Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

デザイン

指標を見つけるための3つの質問

まずビジネスを知る プロには敵わないものの、デザイナー自ら Web 解析をする理由は、Web解析士が見ている部分がデザイナーが見たいデータと異なる場合があるからです。もちろんページビュー、滞在時間、コンバージョン率といった共通する指標項目はありますが、それらの解釈の仕方や、測定したいディメンションが異なる場合があります。利用者がどのような道筋を辿ったのかをデータを見ながら想像することは、デザインのインスピレーションになります。 しかし、問題になるのが何を指標値にすれば良いのかを決めるところです。見ることができるデータは膨大にありますし、マーティングとデザインとで指標にしたいポイントが異なることもあります。また、設計している Web サイトによって指標が変わってきますから「これを見ておけば良い」と言えるようなオールマイティな指標も存在しません。 私の場合、以下のことをクライアントと話したり調査をしながら、今のその企業に必要な指標を探すようにしています。 1. 企業・団体のミッションはなにか?何を目指しているか? 2. Webサイトの目的はなにか? 3. そのサイトを通して

コンテンツ

リセットして考えるデザインプロセスが必要な理由

[http://www.yasuhisa.com/could/content/images/wordpress/2015/01/wcan2014_session.jpg] CSS Nite [http://www.yasuhisa.com/could/article/how-to-be-a-superhero/] と同様に、年末恒例になっているのが WCAN Winter [http://wcan.jp/news/report-wcan2014winter.html] 。例年、ビジュアルデザインやコードの書き方など、「作り方・見せ方」をテーマにしたセッションが必ずひとつありましたが、今年は 3 つあるメインセッションがすべて「コンテンツ」をテーマにしていました。200名以上集まる Web サイト制作系のイベントで、全編「コンテンツ」をテーマにして話せたのは、大きな意味があったと思います。 昨年は「

UI

2015年以降のUIデザイン展望

消えるハードとソフトの境界線 Apple Watch のドキュメンテーション [https://developer.apple.com/library/prerelease/ios/documentation/UserExperience/Conceptual/WatchHumanInterfaceGuidelines/] には、以下のような言葉がデザインコンセプトとして記載されています。 > Even the physical border of the Retina display has been considered, resulting in edge-to-edge UI design that effectively renders that border invisible. Thoughtful app design should contribute to this experience of hardware

デザイン

Year in Review 2014

無言語なものを言語化する 2014年は「デザインの言語化」として重要な年だったと思います。昨年くらいから、ようやくフロントエンド側のスタイルガイド作成 [http://www.yasuhisa.com/could/article/frontend-styleguide/] が注目されたことで、デザインをいかに柔軟で拡張しやすいものを作れば良いのかという話がしやすくなりました。しかし、コードだけでなくビジュアルや感覚のところまで共有するツールを揃えなければ、本当の意味でデザインの拡張性は望めません。 緊急時にデザインが崩れる [http://www.yasuhisa.com/could/article/why-design-goes-wrong/] のは、特定のデザイナー(又は制作会社)にデザインをすべて任せてしまっている可能性があります。これでは、Web サイトはいつまでもチラシのような存在から抜け出すことができませんし、運営という考えも根付かないでしょう。 デザイナーの手を借りなくても、ある一定の水準を保ちながらデザインされたコンテツを出し続けることが運営での大きな課題です。今年は

UX

あなたのUXに必要となる視覚化と批評

ニュアンスを浸透させる2つのフェイズ 昨年の Advent Calendar の記事 [http://www.yasuhisa.com/could/article/mysterious-ux/] でも指摘しましたが、UX は「分かる人には分かる。分かっている人と分かっていると思うことが心地いい」という雰囲気がどことなく感じることがあります。何人かのデザイナーに UX の話を持ちかけても「話しにくい」「避けたい」という声も出てくるわけですから、学びたい人へ向けた UX はこれからなのかもしれません。 しかしながら、私の中で UX を学ぶために必要なのは「利用者体験とは?」ということを探求することではなく、「良い体験」というボヤけたニュアンスをどうしたら相手に伝わるのかを考えることだと思います。そのために ペルソナ [http://www.yasuhisa.com/could/article/whats-important-for-persona/]や カスタマージャーニーマップ [http://www.yasuhisa.com/

デザイン

Webのスーパーヒーローになる方法

撮影:飯田昌之 今年で Web は 25 歳 [http://www.webat25.org/]になりました。 Web は人類に大きな変化をもたらした革命的な技術です。誰でも情報発信ができるようになったのも、膨大な量の知識や考え方を共有できるのようになったのも、すべて Web があってこそです。そして、Web のもつ可能性をひとりでも多くの方に体感してもらうのが、私たちの仕事です。 これは、デザイナーはとてつもない力を持っていることを意味しています。人々を幸せにするのも、ストレスを与えるのもデザイナーの作り方で決まりますし、時には人の考え方を変えることもできます。この記事の題名にもなっている「スーパーヒーロー」とは、デザイナーひとりひとりを指しています。 とてつもない力を持っているからこそ、私たちは責任をもって力を使わなければいけません。また、クライアントやプロジェクトメンバーに向けて、その力をどのようにすれば正しく使えるのかを伝えなければいけません。 > 大いなる力には大いなる責任が伴う “With great power comes great responsibility

コンテンツ

ポストCMS時代のコンテンツ管理

従来のCMSは大きすぎる 従来の CMS をつかった Web サイト制作は、様々なレイアウトパターンを制作し、そこに集めてきたコンテンツを表示させるというものでした。コンテンツを MySQL のようなデータベースに格納し、それをアプリケーション側で整理や連携を行い、指定したテンプレートに書き出していきます。コンテンツの格納、操作できるアプリケーション、表示させるテンプレートという 3 つの要素をもつことが CMS の特徴といえるでしょう。 しかし、これらすべてが含まれていることが今後の CMS の姿とは言えなくなってきました。コンテンツ、アプリケーション、テンプレートという Web サイト制作のための要素が、すべてひとつのシステムによって管理されているのは作る側にとって効率的で便利ですが、運営側にとって不都合なことが幾つかあります。 * 別システムへのコンテンツの移行が難しい * 機能追加が必要な場合、CMS向けに独自開発が必要になる * テンプレートも独自開発が必要で、組み込み作業も発生する オールインワンで様々な操作ができる利便性はありますが、ひとつのシステムに監禁

アクセシビリティ

Webアクセシビリティを当たり前にするために

当たり前にしては難しい Webアクセシビリティを考慮し実践することは「当たり前」だと思いますが、その当たり前を実践することが非常に敷居が高い印象があります。仕様や規格を理解して実装しなければならないところから、クライアントのコミュニケーションやワークフローといった仕組みの見直しまで、「当たり前」を実践するために超えなければならない山がたくさんあります。 私たちが「当たり前」という言葉を使うとき、「誰でも同じように考えること・自然にできること」というニュアンスを含めています。そのニュアンスのまま当たり前と思って Web アクセシビリティに取り組もうとしても、目の前にある多くの課題に頭を抱えてしまう人もいると思います。当たり前という言葉と、現実にしなければならないことのギャップが、Webアクセシビリティを難しくしているのかもしれません。 当たり前という言葉が難しさに拍車をかけていることがある Web アクセシビリティ。それでも始めてもらうには、Web アクセシビリティの意味を少し広げて実践することだと考えています。 まずは小さな勝利から JIS規格レベルAAを目指すだけでも簡単な

デザイン

デザインが機械化されても心配しない理由

それって本当にオリジナル? レスポンシブ?フラット?ビデオをつかった背景?CSSアニメーション?ゴーストボタン?いろいろな『トレンド』を見て勉強している間に、すべて導入されている 14ドルのテンプレート [http://themeforest.net/item/frio-one-page-parallax-responsive-template/7298727] をすぐに手に入れることができます。 CMS を活用して情報が更新しやすいレストランサイトを構築したい?専用の WordPress テーマ [http://www.cssigniter.com/ignite/themes/resto] を使えばすぐに完成します。英語だからダメと思うかもしれませんが、UI のローカライズが簡単できるように工夫されているので、使うことを諦めることはありません。 制作者の視点で語られる『オリジナルのデザイン』には、ひとつの矛盾があると思います。最新のデザイン動向を追いかけ、それを実践することが良いデザインに繋がると考えることがありますが、トレンドになる表現はすぐにコモディティ化されていきます。

デザイン

目新しさが解決にならない瞬間

シーズン1 エピソード13より 私のお気に入り番組のひとつである MAD MEN [https://www.amazon.co.jp/dp/B00EI54HAM?tag=could-22&camp=1027&creative=7407&linkCode=as4&creativeASIN=B00EI54HAM&adid=1JFPXTSG87VD6BKXPZ57&] で特に印象に残っているのが、スライド映写機の広告キャンペーンをプレゼンするときのシーン。最新の技術を駆使して作り上げられた映写機ですが、どう売ればいいのか頭を悩ませていたコダックに、主人公のドン・ドレイパーが異なる視点で映写機の意味を問いかけます。 今はどの分野でも技術先行になりがちです。それはアメリカの高度成長期だった 50〜60 年代も同じだったのかもしれません。最新の技術や目新しさが必要と思われがちですが、本当に必要なのは製品(サービス)との個人的なつながりだと思います。 もう 10 年近く前ですが、映画監督

コンテンツ

デザインとコンテンツを繋げて考えるためのアプローチ

11月15日、金沢の WDF [http://wdf.jp/]主催で「UXデザインプロセスを活用したコンテンツの評価方法 [http://wdf.jp/training/ux-workshop.html]」というセミナー&ワークショップを開催しました。今までも何度かワークショップ [http://www.yasuhisa.com/could/article/preparing-for-workshop/]をしてきましたが、いずれも 3 時間くらいで短めでした。ほぼ 1 日つかう長時間のイベントは初めてでしたが、長くなければできない貴重な体験ができました。 決めて進めるプロセスを体感 配信者側が見せたいコンテンツが、利用者が求めている情報であるとは限りません。 カフェのオーナーであれば、内装の美しさや自慢のメニューを全面に見せたいと考えるかもしれません。しかし、サイトを訪れる方にとって必要なのは駐車場があるか、今開いているかどうかといった情報という場合があります。駐車場の有無をトップページの目立つ位置に掲載することが正しいというわけではありませんが、配信者側が考える『良いコンテン

サービス

OmniFocusでできるタスクに埋もれないためのシンプル設定

タスク管理は様々なツールやサービスを転々としていた時期がありましたが、ここ 2, 3 年は OmniFocus [http://www.omnigroup.com/omnifocus] で落ち着いています。私の場合、クライアントのワークフローになるべく合わせて仕事しているので、情報が分散してしまいがちです。そこで OmniFocus でタスクを収集して、整理・処理をするようにしています。デスクトップ版だけでなくiPhone版 [https://itunes.apple.com/jp/app/omnifocus-2-for-iphone/id690305341?mt=8] も購入するとなると、1万円前後の投資が必要になるので気軽に始めることはできませんが、ただ、デスクトップ版には 14 日間の試用期間があるので試してみてはいかがでしょうか。今年出た 2.0 で UI が一新されたのことで、ますます扱いやすくなりました。 OmniFocus をはじめとしたタスク管理アプリの力を発揮させるには、積極的にタスクを放り込むことが重要です。中途半端な導入ではなく、フルコミットすることで、こ

デザイン

重要視されるためのデザイナーの条件

内輪受けは止めにしようではないか LSD LAB で公開されている UIデザイナー不要説 [http://lambda-structure-design.jp/lab/is-ui-designer-really-needed/] は、テクノロジーと付き合うデザイナーであれば一読しておきたい記事のひとつです。私が記事を読んで感じた課題は、 UI デザインが重要視されているかどうかということではなく、果たしてデザイナーは デザインを営業できているか [http://www.yasuhisa.com/could/article/design-talk-feedback/]どうかというところです。 たとえビジネスゴールが共有されていたとしても、デザイナーが考える UI デザインの価値と、それ以外の方が考える UI デザインの価値が異なることがあります。特にデザイナーが考える価値は、内輪受けになりやすいことが多々あるように思えます。デザイナーが「すごく良いよね」「イケてるね」というものは、ほとんどの場合デザイナー以外には理解されません。内輪で分かりやすい言葉や感覚で語りかけても、聞き手は「

コンテンツ

デバイスに囚われないスマートなコンテンツが必要な理由

[http://www.yasuhisa.com/could/content/images/wordpress/2014/11/smart_content.png] たとえ小さな市場を狙ったとしても競争が激しく、せっかく作ったコンテンツはすぐに埋もれてしまいます。また、増え続ける膨大なコンテンツを受け取れる容量をはるかに超えてしまったため、情報の受け皿を小さくしている方もいます。コンテンツ供給は膨れ上がる一方、利用者からの需要が頭打ちしている現在。良いコンテンツを作れば読まれるというわけではないからこそ、前回紹介したような 配信の仕方を工夫する [http://www.yasuhisa.com/could/article/huge-content-little-time/] 必要があります。 しかし、配信を工夫することだけがすべてではありません。コンテンツの設計や作り方を改善することで、狭くなりつつある利用者の窓口へコンテンツを届けることが可能になります。 今だけを見ないコンテンツ制作 昨年のコンテンツワークショップ [http://www.yasuhisa.com/coul

コンテンツ

肥大化するコンテンツ市場で生き残るための対処法

コンテンツ配信はパンク状態 「良いコンテンツ [http://www.yasuhisa.com/could/?s=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%84&x=0&y=0] を配信していきましょう。」 「利用者が必要なのはコンテンツです」 正論ではありますが、難しい課題ですし、ひとつの限界が見えてきています。 良いコンテンツを作ることは言うほど簡単なことではありませんし、配信し続けるとなると至難の業です。質の高いコンテンツを作り続けることができたとしても、それが多くの方へ届くとは限りません。コンテンツを配信していくことが重要視されているものの、日々数万、数億の情報が人々のデバイスに向けて配信されている時代です。 随分昔はブロガー全員をリンク集に並べることができました。そのときはちょっとしたコンテンツでも多くの方に見られましたが、今はそうはいきません。 多くの情報の中から自分たちのコンテンツを見てもらうには、配信戦略を練るのはもちろんですが、コンテンツの質をさらに上げていかなければならなくなります。情報の流れも速いわけですから

ペルソナ

キーワードから導き出す人間像と設計のヒント

SEOも人間中心 Google のパンダアップデート [http://googlewebmastercentral.blogspot.jp/2011/05/more-guidance-on-building-high-quality.html] では「コンテンツの質」が順位に大きな影響を与えます。2011年のリリース以来、コンテンツの質を順位に反映させるための改善が続けられています。SEO を考える上で今でも正しいマークアップや文書の構造化は重要ですが、今まで以上に機械ではなく、人のためにコンテンツをつくるという視点が欠かせなくなります。 つまり、人気がでるコンテンツを作れば良いというわけではなくなることを意味します。当然、一時的にランクを上げることができますし、SEO としても良いことのように見えます。しかし、その人気のあるコンテンツが、自社の製品やサービスとは関係のないものだったとしたらどうでしょうか。パンダアップデートでは、コンテンツの質を「信頼できるかどうか」で判断しています。一時的な人気は、中・長期を見据えた信頼には繋がるとは限りません。これは Google だろうが、

UI

正しくKeynoteでプロトタイプを作るコツ

09より最新版を ChatWorkの社内勉強会 [http://c-note.chatwork.com/post/93858598435/keynote]で、Keynote [https://www.apple.com/jp/mac/keynote/] をプロトタイプ制作に使う方法を共有したことがあります。コード不要な点と、共有が比較的しやすいのでオススメしています。しかし、他のプロトタイプツールと同様、得意・不得意をしっかり理解していないと時間がかかるだけで無意味な作業になることがあります。 古くから Keynote を使っている方は Keynote 09 を好む方がいます。最新版に比べて UI が分かりやすく分類されていたり、AppleScript のサポートが充実していることから、今でも使っている方がいると思います(私も講演時は 09 を使うことがあります)。ただ、プロトタイプを作る際は必ず最新版を使うようにしています。最新版のほうが優れているのは以下の4点です。 0.01秒単位で微調整が可能 Keynote 09 では、スライドショーを再生しなければアニメーションを見

デザイン

「分からない」から始まるデザインプロセス

分からなくて当たり前 デザインの意味がますます広がる今日。ビジネスや街作りに至るまで「デザイン」という言葉が使われているものの、実際に形作るには深い専門知識が必要とされます。 Web サイト制作も、ビジネスモデルやユーザー調査など様々な分野を理解しなければいけないですが、それだけでは完成しません。フロントエンドやサーバーサイドだけでなく、特定のアプリケーションの使い方を熟知することで、「Webサイト」が形作られるわけです。つまり、視野を拡大・縮小を繰り返すことが、デザインの学習、キャリアにおいて欠かすことができないわけです。 こうして書くのは簡単なことですが、実際に視野を拡大・縮小を繰り返して学習・実践するのは難しいです。時間は有限ですし、ゴールをイメージして情報収集 [http://www.yasuhisa.com/could/article/what-you-need-to-know/] したとしても、知ることができことは限られています。デザインの意味が広がり続けると同時に、デザイナーに求められる知識やスキルが深くなってきています。しかし、すべてを知らなければいけないわけで

サービス

Adaptive Path 買収から思う銀行のこと、デザインのこと

米国の金融大手キャピタル・ワンが UX コンサル会社である Adaptive Path を買収 [http://www.adaptivepath.com/ideas/adaptive-path-where-were-going-next/] しました。その2ヶ月前にはモジュール式スマートフォン「Ara [http://www.projectara.com/]」を手がけた Daniel Makoski 氏が同銀行へ移籍しています [http://www.fastcodesign.com/3032630/why-one-of-googles-wildest-designers-left-for-a-bank] 。金融機関という巨大な組織でいかにデザイン思考が広がり、形になるのか今から楽しみです。ひとつの案件としてではなく、組織の一員として内側から変えていくという Adaptive Path のアプローチは、最近の私の仕事の仕方と重なるところがあります。 デジタル化は進んでいるものの、改善余地が数多く残されている大手金融機関。一般企業とは比べものにならないほど、安全性、プライバシー、危機管

デザイン

疲れない情報収集と何を知るべきかを知るためのヒント

何を知るべきなのか分からない 昨年「情報だけでは価値がない時代の学びの姿 [http://www.yasuhisa.com/could/article/learning-in-network/] 」という記事で、流れの速い今の時代における学習との向き合い方について執筆しました。当時、変化し続けるプロセスに自ら身を投じることで学習しやすくなるのではと提案しました。 まずはアウトプットする、そして失敗を恐れず模索できる場を築くことで、体験しながら学習することができます。私の場合、このサイトやポッドキャスト [http://automagic.fm/] は良い実験場になっていますし、仕事にも役立っています。情報をインプットするためのコストが限りなくゼロになった現在。アウトプット(消化 )をすることで情報を知識/スキルに変えていかなければ身にならないどころか、膨大なインプット(情報)によって圧殺されてしまう恐れがあります。 インプットとアウトプットのバランスを保つのが難しい現在。鳥のように食い、象のように糞をしよう [http://www.yasuhisa.com/could/arti

コンテンツ

コンテンツ管理で解決しなければならない課題

コンテンツ管理というと、真っ先に CMS (コンテンツ管理システム)を連想する方はいると思います。どのシステムを導入するか [http://www.yasuhisa.com/could/article/before-implimenting-cms/]を考える前に、そもそも Web におけるコンテンツ管理とは何かを理解しておく必要があります。理解を深めることで、クライアントが抱えている課題と解決のための模索がしやすくなります。 コンテンツを管理するということは、システムの中にデータを保管し、様々な形式に書き出すことだけに留まりせん。多くの場合、システム導入だけでは解決しない課題にぶつかります。CMS を導入しただけでは、Web コンテンツ配信における課題の一部を解決したに過ぎません。 コンテンツ管理で解決しなければならないことは、主に以下の7点です。 コンテンツの保管テキストだけでなく画像や PDF など様々な種類のコンテンツを保管できるような仕組み。検索性が求められるだけでなく、誰がどのコンテンツにアクセスできるのか、権限を割り振ることができる機能が求められます。 一貫性を

コンテンツ

コンテンツ評価をする前にしておきたい質問

質問で変わる調査の仕方 Web解析 [http://www.yasuhisa.com/could/article/data-creative/] は、コンテンツの質を評価するために欠かすことができません。しかし、いきなりデータの海へ飛び込んでも、目的を見失うことがあります。手軽に膨大なデータへアクセスできるようになった今だからこそ、データに触れる前に何を見るのかを明確にしておく必要があります。 コンテンツの評価とは、大まかに言うと「コンテンツがうまく機能しているかどうか 」を調べることです。データを通して、人々はどのようにコンテンツに触れ、どのような体験をしているのかを見出すのが解析の主な目的になります。つまり、何をもって「うまく機能している」「していない」のかを理解した上で、評価しなければいけません。もちろん、アクセス解析だけですべての答えを見つけることはできませんし、並行してユーザー調査もしたほうが良いですが、いずれの場合でも何を評価するのかを事前に理解しておきたいところ。 アクセス解析において、ページビューや滞在時間はよく取り上げられる指標ですが、サイトの種類によって適し

コンテンツ

コンテンツから先に考えなければデザインすらできない理由

ワイヤーフレームの間違った使い方 たまにリニューアル案件をいただくときがありますが、見た目より先にコンテンツを整理しましょう、一緒に作っていきましょうと説得するようにしています。このサイトでも様々な角度から コンテンツの重要性 [http://www.yasuhisa.com/could/tag/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%84/] を語ってきましたが、最もシンプルな方法は「UX を考えていきましょう」「モバイルファーストで戦略を練っていきましょう」といった専門性の高い言葉を使うのではなく、今までのやり方ではうまくいかないということを分かりやすく説明することです。 従来の Web サイト制作でよくあったのが、まずワイヤーフレームをつくって情報の大まかな構成を設計するというやり方。ワイヤーフレームを作ることは間違っていませんが、コンテンツを作る前に始めてしまうと、あとで大きなギャップを埋める作業が発生することがあります。コンテンツなしで構成を作り始めると、例えば以下のような状況に陥ります。 * 文字が多過ぎて入らない

コンテンツ

Webコンテンツを理解できる人になろう

9月13日に金沢で WDF Vol.15 [http://wdf.jp/vol15/] が開催されました。今回はポッドキャストでおなじみのたにぐちまことさん [http://automagic.fm/post/86903851720/h2o]、神森 勉さん [http://automagic.fm/post/89204549730/momojam-eri-tstudio]、そして初共演になる株式会社キノトロープ [http://www.kinotrope.co.jp/]の生田 昌弘さんとご一緒させていただきました。昨年はコンテンツに関する講演やワークショップをしてきましたが、今年は 1 月以来ストップしていました(最近は デザインプロセスの話が多かったです [http://www.yasuhisa.com/could/article/how-we-talk-about-design/] )。今回は久しぶりのコンテンツ関連の講演ということもあって「コンテンツとはなにか?」という原点に立ち返って話をしました。 「コンテンツ」と言うけど