未来

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UI

ジェネレーティブUIデザインが作り方を変える

デザインツールのもうひとつの未来 「次世代デザインツールはどこへ向かうのか(後編)」で、デザインプロセスはよりチームスポーツのようになると書きました。デザインツールはより開発との連携がしやすくなり、より実装を考慮したデザインがしやすくなるのでは?と仮説しました。しかし、デザインと実装の溝がなくなることだけがデザインツールの未来の姿ではないと思います。 デザインツールにあるもうひとつの可能性が、ジェネレーティブデザイン(generative design)です。 ここでいう『ジェネレーティブ』とは、コンピューターアルゴリズムで何かを生成・構築するもの。ジェネレーティブアートであれば随分昔からあります。例えば Gerg Nees の Computergrafik は、コンピューターアルゴリズムによって作られたグラフィックアートを 1965 年に発表しています。最近だと Processing のようなグラフィックに特化したプログラミング言語が登場したことで、敷居が少しずつ下がってきたと思います。 デザインの世界で注目なのは、図面作成 (CAD) ソフトウェアの AutoCAD を開発している Autodesk の Generative Design

仕事

AIとデザイナーの関係をポジティブに考えてみた

本当に脅威だけなのか 既に来ている機械化の波とデザイナーができることで、私たちが使っているデザインツールにも AI が使われていることを紹介しました。2017 年版の Photoshop には人工知能を活用した機能が実装される噂もあります。デザイナーが人工知能と一緒に働くことは、遠い未来ではなく、今起こっていることと言えるでしょう。 AI や機械学習は、仕事を奪う脅威と言われています。これから 20 年間でおよそ半分の仕事が AI によって入れ替わるという話もありますし、クリエイティブの仕事だから絶対安全とは言えません。特にただ作るだけという製造業に近いデザインワークは減少することになるでしょう。コーディングもそうで、pix2code のようにスクリーンショットからコードを生成する技術もでてきています。 「作る」という行為をデザイナーの仕事と定義してしまうと、先は明るくないかもしれません。しかし、作るだけがデザイナーの仕事ではないはずです。特に私が AI や機械学習に注目しているのは、デザインプロセスにある「発見」「模索」が劇的に改善される可能性がある点です。 無数の可能性を考える 今まで手作業でやっていたことを機械化することで、膨大な量のコンテンツを作り出すことができるようになっています。例えばゲームの世界では、Procedural generation(自動生成・

未来

AIがデザインの仕事を拡張する理由

対立ではなく協働 最近の AI の話題は「人から仕事を奪う」という文脈で語られることが多いです。デザインの世界も例外ではなく、人の代わりに作ってくれるサービスが幾つか出てきていることから、そう考える人は少なくありません。Web サイトのレイアウトを AI の力を借りて自動的に作ってくれる Grid。最近だと Wix がサイト制作に AI を導入したと発表しました。また、Tailor のように、幾つかの質問に答えたら、適したデザインパターンを出してくれるサービスもあります。作ることだけがデザイナーの仕事ではないと言われて久しいですが、AI の発展により、ますますそれが現実的なものになりました。 クリエイティブの世界でも機械化・自動化は当たり前になりつつあります。10 年以上前だと、機械によって生成されたコードは汚くて使い物にならなかったわけですが、今だと経験の浅いコーダーに任せるより良いものが作られることがあります。複雑なレイアウトで構成されたレスポンシブ Web サイトもPageCloud を使えば、コードを触らずとも難なく作れるわけです。 ここで紹介したツールはほんの一部ですし、半年後にはさらに便利なツールが増えているはずです。私もコーディングをバリバリしていた頃は「人の手を使わないと無理」と思っていたわけですが、

UI

AIの進化から学ぶ会話型UIの課題

UIを考える前に本質を探る 人と情報の関係が会話(チャット)のようになることに伴い、コンテンツだけでなく UI デザインも、会話の中でどのように表示すると適切なのか考える必要があります。会話型になる UI デザインについて2年前に記事にしましたが、今は状況が大きく異なります。 自然言語が使えるチャットボット「ELIZA」は 1960年代に開発されました。 Facebook Messenger はボットの開発やコンテンツの最適化ができるプラットフォームを発表していますし、Slack Bots は開発者にとって馴染みの深いものになっています。 また、友人のように振る舞うことができる Xiaoice(微软小冰)も多くの方に利用されるようになりました。Xiaoice は、昨年 WeChat でリリースされて以来、数百万のフォロワーがいる人気ボット。同じ技術が採用されているりんなは、 LINE で楽しむことができます。ボットが友達と呼べる日は遠い未来の話ではありません。 チャットは友人・知人と会話をするためだけでなく、サービス利用の形状になりつつあります。ボットからのアドバイスをもらいながらショッピングができる Fify。今晩の宿泊地が探せる HotelTonight

UI

すべてがUIになるVRの世界

先日、報道を VR で楽しむ NYT VR を試してみました。VR はゲームをはじめとしたエンターテイメント性の高い分野で注目されていましたが、 NYT VR はジャーナリズムからのアプローチだったので新鮮でした。これは仮想空間だと分かっていても、次第に世界に没頭してしまい、現実と仮想の境目が曖昧になる感覚は VR 体験ならではです。 スマートウォッチをはじめとしたウェアラブルや IoT の登場によって、従来のような GUI を前提としたインタラクションデザインではなく、No GUI のデザインが注目され始めています。すべてをボタンのような操作 UI で表現するのではなく、音声、触感、行動でインプット・アウトプットすることがありえます。しかし、VR を体験していると、No GUI とは別に、Everything UI という世界もありえると思い始めてきました。Everything UI

アクセシビリティ

次世代Webはブラウザの外にある

10月18日、法政大学にて次世代 Web カンファレンスが開催されました。Web に関わる技術について徹底的に話し合うイベント。セッションすべてディスカッションで勉強会というより話を聞きに行くというニュアンスが近いかもしれません。8 月に UX をテーマに議論する会を開きましたが、今年はこうした『会話』を軸にしたイベントに興味を惹かれます。 今回は、「デザイニングWebアクセシビリティ」の著者である太田良典さん(@bakera)、RDFの専門家でありコントラバス演奏者である神崎正英さん(@_masaka)と Webアクセシビリティをテーマに 1 時間ほど話をしました。私は Web アクセシビティの専門家ではありませんが、株式会社インフォアクシアの 植木真さんとのポッドキャストがキッカケで呼んでいただきました。3 者異なる視点から、Web アクセシビリティの現在と未来について話し合いました。 セッションの様子は Togetter のほうにまとまっています。 見えてないから発生する理解の溝 様々な話題が飛び交った Web アクセシビリティセッションでしたが、まとめると下図のようになると思います。 Web アクセシビリティにおいてヒューマンリーダブル(人が理解できること)

デザイン

デザイナーであればウェアラブルを今持つべき理由

まず体感せよ 一昨年くらいから Jawbone UP や、Android のスマートウォッチなど、幾つかのウェアラブルを試しています。先月発売された、Apple Watch もしばらく使い続けています。「これで生活が変わりました!」と言えるほどの劇的な変化はないものの、発見や気づきがあります。 まだ購入を悩んでいる方がいると思いますが、デザイナーであれば何でも良いのでウェアラブルを今から付けて生活をしたほうが良いと思います。 もちろん今のウェアラブル市場は『幼少期』と同じようなものです。パフォーマンスも良くないですし、デバイスにインストールするアプリも「なぜか分からないけど、違う」という感覚を得ることになるでしょう。スマートフォンと似たような構造や操作感を、スマートウォッチ用に小さくしただけのアプリもたくさんあります。スマートフォンという小さなスクリーンを考慮されたシンプルなインターフェイスですら、ウォッチでは煩わしいと感じるかもしれません。 所有者数も少なく、使えるアプリも多くないなら買う必要はないと考えるのは当然です。しかし、『幼少期』からスマートウォッチをはじめとしたウェアラブルがもつデザインの課題や機会を探ることで、一般の方が使い出す『成長期』に備えることができると思います。スマートフォンのデザインが独特であったと同じように、ウェアラブルのデザインも従来の感覚が通用しないところが幾つかあります。それは、書籍や記事を読み漁るより、体感したほうが理解しやすいです。 ウェアラブルを付け始めることで考えやすくなるデザインの課題は 3

未来

dConstructで学んだWebの仕事に関わる責任

先週はイギリス、ブライトンを訪問していました。目的は dConstruct へ参加するためです。 あまり日本では知られていないイベントですが、今年で 10 年目になる Web と未来をテーマにした老舗カンファレンス。イベント開始当初は Web サイト制作寄りのテーマが多かったですが、ここ数年にかけてスケールが大きくなった印象があります。今年は「ネットワークに住むわたしたち」をテーマに、作家、キュレーター、プログラマーなど幅広い分野の方々が、Web の過去・現在・未来を語りました。 ※ オーディオは MP3 でダウンロードすることができます。 難しいけど背けられないテーマ 長引く不景気、増え続ける監視カメラ、デヴィッド・キャメロン現英国首相への不信感 … こうしたイギリスの背景からなのか、政治色が強い内容が所々に見られました(とはいっても左右いずれかに寄った内容ではありませんが)。明るい Web の未来を築いていこうというより、知らぬ間にすぐそこまで来ているディストピアな未来への警告、そしてそこで我々が何ができるのかといった少し暗めなテーマもあったと思います。 プライバシーはどこへ向かっているのでしょうか。 セキュリティはどうでしょうか。

UI

カードUIと会話化するデザイン

LINE, WhatsApp, Facebook Message のようなメッセージアプリの魅力のひとつに「情報の流れが制御できる」ところがあると思います。1対1の会話が中心なので、ノイズが少ないですし、情報を追いかけるのも容易です。Jelly のように、メッセージアプリのような表現がメッセージアプリ以外で見られるようになってきているのも、今の利用者に求めらている情報の形だからなのかもしれません。 今、UI デザインという観点で注目しているのは、この『メッセージ型 UI』で、どのような形状が人と情報とのやりとりに最適なのかをよく考えています。メッセージアプリだからといって、写真やテキストを送り合うチャットだけのために使うわけではありません。オススメのお店、地図、記事、レシピ、レビューなど様々なコンテンツが会話の中で共有されますが、それが最適な形で表示されているのかというと、そうではありません。今、メッセージアプリで共有される情報は以下のいずれかの形状をとっています。 多くの場合は URL。マシンリーダブルだが、人の会話の場には適した形状ではない OGP や、Schema を利用したプレビュー Pins のように、

モバイル

モバイルがライフスタイルになるための3つの視点

今月の始めに発表された、魔法の AR メガネ Project Glass。未来を感じさせてくれると同時に 広告だらけになるのでは?と考えている方もいると思います。我々ユーザーからのフィードバックを募集しているわけですから、今後どう成長して製品化されるのか楽しみです。 このプロジェクトに関わる Google X のエンジニアが残した以下のメッセージが少し気になりました。 テクノロジーはもっと便利になるべきだと考えている。必要なときにはそこにあり、必要がなければ自ら姿を消す。そんなあり方が理想的だ。 素晴らしい視点ではありますが、今のようにメガネという形が必要でないときに見えない存在になり、人と人とのインタラクション(対話)を助長させるもなのか疑問です。 グラスを付けている人に会ったときに、あなたはどう思うでしょうか。 自分の話に耳を傾けているのか?それとも、グラスに映し出されている情報に意識が向かっているのかもしれないですし、こっそり私の情報を眺めているのかもしれません。 笑顔でこちらを向いている青年は、Twitterでの失言ツイートを読んで笑っているだけなのかもしれません。 グラスを付けている人にとっては、必要なときに必要なテクノロジーや情報を扱うことができる便利な道具かもしれませんが、向き合っている人にとっては、人間関係の間に立ちはだかるテクノロジーになってしまうと思います。その人が何をしているのか、何を見ているのかさえ分からないわけです。 こうしたテクノロジーに寄り添うことによる人間関係の薄まりは、今のスマートフォン社会にもいえます。食事をしていても、常にそこにはスマートフォンがあり、10分ごとにスクリーンをチェックしないと気になってしまう・・・そんな状況は今や珍しくありません。

インターネット

キーワード 2012: Everyscreen(スクリーンワールド)

スクリーンに囲まれた世界 「デジタルとリアルの境目がなくなってきた」「リアルな交流が Web でも出来るようになった」 そんな言葉を耳にするようになった理由のひとつは、Web へアクセスする手段がパソコン以外からでも手軽に出来るようになったから。いつでも何処でもアクセス出来るわけですから、Webを身近に感じるのは当然のことなのかもしれません。スマートフォンだけでなく、iPad や Kindle Fireをはじめとしたタブレット機器も利用され始めたことで、パソコンから Web を見るという行為は過去のものになりつつあります。 Ciscoの調査結果によると、2015年までにモバイル機器のインターネットのデータ送受信量は今の26倍になると言われています。人とのコミュニケーションを主軸にしている Twitter や Facebook でもモバイルからの利用が大きく占めていますし、その数は今後ますます増えるでしょう。 これだけモバイル機器に触れているわけですから、私たちは常にスクリーンと共に生活しているといっても過言ではないでしょう。外の景色より、携帯デバイスに映し出されている光景のほうが『近い』と感じる方もいるでしょうし、そちらのほうがよく見られているかもしれません。 SDKやエミュレーターが配布されています。CES 2012 で大々的に発表された模様。 2011年も既にマルチスクリーンの世界にいるという感覚がありましたが、2012年のスクリーンの数は爆発的に増える可能性があります。タブレットやスマートフォンの数が増えるというのは当然ですが、それだけではありません。 テレビは人とWebの情報が繋がる窓口として Apple も

インターネット

開かれたWebと閉じたWebの間で

先月の WordCamp の講演で、CMS は API のような存在になると話しました。Webサイトに訪れてもらうために情報(ページ)を管理するための CMS から、様々なデバイスやサービスへ配信することを考慮したコンテンツ(データ)を保持する CMS へ変化する。そのためにも、CMS を扱う私たちは Web ページという枠に囚われない設計が必要になるという内容でした。 WordCamp という場だったので、CMS にフォーカスした内容になりましたが、実のところ Web そのものが API になりつつあります。 従来 Web上にある様々なデータを読み込んで、人が理解できるインターフェイスにするのは Web ブラウザの役割でした。パソコンに最初からあったことと、多くの方に使われていたという理由で Web ブラウザという名のアプリで動作する技術が使われ続けていました。 Web ブラウザ上で情報を表示させたり動作させるためには CSS, HTML,

UI

Kinectから始まる新しいインタラクション

既に 1000 万台が販売されていると言われている Microsoft Kinect。コントローラーを持たなくても身体を動かすだけで様々な操作を実現するこのデバイス。USB接続を使用していることもあり、発売開始直後から、PC や Mac に接続をしてハッキングをする方が続出。プログラミングのためのプラグイン・アドオン・ライブラリが続々と登場しました。久々にモノ作り魂に火が付いた方も少なくないと思います。 Kinect と AR を組み合わせたデモ こうした開発者達の草の根活動を禁止することは出来たはずですが、あえてそれをしなかった Microsoft はさすが。先日、公式の SDKがリリースされたことにより、今後さらに Kinect を活用した試みが増えるでしょうし、実際に使えるサービスとしてビジネスを始める方も出るかもしれません。もう Kinect ハックではなく、正式な Kinect 開発になったわけです。 医療、教育、マーケティング、ビジネスなど様々なフィールドで Kinect が活躍する可能性があります。今みることが出来る未来の

未来

Shift4で多次元化する社会と人について話しました

撮影: 飯田昌之 「Web」をキーワードに様々な視点から1年を振り返るイベント「CSS Nite Shift」。 4回目になった今年も引き続き、講演の機会をいただきました。昨年の Shift3では「不景気から学べる今後のサイト制作のありかた」という題名で不景気を切り抜けたビジネスアイデアや視点に注目してどのように今後取り組んでいけば良いかを話しました。社会情勢を理解することが仕事に役立つだけでなく未来へのヒントがみえてくるというのが前回のテーマでした。今年も昨年と同様社会の動きについて語りましたが、Webと私たちの関わり方の変化と、人の価値観やライフスタイルの変化に注目しました。 セッションの題名は「多次元化するWebと今後のWebデザイン」でしたが、そこにでてくる『多次元』とはどういう意味なのでしょか。 物理的に存在する私はひとつしかありません。しかし、私たちはたくさんの『私』をもっていてそれらが同時多発的に様々な場に存在しているだけでなく、場合によってはひとつの『私』が独自の成長を遂げている場合があります。 たくさんの『私』がいるというひとつの例を紹介します。 例えば CSS Nite のようなイベントに参加しているとしましょう。確かに物理的には会場にはいるわけですが、もし Twitter をそのとき利用しているのであれば、私の意識は

セミナー

WCANで今後のWebと利用者について話しました

12月19日に WCAN 2009 Winter が名古屋で開催されました。年末はほぼ毎年、スピーカーとして参加させていただいているこのイベント。毎回、1年の総決算みたいな内容でしたが、今回は少々趣向を変えて「2010年に飛躍するための7つのキーワード」という今のトレンドや人・社会の変化からみる今後について話しました。ちょうど先日行われた CSS Nite Shift3 が似たような内容だったわけですが、そのときの反応や情報収集が役に立ちました。時間が少々長めの 80 分だったこともあり、結果的に 140 枚のスライドと 70サイトの紹介というボリュームが大きい内容となりました。 今年もかなりの数のサイト・文献・記事を読んできましたが、その中から導きだされる今後にも繋がるキーワードは以下の7つではないかと感じています。 OSの多様化 リアルタイム Eco IT トラッキング & アラート 情報の民主化 アウトソーシング 情報のポータブル化 上記に挙げたキーワードは「Webサイト制作」という中で捉えるとピンと来ないのもあります。

UX

Nokiaが考える2015年の未来

Webを利用した共同作業やジェスチャーを利用したコミュニケーションなど、ノキアは UX に注目したサービスやデバイスの模索をここ数年続けています。そのノキアが、今月はじめにフィンランドにて The Way We Live Next 3.0 というカンファレンスを開催しました。そこで、2015年に人々はどのような生活をしているのか幾つか提案をしています。「インテリジェント・デバイス」と呼ばれるネットに常時接続と同期をするデバイスを利用することで人々とシームレスに繋がる構想が描かれています。イメージビデオを見ると、その全体像がなんとなく見えてきますが、ビデオの下にサマリーを書いておきます。 すべてのデータがクラウドに保管される 利用者のデータとクラウドのデータのマッチング 利用者はネットワークで繋がっているので、お互いが自動的に同期 データは特定のサービスに限定されることなくシームレスに表示 国境を越えたサービスの利用とコミュニケーション 異なるデバイスを利用しても自分の設定とデータで利用 特定のグループや人にデータストリーム デバイス間の通信 このカンファレンスで話されたセッション内容はすべて公式サイトの「Materials」というページからダウンロード出来ます。現地のビデオも幾つか公開されているので、興味がある方はぜひご覧ください。

UI

ユーザーが考えるブラウザの未来

Mozilla は去年からコンセプトサイトで未来のウェブの使い方の提案をしています。セミナーでも紹介したことがある、Adaptive Path の Aurora が有名ですね。コンセプトサイトだけでなく、Flickr の mozconcept というタグから、利用者が提案した様々なコンセプトデザインを観覧することが出来ます。 利用者が考えた優秀なコンセプトデザインが見たい方は、Design Challenge: Summer 09 がオススメです。120以上のアイデアが提案されており、モックアップ、スケッチ、ビデオなど説明の方法も様々です。Firefox をベースにしたものが多く、履歴やブックマークの新しい管理方法。タブとは異なる複数同時ブラウジングの可能性を示しているものが人気トピックですね。ここまでやるか!と思えるような作り込みがされているコンセプトも少なくありません。 全体的に、新たな管理作業が加わる印象が多い機能が目につきますね。それがタブであったり、ブックマークのメタ情報であったりと様々ですが、手動であれば使われない機能になるかもしれません。利用者が何もインプットしなくても管理されている必要があるでしょうし、利用者の使い方を学習しれると嬉しいですね。今ブラウジングしているサイトのコンテキストに応じてブックマークバーの内容が変わるとか。 こうしてたくさんの、アイデアが並んでいると「あ、こんなのおもしろくない?」という思いに繋がりますね。たまにモックアップ作っていますが、

未来

IDEOが考える教育の姿

新しいビジネスが必要とされているのと同じように、教育においても21世紀という時代に合った形が必要とされています。教育は常に変化し続けていますし、必要とされていることと言っても様々な視点があります。IDEOの考える未来の教育の姿はどういったものなのでしょうか。「IDEO’s Ten Tips For Creating a 21st–Century Classroom Experience」で10の項目に別けて解説しています。以下に簡単に要約したものをリストアップしてあります。いかにも IDEO らしいリストといったところでしょうか。 押しではなく引く 生徒からたくさんの質問が生まれるような環境をつくる 関連性を持たせる 教えているコンセプトを直接体験し、話し合えるようにする ソフトスキルと呼ぶ時代ではない クリエイティビティやコラボレーションといった従来は『あると良いスキル』と呼ばれていたが、今は『なくてはならないスキル』になってきている バリエーションをもたせる ひとつの法則や答えしかないのではなく様々なアプローチが存在することを知らせる 教壇に立つ賢人は必要ない 先生の役目は答えを教えるエキスパートではなく、学習を助力する存在に変わりつつある 先生はデザイナーである 活発な学習が出来る環境をつくるという意味では先生はデザイナー。教えながら環境が作れるようなガイドをもつことも、最初は管理が難しくても良い結果をもたらす ラーニングコミュニティをつくる ひとりではなく、

UX

アンビエントライフのもつ可能性と課題

未来を思い描くことは、短期的には成果が出ないことかもしれませんが、長期的にデザインやテクノロジーへの理解を深めることが出来る大事なプロセスだと思います。先月行った WebSigのワークショップは、アクティビティとして具体化した一例といえます。未来が描かれたコンセプトワークやビデオをネット上でたくさん見つけることが出来ますが、Freeband Communicationというオランダにあるリサーチプログラムが制作した The Ambient Life というビデオは最近見つけた中でおもしろいなと思った作品のひとつです。 アンビエントライフで提案されている様々なシーンで共通しているのが、人からのインタラクションは限りなく少ないという点です。ボタンを押すというアクションはあるものの、押した後に行われるデータのインタラクションはすべてシステムが行っています。人からシステムというより、システムが自ら人や環境にインタラクションをしているように見えます。システムが認識したデータが、他のシステムと情報交換が行われ、結果的に人へフィードバックされる流れがあります。必要なときに自然な成り行きで人の周りに現れるスマートなシステムが「アンビエントライフ」なのかもしれません。 あまりこの路線を突き進め過ぎると、システムが人をコントロールしているような気にもなりますね。偶然の出会いと思った物事も実はシステムが提示しているに過ぎないとか・・・。しかし、ある程度の自動化や、なるべく自然な形で情報を提示するというのは、今ウェブサイトデザインだけでなく、ハイテクデバイスにある課題ではあります。人の生活や仕事へのちょっとした演出をどう見せるかなのかなぁ。

セミナー

WebSigで語ったセマンティックウェブの未来

先日 WebSig 24/7 で、「あなたが創るセマンティックウェブ」という題名で講演しました。RDF や Ontology といった専門的な言葉をほとんど使わないで、セマンティックウェブを啓蒙するという少し変わった視点で話をしました。個人的には、いかに技術的な側面を前に出さずにテクノロジーや未来を語るのに興味があったので良い機会でした。 このアプローチは「技術は重要ではない」という意味ではありません。技術もデザインも前面に出て自己主張するのではなく、根底を支える重要な部分です。技術、デザインを考慮することはむしろあたり前でそれらを無視して話をするのはナンセンスです。しかし根底だからこそ、いかに見せずに魅了させるのが、何かを啓蒙するときに必要なアプローチだと思います。たとえそれが専門用語が分かる同業者であったとしても、ただ聞かせるのではなく見せて表現することによってより伝わりやすくなります。 プログラマーはソースコードを公開することでウェブやコミュニティに貢献しているのと同じようにデザイナーはモックアップやアイデアを公開していくことで貢献出来ると思います。セミナーに続くという形で行われたワークショップは、それを体現したものといえます。多くの方達が参加してひとつのことに取り組むことで、様々なアイデアが生まれるだけでなく課題も見えてきます。アイデアを出し合ってまた洗練させるというプロセスを繰り返すことで初めて見えることも少なくありません。ワークショップやウェブ上で WebSig であったようなアイデアの交換が出来たら良いな。 現状維持するためのノウハウも仕事をしていく上で重要なことですが、ウェブという未来を作っている仕事についている訳ですから、未来に向けたディスカッションや情報交換は必要だと思いますし、ますます重要になってくるのではないかと考えています。 何事にもいえることですが、セマンティックウェブは良いとばかりではありません。セマンティックウェブが普及することによる課題もあります。セマンティックウェブがもたらす光と闇をバランス良く描き疑問を投げかけている例として、4年前にネット上で話題になった

テクノロジー

デスクトップを超えたOS: itsme

デスクトップのメタファを使ったファイルシステムが不適切な状態になってきていると言われて久しいですが、現状は変わることなく使われています。個人的に Mac OSX は未だに従来のメタファを使っているものの、徐々にそこから離れているイメージがあります。必要な気がしても「これ!」というものに出会っていませんが、この難しい課題に挑戦しているのが、イタリアの itsme というプロジェクト。2010年のリリースを目指して Linux ベースのまったく新しい OS を開発しているそうです。 このプロジェクトが興味深いのが、機能ではなく人にフォーカスしてどのようなシステムが必要か模索している点。人の生活は様々なストーリーが密接に絡み合っており、それぞれのストーリーには現場 (venue / 場所・意見・立場) が存在すると仮説。人の体験や状態に応じて柔軟なメタファが必要であると説いています。我々が能動的にアクションを起こすのではなく、状況に応じて適切な情報が表示されるようなイメージです。 複雑化する情報をどのように整理して円滑にするかという課題は先日のセミナーでも話しました。情報が我々をコントロールするのではなく、我々が情報をコントロール出来る立場になるためにも、ただ単にツールを使うだけでは不十分です。今のようにいろいろ工夫してがんばるのではなく、システムそのものが複雑な情報社会を管理するための補助が出来れば良いですね。 現在、itsme ではスクリーンショットなど具体的に内容が分かるものがなく、どのような解決策を見出すのか不透明です。ただ、OSだけでなくハードウェアまで開発するみたいですし、Vista

ビジネス

電子マネーがソーシャルになる日

電子マネーといってもネット決済に使われるものから、携帯電話で利用するものまで様々。さらにお店でもらえるポイントも加えると、現金以外の財産が本当にたくさんあるなと思います。日本は携帯電話に Edy や Suica が実装されていることもあり、海外に比べると電子マネーは身近な存在なのかもしれません。都内に住んでいれば携帯電話だけで済む場合もありますが、電子マネーやポイントは年々種類が増えており、財布の中はカードであふれかえって管理が出来ない状態になっています。お金の本来の役目である製品やサービスを購入するという『機能』も限定的なものになっているような気がします。 Intel が運営している People and Practices Research Group では、この問題に取り組んでおり、幾つかの可能性を模索しています。「Digitalization is changing money」というブログエントリーで未来のお金に考えられる2つの可能性について紹介しています。また、それらの可能性が実現したときのライフスタイルが分かるビデオも公開しています。 様々な電子マネーやポイントがありますが、すべての人が使えるベストソリューションはありません。何がベストなのかは個人のライフスタイルによって変わるので、サービスプロバイダーがライフスタイルを強要することは出来ません。すべてのサービスを統合することは現実的ではないですし、電子マネーだからこそ選択の余地があったほうが良いなと思います。ただ、電子マネーを人から人へ、サービスからサービスへの移行が不便なく出来るようなフレームワークがあると良いですね。様々なサービスを選んで使える環境は欲しいところ。

アイデア

未来の本はどんなのかな

本には独特の魅力があります。年々買う数は減ってきているものの、所有したいと思わせる魅力のある本はたくさんあります。本を買う機会は減ってきていますが、本の数は常に増えて続けているような気がします。技術書は同じトピックでも幾つか新刊で出ていますし、新書のほうにはブログネタのような題名を幾つか見かけるときがあります。雑誌も同様のことが言えますが。 どれが本にふさわしいかどうかは分かりませんが、このまま作る本を増やし続けるのが本の未来のようには思えません。若い世代になればなるほどスクリーン上で情報を収集したり、長い文章を読む傾向にあります。オンラインで読んだほうが効果的かつ分かりやすい場合も少なくないからでしょう。スクリーン上での文字も良くなってきていますし、Kindle をはじめ電子ブックのためのビジネスモデルも出てきています。 もちろん本がなくなるとは思いません。書籍は何世紀も存在していて愛用されているわけですから、これからも変わらず本は愛される存在でしょう。むしろ、その情報が本である必要があるものがを改めて考えて作ることが重要なのかなと思います。ウェブの特性を理解してウェブサイトを作るように、本の長所と短所を理解して質の高い本を作ることがひとつの未来なのかなと感じています。以下に本の長所と短所をリストアップしてみました。 長所 触感 所有感 持ち運びやすい 長時間じっくり読める 買いやすい 長文は読みやすい 編集されている 短所 検索出来ない ハイパーリンクなし 固定バージョン 流通の限界 直線構造 トピックの固定 長く本と付き合ってきた人間だからこそ、触感や所有感は魅力的な部分ですし、これが本を買う理由になっている場合もあります。そして、この2

テクノロジー

2020年のヒューマンインタラクション

コンピュータと人間の関わりはここ10年で急激に変わってきています。10年前は1人に対しパソコンという 1台のコンピュータがあるだけでしたが、今はそれだけでなく携帯電話をはじめとした小さなコンピュータを 2,3台持つようになっています。そしてこれからはさらに多くのコンピュータを1人の人間が扱う社会になると言われています。 その一例がもうすぐお目見えする Microsoft のSurface でしょう。携帯電話を置くだけで、自分に関連した情報とインタラクションすることが可能になります。つまりキオスクのように単に情報が一方的に流れているコンピュータでなく、いつでも何処でもどのデバイスでも簡単なインプット(Surfaceでは携帯電話を置くだけ)で自分のデータにアクセス出来るようになるわけです。ときにはWebと接続されたコンピュータの可能性もあるので、写真屋にあるデジタルプリントのキオスクも将来的には Flickr や Picasa から直接プリントなんて可能性も出てくるでしょう。 将来は「インターフェイス」と「ユーザー」を別けて考えるのが難しくなるくらい、お互いの関係が近く複雑になってくるのではないかと言われています。BBC News の記事「Computers to merge with humans」はそれを予感させる内容です。2020年にはコンピュータと人間を取り巻く社会は今と大きく異なると言われています。 Surface を開発したマイクロソフトが HCI