サイトからリンクを辿ってアクセスした際は、自動的に登録ページへリダイレクトされるように設定されており、そのうちわずか 25.6% が先に進んでサイトを観覧したそうです。値段だけでなく、やり方も不味かったと思いますが、これは大打撃といえるでしょう。 The Times は 15,000 の有料会員を獲得したので、一概に失敗例とは呼べません。成功・失敗をどう定義するかは難しいですが、近年国内外の新聞社が積極的に有料コンテンツを開始しているのは事実です。大手だけでなく地方新聞も有料サービスを開始しており、こちらの表でどの新聞社が開始しているのか見ることが出来ます(USのみ)。紙の新聞の配布数と共に広告収入も落ちるわけですから、別の収入源を探さなければ運営が難しいです。現状、紙の新聞の収入に頼っている部分が多いわけですが、Web ではバナー広告以外の決定打がなく、有料コンテンツ化を試みるものの The

サービス

ロイターが新聞向けに視覚化サービスを開始

部数が減って苦しい状況に置かれている新聞ですが、その新聞に向けて新しいサービスをロイターが提供を開始しました。Reuters Financial Infographics は、ファイナンスデータを視覚化したものを、新聞社のニーズに合わせて提供するというもの。すべて自動化されているこのサービスは、紙面の大きさに合わせて作成してくれるだけでなく、特定の企業や業種に絞るといったカスタムビューも作ってくれます。印刷にも耐えられる EPS か PDF で、決まった日時にデータが送られるそうです。 以前、執筆した「ウェブらしい新聞サイトのあり方とは」という記事で、新聞サイトはサービスプロバイダーになるべきだという話をしました。コンテンツを制作し、配信するだけでなく、サービスという価値を負荷することでマネタイズ出来る可能性はあるのではないかという提案をしましたが、ロイターの試みはまさにそれといえます。ロイターのもつ膨大な情報を単に提供するのではなく、それぞれの顧客に対してカスタマイズしたデータを印刷出来るクオリティで配信という「サービス」を提供している点が大きな違いです。 今回紹介したロイターのサービスは、一般向けではなく新聞社向けというニッチなターゲティングですが、Web ならではですし、ニーズも少しばかりありそうです。ロイターではなく、新聞サイトであればどのような価値をサービスとして提供出来るのでしょうか。「今だから出来る新しい紙媒体向けサービス」で紹介したように、下がりつつ印刷のコストを利用して新しいサービスが生まれています。カスタマイズした紙面を効率よく配信することも難しくないでしょう。 読者は盛りだくさんのコンテンツを欲しているとは限りません。Webに広がる莫大な情報をいかに効率よく収集し、スマートに分析することを求めています。

意見

新聞サイトのコンテンツと広告領域

新聞だけではありませんが、雑誌をはじめとした紙媒体メディアではページの一部を広告として販売することによって収入を得ています。Webでもこの手法は流用されており、ページの場所や大きさによって値段が細かく決められています。Webにおけるこうした広告モデルは確立されていますし、すぐにお金が入るだけでなく比較的安定した収益が見込めます。Web サイトを運営するのはタダでは出来ないわけですから、広告はなくてはならない存在です。 しかし、ただ貼付けているだけの広告では読者のサイト利用の邪魔になりかねませんし、だんだん広告が「ないもの」として扱われる場合もあります。現状、日本の新聞サイトではどのように広告が扱われているでしょうか。以下のスクリーンショットは XGA (1024×768) の解像度で撮影したものです。スクリーンショットの下に書かれているパーセントは、表示領域に対して広告がどれくらい占めているかを示しています(ブラウザのボタンや検索フィールドは表示領域に含まれていません)。 朝日新聞: 32.7%日経新聞: 15.5%毎日新聞: 19.6% 中日新聞: 27.1%産経新聞: 12.4%読売新聞: 43.2% ほとんどのサイトで右上に大きな広告が表示されているのが分かります。

意見

ウェブらしい新聞サイトのあり方とは

2月24日に「ネット時代のメディアとジャーナリズム」というオープンフォーラムが開催されました。本当は会場に行くべきでしたが、丁度 Ustream で中継がされていたので視聴させていただくことに。そのときの模様は Twitter の #mf224 で追うことが出来ます。パネルディスカッションはフォーラムの題名にもなっているメディアとジャーナリズムだけでなく、ビジネスモデルの話まで広げて議論がされていました。同じ日に日経が有料のWeb刊サービスの開始を発表しているので、こちらも踏まえて依然として存在する Web と紙とのギャップについて整理しておこうと思います。 新聞の価値がコンテンツの価値ではない 新聞はお金で買っていますが、Web にアクセスすれば無料でコンテンツがあります。よって、Web はすべて無料にしてしまうライバルのような存在である、情報の価値を下げているので価値に対して値段をつけるべきという考える方もいるとでしょう。しかし、私たちは新聞を買う際に新聞のコンテンツのみに対してお金を支払っていたわけではありません。私たちは新聞にお金を払うとき、以下のコストに対して支払っていると考えることが出来ると思います。 情報料 掲載されている記事 編集料 コンパクトに分かりやすくまとめられている 印刷料 手軽に読むために媒体を最適化 配送料 自分の手元に届く Web以前だと今のようにニュースを探して読むのは大変手間でしたし、全体的に見渡すことも難しいです。そもそも素人の私たちでは情報を探すということすら不可能に近かったかもしれません。しかし、新聞をひとつ読めばニュースを探す手間が省けますし、購読すれば毎日手元へ郵送されます。

コンテンツ

私的今年のベストWebサイト

今年もたくさんのサイトを見てきたわけですが、個人的に最もインパクトがあったのが Boston Globe が運営する写真ブログ「The Big Picture」。Twitterでいろいろなサイトを紹介していますが、かなりの頻度で The Big Picture を紹介しました。写真 (コンテンツ) が素晴らしいのは当然ですが、他にも注目する点は幾つかあります。 このサイトは Boston Globe という 100年以上続く新聞社が運営しています。他の新聞社と同様、発行部数は大幅に落ちており非常に厳しい状況に陥っています。そういった状況ではありますが、Web版 Boston.comは豊富なコンテンツと50を超えるブログを運営するなど積極的に Web を活用しています。紙という形でなくてもジャーナリズムと地域情報を配信する手段があるわけですから、捕われずに挑戦しているのが伺えます。こうした豊富なコンテンツの中のひとつとして The Big Picture があります。 The Big Picture は、Boston Globe

google

Googleが考える新聞の生き残る道

随分前になりますが、今年の 4 月に Google の Eric Schmidt が Newspaper Association of America の集会で演説を行いました。また、別のサイトで質疑応答の筆記録も公開されています。新聞の発行部数も広告収入も急激に落ちて来ているアメリカでは、Web サイトに様々なコンテンツを掲載し、開けた印象を作り始めています。質疑応答のほうでは良くも悪くも Google 視点な見解と提案がなされていますね。以下に要約をリストアップしておきます。 いずれかひとつではなく、広告、購読、マイクロペイメントの3つが収入源になるだろう。しかし、数円から支払えるようなマイクロペイメントを可能にする優れたシステムがない。現状は無料にするか、月額購読という選択肢しかないが今後は変わるだろう Google News は信頼ある発行者の情報のみ検索するシステムだが、Web 検索ではすべての情報が同じアルゴリズムの中でランキング付けされている。信頼出来る情報でも、有名ブランドではないということで下のランキングになる場合もあるが、こうした課題は慎重に取り扱って行きたい 新聞は早くから Web への取り組みをしているが、導入後の考慮が足りない。

ニュース

ジャーナリストを中心とした新しいビジネスモデル

最近イランと政治という話題が Twitter を中心に話題になっています。従来、ジャーナリズムといえば取材した情報に編集を加えて媒体に適した形で配信するという、いわばパッケージングされた情報でした。最近では、まずいちはやく情報を配信して、配信しながらニュースの全体像を徐々に形作るプロセス型のジャーナリズムが登場しました。Twitterだけでなく、Guardian のライブブログはその一例です。ジャーナリストがプロセス中心の情報配信になっただけでなく、従来読者と呼ばれていた方もプロセス型になっており、ニュースサイトにそういった機能を組み込んでいるところもあります。CNNが運営している iReport は、市民ジャーナリスト向けの動画サイト。利用者が動画を共有する別サイトとしてではなく、CNNのコンテンツとして記事ページに掲載されており、TV番組まであります。 断片的な情報が有益な情報になる瞬間 情報の断片をいちはやく配信するという点でいえば、ジャーナリストも一般ユーザーもやっていることは変わりありません。しかし、ここで重要になってくるのが「誰」がどの情報の断片を配信してるかになります。情報の断片は増える一方ですし、情報量が少ないのでどれが本当の情報なのかどうか見極めるのも難しいです。誰が情報を配信しているのか分かるだけでも、その情報に信憑性が出てきます。 私がある報道の実況を書くより、あなたが知っているジャーナリストが実況を書いてくれた方が信頼出来ます。逆にあなたが私のことを知っているかどうかで私のほうが信頼性の高い実況が書ける可能性もありますし、特定の分野であれば書けるという信頼を証明しているので、そこで信頼性を勝ち取ることが出来るかもしれません。同じ文字数のテキストなのに、それが活きた情報に変わるのは、何が書かれているというより、誰が書いているかによって決まるのではないでしょうか。 NY Times

アイデア

ニュースサイトと新聞サイト

インターネットの普及をはじめ、メディアの多様性が進んでいるが、我々3社は新聞こそが最も信頼性の高いメディアであり、今後もそうあり続けたい 新s(あらたにす)の記者会見に出て来たことばです。この言葉が Web に対する意識のズレを表していると同時に、これから良くなるかもしれない希望も隠れているような気がします。 「ニュースサイトならではのウィジェットを考える」で書きましたが、新聞の読まれ方とニュースサイトの読まれ方は違いますし、読者との関係も違います。異なる媒体なわけですから当然のことです。媒体がもつ独自の良さを、別媒体に移行したとしても、それはギミックにしかならず、扱っている媒体の良さを最大限に活かしているとはいえません。 ポッドキャストで種村さんと対談したときに、彼が興味深いことを言っていました。 本の魅力を Web へもってくるために、ページをめくるという行為を Flash を使って再現するというのを見かけますが、そういった表面的なものではなく、本には独自の魅力が他にあると思います。 Web という媒体における独自の魅力や使い方については後回しにし、まず表面的な新聞の特徴を Web にもってくることを優先した結果が今の 新s(あらたにす)かもしれません。機能というのものは運営しながら増えて行くので、機能が足りないという点は気になりませんが、もしサイトのコンセプトが「新聞の体験をそのまま Web へ移行する」