Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

UX

ゲームから学ぶ「おもしろさ」と「ハマる」の秘密

シナリオ < ゲームプレイ 今はゲームと一言でいってもかなり意味が広い時代です。ジャンル、機器、オフライン/オンラインなど分類すればキリがありまません。最近 Web ではソーシャルゲームという人とのコミュニケーションを軸にしたゲームが幾つか出て来ています。日本でも流行しはじめている foursquare [http://foursquare.com/] もその部類に該当します。人気になるゲームは「おもしろい!ハマる!」という言葉で表現されることが多いですが、おもしろいゲームとは一体どういった特徴をもっているのでしょうか。なぜ人はゲームにハマるのでしょうか。 Jesse Schell 氏の著書「The Art of Game Design [http://www.amazon.co.jp/gp/product/0123694965?ie=UTF8&tag=could-22&linkCode=as2&camp=247&

意見

新聞サイトのコンテンツと広告領域

新聞だけではありませんが、雑誌をはじめとした紙媒体メディアではページの一部を広告として販売することによって収入を得ています。Webでもこの手法は流用されており、ページの場所や大きさによって値段が細かく決められています。Webにおけるこうした広告モデルは確立されていますし、すぐにお金が入るだけでなく比較的安定した収益が見込めます。Web サイトを運営するのはタダでは出来ないわけですから、広告はなくてはならない存在です。 しかし、ただ貼付けているだけの広告では読者のサイト利用の邪魔になりかねませんし、だんだん広告が「ないもの」として扱われる場合もあります。現状、日本の新聞サイトではどのように広告が扱われているでしょうか。以下のスクリーンショットは XGA (1024×768) の解像度で撮影したものです。スクリーンショットの下に書かれているパーセントは、表示領域に対して広告がどれくらい占めているかを示しています(ブラウザのボタンや検索フィールドは表示領域に含まれていません)。 朝日新聞: 32.7%日経新聞: 15.5%毎日新聞: 19.6%中日新聞: 27.1%産経新聞: 12.4%

インターネット

情報の流れの変化を意識したウェブ戦略

左にあるスライドは、私がよく講演で使う図です。1つ目のスライドが今まで利用者が Web サイトへアクセスしてたのが、Web サイトの情報が直接利用者のほうに届けられるようになったということを示しています。例えば RSS のような情報をポータブル化出来る技術がそうですし、 Netvibes [http://www.netvibes.com/] のようなマイページと呼ばれる種類のサイトもそうです。 2つ目のスライドは、Web サイトへアクセスしなくても人が集まるところに情報が届けられていることを示しています。そして、その情報が多くの人々によって共有されたり、コミュニケーションのきっかけにもなっています。 Facebook [http://facebook.com]で企業が情報配信しているのがひとつの例でしょう。Compete Inc の調査によれば [http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2010/02/14/BUU51C0AMN.DTL]、Web サイトへのトラフィックは Google より Facebook

デザイン

Webデザインがつまらなく見えてしまう理由

魅力が伝え難いWebデザイン Webデザインを説明するのは非常にやっかいです。このサイトでも何度も取り上げては書き続けていることですが、上手く説明しきれていない部分は少なくありません。 最近よく感じることが Web サイトの魅力を伝えるのは難しいということと、そもそも「魅力・良さ」という部分も人それぞれであるという点です。いろいろな意味が含まれていると思いますが、Web における「魅力・良さ」は、見た目や動きに集約されることが多いです。 ときどき、Webデザイン専門学校の先生とお話をすることがありますが、HTML の勉強をずっとしてても、最終的に出て来る作品がフルFlashということがあるそうです。当然 Flash サイトが魅力的ではないわけはありません。良い Flash サイトもたくさんあります。学生さんが Flash を選んだ気持ちも分かります。パッと見たときの魅力やインパクトは Flash サイトのほうが感じやすいのは事実です。勉強のきっかけは誰か目指したいと思えるロールモデルがいるという場合もありますし、「こんなサイト作りたい」と思える単純な思いからです。見た目がいいものが

UX

UXの定義と私たちの仕事の関係

UXデザイナーと名乗る方にとって、体験という主観的かつ概念的な要素をいかにして測定し、価値を見出すのが課題のひとつです。それについては「 UXの測定項目を考えてみた [http://www.yasuhisa.com/could/article/ux-metrics/] 」という記事で候補になりそうな項目を幾つか挙げて解説しましたが、項目を考える上で常に UX (User Experience) とは何か?という質問に辿り着くのではないでしょうか。UX に興味がある方、又は仕事としている方はそれぞれ自分で UX を定義していると思いますが、明確なラインが引けないですし、すべて自分で出来るというものではないので説明が難しい言葉です。Webデザインより説明が難しいと感じることがあります。 「UX」とひとことで言い表すことが出来るわりには、包括する分野が非常にたくさんあります。UX を作り手、顧客、マーケットなど見る切り口によって違ってきますし、数多く存在するアプローチは分断しているのではなく、密接に入り組んでいます。UX の定義という難しい課題に多くの方々が挑戦しており、UXの視覚化に成功

意見

ウェブらしい新聞サイトのあり方とは

2月24日に「ネット時代のメディアとジャーナリズム [http://www.nikkeidigitalcore.jp/archives/2010/02/post_218.html] 」というオープンフォーラムが開催されました。本当は会場に行くべきでしたが、丁度 Ustream で中継がされていたので視聴させていただくことに。そのときの模様は Twitter の #mf224 [http://twitter.com/#search?q=%23mf224] で追うことが出来ます。パネルディスカッションはフォーラムの題名にもなっているメディアとジャーナリズムだけでなく、ビジネスモデルの話まで広げて議論がされていました。同じ日に日経が 有料のWeb刊サービスの開始 [http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100224/345010/] を発表しているので、こちらも踏まえて依然として存在する Web と紙とのギャップについて整理しておこうと思います。 新聞の価値がコンテンツの価値ではない 新聞はお金で買っていますが、Web にアクセスすれば無料

サービス

今だから出来る新しい紙媒体向けサービス

電子書籍が注目を集める今日ですが、印刷もここ数年間変わり続けています。例えば名刺印刷をみてみるとどうでしょう。年々印刷の質が上がっているのはもちろんですが、値段も下がり続けています。PDF や Illustrator ファイルを Web サイトでアップロードするだけで作業が終わるなんて数年前では想像しにくかったですが、今や当たり前です。 紙媒体は Web に比べるとスケーリングに乏しいです。ユーザー (読者) が増えるとその分印刷コストがかかります。初版でたくさん印刷出来ればコストを落とすことが出来ますが、なかなかそうはいきませんし、印刷の回数が増えればその分コストが嵩みます。しかし、ニッチな市場ではどうでしょうか。ある程度、読者数が想定出来るのであればコストを抑えつつ利益を上げることが出来るかもしれません。一昔であれば、紙媒体をもつにはそれなりに資金と印刷ボリュームを必要としましたが、近年の印刷コストの低下に伴い、ニッチな市場に向けた新しいビジネスも生まれています。 自己出版・制作サービスの老舗といえば Lulu [http://www.lulu.com/] というサービスがあ

マーケティング

オリンピックとソーシャルメディアの密接な関係

スーパーボールのCMは1億人に見られる巨大なテレビイベントですが、コカコーラによると同時期にオンラインで連動広告を見た方は5億人にものぼった [http://www.usatoday.com/money/advertising/2010-02-12-olysocial12_ST_N.htm] そうです。コカコーラはFacebookを活用 [http://www.facebook.com/cocacola]しているブランドとして知られていますし、 Espedition 206 [http://www.expedition206.com/] のようなソーシャルメディアを利用したマーケティングを得意としています。今回の結果は Web 上でのコミュニケーション経験が豊富なコカコーラだからといえるかもしれませんが、TVをはじめとした媒体を利用することでオンラインで多大な影響を及ぼすことが出来るというひとつの例として捉えることが出来ます。特に人とのリアルタイムでのコミュニケーションが発生しやすいスポーツイベントはソーシャルメディアと相性がいいのかもしれません。 コカコーラの成功もあったことから、

UI

ブラウジング型インターフェイスの長所・短所

検索は Web が使われるようになってから続く永遠の課題。技術だけでなく検索結果の見せ方も年々進化してきています。近年、セマンティック Web [http://www.yasuhisa.com/could/diary/cybergarden-semanticweb/] への注目が一層高まっていることから、また検索がおもしろくなりそうな気配です。検索の精度、そして結果を利用者に示すためのインターフェイスへの探求はこれからも続きますし、デザイナーとして興味深い話題のひとつ。 検索(特に検索結果)と少し関係があるデザインパターンのひとつにブラウジング(Browsing)があります。多くの情報を次々を観覧するのに長けているわけですが、最近ブラウジングを採用したサービスや Web サイトをよく見かけるようになりました。 Google Fast Flip [http://fastflip.googlelabs.com/] ニュースサイトをページをめくるような感覚で次々と見ることが出来ます。キーボード操作で次々とページを移動。ローディング時間も含めサクサクCooliris [http://ww

IA

様々な意味をもつWebサイトのスピード

「UXの測定要素 [http://www.yasuhisa.com/could/article/ux-metrics/] 」で最初にスピードを挙げたのは、Webの体験において近年重要なポジションになってきているからです。ブロードバンドだからこそスピードを要求されますし、モバイルだと欲求はさらに高まるでしょう。プログラムがより早く動作するように記述の工夫や構成の検討したり、CSS や HTML といったマークアップからでもパフォーマンスを上げることが出来ます。こうした技術的なアプローチだけではなく、情報の整理の仕方や心理的な部分からスピードを表現することが可能です。 例えば、トップページのように様々な導線も含まれた情報量の多いページがあるとします。技術的な工夫を施し、表示速度が早いページにしたとしても、情報が入り組んでいて利用者が見つけ難い構成であれば「時間がかかる=遅い」と感じるでしょう。「2つ以上の製品を比較したい」「製品の特徴を把握したい」という利用者に明確な目的がある場合はどうでしょうか。一見、きれいに情報が整理されているページだったとしても目的を達成するために複数のページを横

UX

UXの測定項目を考えてみた

日本でも UX デザイナーと名乗る方が増えてきましたが、去年あたりから Web では一種のバズワード的な存在になっている UX (User Experience)。『バズワード』と書きましたが、重要と感じている方が多くいるからこそ注目されているわけですし、流行から次のステージに進んでいるのも事実です。デザイナーと呼ばれている方はもちろん、Web サイトを構築する様々な職種の方が UX に反応しているのをみると、ひとつの共通言語 (認識) として重要なポジションになる可能性を秘めています。 ユーザーテスト、ペルソナ設定、アジャイル開発など、水準の高い UX を実現するための様々なアプローチが存在しますし、今でも模索が続けられています。作り出すほうだけでなく、作った後、つまりサイトの測定方法はどうでしょうか。UX を意識して作ったまでは良いですが、それをどう評価すれば良いのでしょうか。ページビューが上がる、売上が上がるという部分は重要ですが、それだけ体験を測定することが出来るのでしょうか。 UX が重要と分かっていても、言葉に「体験」と付いているが故に、見え難いあやふやな領域のように見え

仕事

D208にて残るWebサイトの特徴ついて話しました

MdN web creator が主催する Designer meets Designers [http://www.mdn.co.jp/webcre/d2/] で講演をしてきました。およそ1年半前に「さよなら Web 標準 [http://www.yasuhisa.com/could/diary/d2-03-thank-you/]」という講演をして以来の2度目になります。今回は「 好まれるWEBの7つの特徴に学ぶ、サイトづくりのキーワード」という少々長々しいタイトルで、今デザイナーが知っておきたいスキルについて話しました。 内容は今ホットな技術やテクニックについての紹介というよりかは、これからデザイナーとして又は Web に関わる仕事をしていく上で重要なことは何かという少し広い視野の内容。今話題の情報を紹介するだけでも良いのかもしれませんが、流行ネタだけでは身に付く能力に繋がらない場合もありますし、本質的なことを見失うこともあります。流れが速い時代だからこそ、ついて行くだけだと疲れ果ててしまうこともありますし、先が不安になるのではないでしょうか。今セッションでいう「知っておきたい

apple

iPadは第五のスクリーンになれるか

発表前に eBook や電子出版の噂が飛び交いましたし、実際 iBooks という専用アプリケーションがあることから、iPad [http://www.apple.com/jp/ipad/] と出版業界の今後をテーマに書かれている記事が多いです。書籍フォーマットは XML/HTML ベース [http://www.idpf.org/specs.htm]みたいですし、iPad 以外のデバイスでも同じ本が読めそうな期待が出来きますが、iPad はもう少し大きなビジョンをもったデバイスです。iPad は今までになかったスクリーンの提案をしようとしています。 第五のスクリーンが現れるか 「メディアの消費の仕方の変化 [http://www.yasuhisa.com/could/article/evolution-of-media-cunsumption/] 」という記事で、メディアの消費の仕方が大人数から次第に個人の体験へと変化しているということを書きました。映画という巨大スクリーンからテレビ、パソコン、そして携帯電話へと、私たちが見るスクリーンのサイズも小さくなっていきました。スクリーンと

ビジネス

Bandcampが提案する今時の音楽販売

photo taken by auggie tolosa [http://www.flickr.com/photos/auggie_tolosa/3253632500/]もう1年半くらい前からありますが、Bandcamp [http://www.bandcamp.com/] は音楽系のサイトではトップレベルのサイトです。デジタルミュージックを販売するサイトはたくさんありますが、ここは幾つか工夫がなされています。 * 音楽配信に最適化されたカスタムページ * 非圧縮ファイルをアップロードすれば、複数フォーマットに自動変換される * ミュージシャンは無料から有料まで自由に設定できる * 音楽に反応して動くビジュアライザ付き * リスナーが値段を決める形式にも対応 * 低音質は無料で高音質は有料という分類が可能 * 豊富な共有オプション * どの音楽を最後まで聴いて、どれをスキップしたのか分かるアクセス解析 * 自分の音楽が何処で話題になっているか分かるリファラ表 ソーシャルメディアを利用するユーザーを意識したデジタルミュージック販売のひとつの形を Bandcamp は

資料

HTML5に関するW3Cのスライドをリデザイン

先日、Twitter経由で「Web標準化 (W3C) とHTML5の状況 (PDF形式) [http://www.soumu.go.jp/main_content/000048595.pdf] 」というスライドが総務省のWebサイトで公開されているのを知りました。早い時期から国に働きかけているのだなと関心しましたし、どのような内容を紹介しているのだろうと興味があったので早速ダウンロードしてみました。HTML5 の概要をコンパクトにまとめている点は良かったのですが、プレゼンのスライドとしての質はあまり高いものではない内容でした(一番最後のページに「ありがとうございました」と書いてあるのでスライドの可能性大)。 W3Cに携わる教授という視点だと考えられなくはない内容なのですが、国の方(もしくは IT プロフェッショナルではない方)に向ける内容ではない気がしました。せっかくHTML5を多くの方に知ってもらうという素晴らしい機会があってもこれではどうかなと私は思いました。以下が私が気付いた課題点です。 * 配布資料とスライドの兼用になっている。結果的にスライドの情報量が多くフォーカスがし

コンテンツ

コンテンツの質を上げるための第一歩

昔から量より質だった 「Top 25 Blogs About Blogging [http://www.dailyblogtips.com/top-25-blogs-about-blogging/] 」では、ブログに関するアドバイスなどを記載しているブログのトップ25がリストされています。Google や Alexa のスコアなどを基にランキングされているこのリスト。複数のライターを抱える大規模サイトもあり、それらは毎日情報を更新していますが、大半は毎日更新していないのが分かります。平均で 2,3日に一回更新しています。同サイトは「Top 25 SEO Blog [http://www.dailyblogtips.com/top-25-seo-blogs/]」や「Top 25 Web Design Blogs [http://www.dailyblogtips.com/top-25-web-design-blogs/]」という別分野のトップ 25 を同じ採点方法でランキングを出していますが、こちらも傾向が似ていて毎日更新しているサイトがトップに来ているわけではなさそうです。 > 数よ

IA

関係作りとしての IA の役割

IA (Information Architecture) において「関係」は重要なキーワードです。ページを構成する情報と情報との関係、サイト内のページとページとの関係。コーポレイトサイトであれば、メインサイトとサテライトサイトというサイトとサイトの関係も考慮します。これに加え、利用者という別の軸の関係も考慮して情報を組み立てて行きます。こうしたことから、IA の専門家達は、建築、情報科学、インダストリアルデザイン、認知学など様々な分野の知識に長けている方が少なくありません。彼等はその広い知識を活用することで様々な情報と コンテキスト [http://www.yasuhisa.com/could/diary/css-nite-lp7/] を繋ぎ合わせている(関係を作り上げている)といえるでしょう。 近年、情報とコンテキストが多様化し初めています。 情報の種類はテキストから動画まで様々ですし、サイズや扱われ方もたくさん出てきました。また、利用者が情報にアクセスする背景を考えてみると、自社の Web サイトという小さな存在だけでは語り尽くせない状態です。Web がパソコンからの情報だけの

ビジネス

デザイナーが相手にアイデアを伝えるときの心構え

日本国内外問わず、優れたデザインのサイトが増えてきているのを見ると、デザイナーと開発者が分断されているイメージは昔のものと感じることがあります。全体的に見ればそうなのかもしれませんが、悩んでいる方も少なくないも現実。技術的な要素が非常に強いと同時に、感性だけでは成り立たたない Web デザインにおいて、自分とは違う分野の方とのコミュニケーションは永遠の課題といえるでしょう。良いデザインを作り出すためには、どのようなことに気をつければ良いでしょうか。 以前執筆した「建設的な会話をするために気をつけておきたいこと [http://www.yasuhisa.com/could/article/constructive-feedback/] 」も似たようなトピックを扱っているので興味がある方はどうぞ。 開発者になる もちろん本職として仕事にしろという意味ではありません。Perl でも PHP でも Ruby でも何でも良いので、簡単なプログラムを作ることで彼等がどのような考えでモノを作り上げているのか分かります。開発者の声を聞いたり、書籍を読むのも手段ではありますが、体験することが最も効果

Twitter

ブログの価値を再確認する時期

今、ソーシャルメディアに参入しようとか、Twitter はスゴいと言った話があります。それもあってブログはもう終わった、次はソーシャルメディアと飛躍した発想も見かけるようになりました。Twitterでも紹介しましたが、現在 Twitter 内だけでもソーシャルメディアエキスパートと名乗る人が16,000人 [http://twitter.com/yhassy/status/7359352975]いるくらいですから、一種のバブルですね。SNS が流行った時期も似たようなフレーズがありましたが、また同じパターンを繰り返しているといったところでしょうか。そんな今だからこそブログを再検討する価値があると思います。 そもそも理解しなければならないことが、ブログは日本で流行りだした 2004 年あたりから、既に過大評価された流行モノだったということです。確かにブログには大きな可能性を秘めていますし、使い方によっては大きな変化になります。しかし、ツールは所詮ツールであってそれ自体が何かしてくれるわけではありません。つまり「ブログが儲かる」というのは簡略し過ぎた表現であり、儲かった理由は「このブログ

CSS

Blueprint CSS と仲良くなるツールあれこれ

ごくたまにですが、自分の本編講演が始まる前に簡単なツールの紹介をすることがあります。小難しいことを話す前にキャッチーな話題に触れて講演に少しでも注目してもらおうと考え、時間がうまく調整出来たときにしています。昨年9月に開催された CSS Nite LP7 [http://www.yasuhisa.com/could/diary/css-nite-lp7/] では、Blueprint [http://www.blueprintcss.org/] という CSS フレームワークを紹介しました。 Blueprintは、様々なレイアウトパターンを class 属性を変更するだけで作ることが出来ます。カラムの数、コンテンツエリアの横幅、ボックスの移動、そしてフォームの作成など手軽に操作が可能です。柔軟性に長けているだけあってコードの量やファイルの分け方が独特なので、納品物として出せない場合がありますが、HTMLでプロトタイプを作りたいという方には良いツールです。 CSS フレームワークと呼ばれるツールセットは他にも幾つかありますが、Blueprintは関連ツールが豊富にあるのが利用するひ

ビジネス

クリエイティブを伝えるためのヒント

Illustration is from H is for Home [http://www.flickr.com/photos/h_is_for_home/2310455009/]仕事を伝えるためのクリエイティブ ここ数年、デザインやクリエイティビティへ注目が集まっています。ものづくりの世界だけでなく、ビジネス戦略や組織論にまでデザイン思考やクリエイティブであることの重要性が強調されています。また、顧客のクリエイティブを利用したマーケティングキャンペーンやサービスも少なくありません。もちろん、中には誤解しているものもあれば非生産的なものもありますが、少なくとも言えることはビジネスの世界でもデザインやクリエイティブの価値は高いということです。 こうした中、私たちは何が出来るでしょうか。作品を単に見せるだけでは、クリエイティブを伝えるには物足りない場合がでてきます。今後、自分たちのクリエイティブを伝える上で、考えておきたい4つの項目があります。 * 作り上げるための道筋 (クリエイティブプロセス) を説明することが出来るか * クライアントが言う「クリエイティブ」の意図を読み解け

コンテンツ

Year in Review 2009

Twitter [http://twitter.com/yhassy] をはじめたことにより、ブログが減ったという話をよく耳にします。私の場合も記事を書く数は去年より減りましたが、個々の記事のボリュームが増えた印象があります。これは、Twitter をはじめとした他の場で軽めのメッセージや記事が書けるようになったことで、この場所がより明確になったからかもしれません。2010年も引き続き、他ではあまり読めない情報を盛り込みながら「有名ではないけど知る人ぞ知るWebデザイナーのサイト」を目指して行きたいですね。 単純にアクセス数だと「UIデザインガイドラインのまとめ [http://www.yasuhisa.com/could/roundup/ui-design-guidelines/]」や「 今のデザイナーに必要な10のスキル [http://www.yasuhisa.com/could/article/10-skills-designers-need/] 」のようなキャッチーで分かりやすいタイトルの記事が人気ですが、アクセス数が個人的にお気に入りの記事というわけではありません。今年

セミナー

WCANで今後のWebと利用者について話しました

12月19日に WCAN 2009 Winter [http://www.wcan.jp/index.php?ID=269] が名古屋で開催されました。年末はほぼ毎年、スピーカーとして参加させていただいているこのイベント。毎回、1年の総決算みたいな内容でしたが、今回は少々趣向を変えて「 2010年に飛躍するための7つのキーワード」という今のトレンドや人・社会の変化からみる今後について話しました。ちょうど先日行われた CSS Nite Shift3 [http://www.yasuhisa.com/could/diary/shift3/] が似たような内容だったわけですが、そのときの反応や情報収集が役に立ちました。時間が少々長めの 80 分だったこともあり、結果的に 140 枚のスライドと 70サイトの紹介 [http://www.yasuhisa.com/could/roundup/wcan-2009-winter-list/] というボリュームが大きい内容となりました。 今年もかなりの数のサイト・

インターネット

WCAN 2009 Winter で紹介したサイト一覧

12月19日、名古屋で開催された WCAN 2009 Winter [http://www.wcan.jp/index.php?ID=266] では、今年を象徴するサイト、制作においてインスピレーションになるサイト、そして来年の行方を想像させてくれるようなサイトを紹介しました。合計70サイトを駆け足で紹介したので、会場にいる方は少々混乱してしまったかもしれません。以下のリストを参考に今後の勉強に役立ててください。 * Windows 7 UX Guideline [http://msdn.microsoft.com/en-us/library/aa511258.aspx] * Introduction to Apple Human Interface Guidelines [http://developer.apple.com/mac/library/documentation/UserExperience/Conceptual/AppleHIGuidelines/XHIGIntro/XHIGIntro.

プレゼン

Shift3で人と社会の変化について話しました

撮影: 飯田昌之 [http://www.masazo.net/]12月17日に CSS Nite 年末恒例イベント Shift3 [http://cssnite.jp/ginza/vol42/] が開催され、私はそこで「 不景気から学べる今後のサイト制作のありかた」という題名で 10 分間のプレゼンをしました。不況に関しては昨年の Shift2 [http://www.yasuhisa.com/could/diary/shift2-2008/] でも話したので、これで2年連続になります。去年は実感していた方が少なく、ピンと来なかった方もいたと思いますが、今年は直撃した方も多いかと思います。人材派遣会社や就職関連の方と話す機会がありますが、やはり今年に入って Web 関連の仕事が減ってきたと仰っていました(DTPはさらに前だったそうです)。年度末に向けてまた仕事が増えると予測されますが、厳しい状態はまだ続くでしょう。 不況で真っ先に行う対策の中に「予算削減」というのがありますが、実はこれは短期対策であってビジネスの成長を逃す可能性があります。Andrew Razeghi