前回「ピクサーが考えるイノベーションの鍵」で、ピクサー映画のおもしろさの秘密の断片を紹介しました。ブラッド・バード監督は映画「アイアン・ジャイアント」の成功でピクサーに入った方で、オリジナルメンバーではない方です。スティーブ・ジョブスが彼をスカウトしたそうですが、その理由もトイストーリーシリーズで成功を収めたピクサーがこのままの状態に留まらずイノベーションをし続けるためのの起爆剤としての役目だったとか。結果的に今でも先進的なアニメーションをピクサーは作り続けているわけですから、ジョブスの英断だったといえるかもしれません。 新作「Wall-E」は、「ファインディング・ニモ」を手がけたアンドリュー・スタントンですが、バード流イノベーションが受け継がれた作品に仕上がっているそうです。Animation World Magazine というアニメーションに特化したウェブマガジンで「Hello, WALL-E!: Pixar Reaches for the Stars」という「Wall-E」を扱った記事が掲載されています。この記事を読んでいるだけでも刺激を受けますよ。 今までの作り方を根底から覆す 今回の映画での注目は、なんといってもほとんど会話がないという点でしょう。主人公がロボットというだけあって、ジェスチャーによるインタラクションが多いです。映画でストーリーを語るにおいて、