講演

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仕事

地方で勉強会を企画されている方へ

Webがなければ終わっていた 私は学生から就職までの 10 年間米国で暮らしていましたが、少し車を走らせれば地平線がどこまでも続く田舎町にいました。「これぞアメリカ」みたいな地域で暮らしたことは貴重な経験でしたが、テクノロジーと寄り添う仕事に就きたいと思う人には厳しい場所だったと思います。 Web デザインと呼ばれる分野が生まれたのは私が学生だった頃ですが、当時は先生もどう教えたら良いのか分からず、代わりに私が Dreamweaver の講義とアシスタントをしていました。グラフィックデザインを目指している人ばかりで、同じように web に興味をもっている人は周りにはいませんでしたし、勉強会やミートアップといった人と会う機会もありませんでした。 それでも続けられたのも、web ブラウザを開けば自分より数百倍すごい人が新しいモノを作っている姿を見ることができたから。文字通り森の中で住んでいましたが、常に世界と繋がっていたことが今の仕事ができている理由だと思っています(高速回線を使いたい放題だったのもプラスでしたが)。当時の web は『ニッチな世界』だったこともあって、同じような考えをもった人との交流もしやすく、誰もが次を探す開拓時代のような雰囲気があったと思います。 まだ始まったばかりという新しい分野特有の雰囲気も、孤独感を多少和らげていたのかもしれません。 地域差が出るところと変わらないこと 情報収集であれば東京に居ようが地方で居ようか関係ありません。必要なものは web アクセスができるデバイスひとつだけ。昔より海外の情報も入手しやすいので、本人のやる気次第で情報収集の質を上げることができます。 どうしようもないのが、同じような視点をもった人と出会う機会が圧倒的に少ない点です。私が米国にいて辛かったのがそこですし、

デザインシステム

デザインシステムが作り出す明文化への道

明文化をテーマにしていた2016年 今年の初めデザイン SDK のようなものが欲しいという記事を書きました。開発者から提案されているフロントエンド寄りのスタイルガイドはコードの品質管理と、見た目の再現性を高める上で有効な手段です。しかし、これだとコードを理解していることがスタイルガイドの利用・関与の大前提になります。すべてのデザインがコードから始まるとは限らないですし、デザイナーであれば Sketch や Photoshop といった日々使うツールを活用して最低限の品質を保つ手段が必要になります。 共通言語を作っていく。 これは文字通り言葉だけでなく、UI を始めた視覚的な部分など、今まで好みや感覚で済ませていたこともきちんと言葉にすることも指しています。デザイン批評も共通言語を作り上げるために必要なプロセスです。 建築家クリストファー・アレグザンダーの著書「Pattern Language」で、単語が集まって文章ができるように、様々なパターンを自由に組み合わせることで大きなものが生まれることを学びました。つまり、パズルのピースのような硬いものを作るというより、柔軟性のある言葉を揃えていくことを意味しています。数十年前からある考え方ですが、成長・運用が必要な今のデザインにおいて参考になります(IA に興味があれば、チェックしておきたい書籍です)。 仕事現場で模索しながら、得た知見を活用してセミナーやワークショップを続けていましたが、最近は Salesforce の Lightning Design

アイデア

協働のためのデザイン思考の再構築

2016年9月3日HTML5 Conference 2016が開催されました。1,200 人を超える参加者。6トラック同時進行という巨大イベント。どちらかと言えばエンジニア向けのセッションが多いイベントですが、そういう場だからこそ「ぜひ話したい」と思えたところがあります。 今回「協働のためのデザイン思考の再構築」という題名で話しました。以前からエンジニアとデザイナーとの間をどう繋げるかという課題について話したいという欲求がありました。ただ、こういうトピックはデザイナーばかりの場で話すのは意味ないですし、逆もしかりです。HTML5 Conference 2016 は、デザイントラックもあったことから、両方へリーチするには好都合。幸いエンジニアの方も私のセッションに参加していただいたみたいで、非常に嬉しかったです。 デザインシステムの課題 私は HTML, CSS, JavaScript は書けますし、PHP も多少書けます。コードがある程度分かると、全体構成からではなく部品からデザインするという考え方はスッと入ってきます。スタイルガイドを作りましょうという声も、どちらかと言えばフロントエンド側ですし、世に出回っている CSS フレームワークを見てもコードの理解があることが大前提です。 Atomic Design が

コンテンツ

次へ繋げるためのコンテンツファーストなプロセス

7月2日 Web Creators Kochi 主催で「コンテンツ設計から考えるUXデザイン基礎講座」が開催されました。これは、金沢や高松など数カ所で開催したワークショップのアップデート版。以前はカスタマージャーニーマップを活用して必要なコンテンツを見つけ出すというワークがありましたが、今回はコンテンツインベントリを使うなど、現状を監査しながらニーズを見つけ出すという内容に調整しました。 抽象的なデザイン手法の課題 私は「利用者」と「コンテンツ」は鶏と卵のような関係だと考えています。利用者のことを考えなければ良いコンテンツは作れないですし、良いコンテンツが作れる体制がないまま理想の利用者体験を考えていても仕方ないわけです。 デザインプロセスにおいて、利用者ニーズを調査することは必須。しかし、以下の課題をプロジェクトに関わる人たちと共有できないのであれば、「利用者体験の理想は分かったが、さてどうしよう」ということになります。 ニーズに合うコンテンツはどこにあるのか? それが適切な構造になっているか? ニーズの先にあるものは?具体的な行動になるものか? 正確、かつ十分なコンテンツが用意されているか? 人を理解すること。特に最初は「自分は何も分かっていない」という姿勢で取り組む必要があります。しかし、デザイナーの役割は何かを作ることであり、調査が主な仕事ではありません。つまり、具体的なアクションで繋げるための調査でなければ、理想を語るだけの場になる可能性があります。ここが「

コンテンツ

リニューアルやCMS導入前に解決したいコンテンツの課題

2016年6月25日、仙台市で MTDDC Meetup TOHOKU 2016 が開催されました。本イベントは、Web 解析、パフォーマンス、セキュリティなど「Movable Type」という言葉を一度も聞かないセッションが半分以上占めていました。イベント運用チームに伺ってみたところ、Movable Type を開発している Six Apart も製品に止めず幅広いトピックを扱ってほしいと助言しているそうで、それが講演者のラインナップにも影響しているのかなと思いました。 ツールやプログラミング言語のイベントだと、同じ言葉、同じ趣向をもった人達が集まる傾向があります。コミュニティを育てるという意味で深く学ぶキッカケを作るのは大切なことですが、内向化してしまう恐れもあります。どちらが良いとは言えないですが、新しい人にも興味を持ってもらうためにトピックの幅を特定のツールや言語を超えるのは有効な手段でしょう。 私は「2020年以降を見据えたコンテンツ設計」という題名で、コンテンツデザインを扱った話をしました。MTDDC Meetup TOHOKU 2016 のテーマが「自治体 Web サイト」だったので、地元の自治体

デザインシステム

デザインシステムにあるヒトとコトの課題

今なぜデザインシステムなのか 4月16日 Webridge Kagawa 主催で「パターンラボ – 柔軟性と拡張性をデザインに取り込む方法(#wmsp20)」というワークショップを開催しました。昨年はコンテンツ戦略やペルソナなど企画・設計寄りのワークショップを実施していましたが、パターンラボは少し実装に寄り添ったカリキュラムにしました。ポッドキャストでも話したことがありますが、「考える」と「作る」の間にはちょっとした溝があると思います。ペルソナやカスタマージャーニーマップで利用者像や彼らのもつ課題を視覚化すれば、現実的な実装ができるというわけではありません。実装へ近づけるためには、考える人と作る人が一緒に課題共有するための場が必要と考えています。 例えば Web デザインでは数年前から、パソコンではなくスマートフォンやタブレットをはじめとしたモバイル機器での使いやすさを優先するモバイルファーストという考え方があります。多くの制作者がこの考え方に同意できると思いますが、具体的にどのように進めて作れば良いのかハッキリ分からないという問題が残ります。制作工程を変えるとしても、それをクライアントも含めて説得・理解してもらわなければならないわけですから、「モバイルファーストです」と宣言するだけでは足りないわけです。こうした設計思想や、運営方針といった考え方を、作り方に転換するのが難しい場合があります。 今回のワークショップは数年前から続けているコンテンツ設計の手前、もしくは別アプローチとして捉えています。近年、コンテンツマーケティングという言葉が広がったおかげで、運営すること、それができる体制をつくることの重要性が理解されるようになりました。しかしデザインで同じように「運営できることを」が意識されているのかというと、

仕事

作るだけではないデザイナーの生きる道

職種を超えたデザイナーの集まり 3月20日、浜松市にて DORP INSPIRATION 2016 が開催されました。様々な分野で活躍するデザイナーを対象にしたイベントだけあって、Web デザイナーの来場者数は半分以下。グラフィックデザイナーはもちろん、建築家やインテリアデザイナーの方も参加していました。デザインという限定されたテーマではありますが、様々な分野のデザイナーが集まるイベントは珍しいと思います。 参加者だけでなく、登壇者も多彩な顔ぶれ。オイシイワークスの佐藤実紗さん。書籍「なるほどデザイン」の著者で株式会社コンセントのアートディレクター筒井美希さん、関口 裕さんが登壇しました。デザインという共通項はあるものの、仕事の仕方も、アウトプットするモノも様々。自分の仕事に直結した情報を手に入れることが難しい分、「これは自分の仕事に置き換えると何が言えるのか」といった意識が強くなり、終始頭がフル回転する時間になりました。詳しくは、#dorp2016 をご覧ください。 同業者が集まるセミナーは、実用的かつ即時性のあるノウハウを求められることが多いです。今回は様々なデザイナーが集まったということもあり、Web やアプリに特化すると人が離れてしまうのではと懸念していました。そこで「デザインの会話の仕方」という抽象度の高いトピックを選びましたが、参加者から質問があったり懇親会で議論にもなりました。表層的な情報であれば Web や書籍でいくらでも手にはいる時代ですから、

デザイン

プロトタイプが閉じたデザインを切り開く

12月12日、名古屋にて WCAN 2015 Winter が開催されました。今年はスクリーンが 32:9 という超ワイドスクリーンがある会場でした。今までにないスライドデザインで困難なところが幾つかありましたが、良い経験をさせてもらいました。会場や観客に応じてスライドデザインは工夫していますが、その大切さを改めて痛感したイベントでした。 登壇内容も含め、イベント全体に関するレポートを参加した方々が公開しています。ぜひこちらも参考にしてください。一緒に登壇した佐藤歩さん(@ahomu)の「HTML6 でも CSS4 でもない Web 技術のゆくえ – WCAN 2015 Winter に登壇してきました」も必読です。 WCAN 2015 Winterに参加してきました – LOGzeudon WCAN 2015 Winterに参加しました – focusmark.jp WCAN

デザイン

プロセスから学ぶペルソナ活用法

「ユーザーのためにデザインをする」という言葉はデザインの現場ではよく耳にする言葉ですが、ユーザー像が共有されていないこともあれば、それぞれ異なるニーズやゴールを想像していることがあります。また、ユーザーは「お客様」という少し遠い存在になりがちで、感情移入が難しいことがあります。 ペルソナをつかった共有や活用に興味があるけど、どのように始めたら良いのか分からない人は少なくないと思います。そこで「基礎からはじめるペルソナ活用法」という講座をグロースハックアカデミー主催で開催しました。以前からワークショップでペルソナを扱っていましたが、今回は受講時間すべてペルソナについて深く学べるカリキュラムを組みました。 潜在ニーズや行動が分かるペルソナ ペルソナはユーザーインタビューや Web 解析など様々な調査データを基にして作られます。ワークショップという限られた時間内で本格的なペルソナを作るのは困難です。そこで、2 つのゴールを設定しました。 ひとつは、ワークショップの参加者が、あとで自分たちで同じようにできるようパッケージングすること。短時間でペルソナを作って共有する流れを紹介することで、仕事場で自分たちがワークショップができるようなノウハウを提供しました。精度は低いかもしれませんが、ペルソナ版プロトタイプを作れるようになることで、短時間でユーザー像の共有がしやすくなるのではと考えました。 ペルソナを作成のために様々なデータを参考にするべきですが、参加しやすく短時間で実践できるということで、ユーザーインタビューにフォーカスしました。ユーザーが何を求めているのかといった具体的な要望を聞くのは避け、どのようにサービスや製品に接しているのかを聞き出すように心がけました。 ただ、単にユーザーの要望を聞き出すためのインタビューだと死の製品サイクルに陥ることがあります。彼等の行動や考えの意図を探るための会話ができるのがインタビューをする最大のメリットです。それを基にして作れたペルソナは単なるプロフィールではなく、潜在ニーズや行動が浮き彫りにされているはずです。 感情移入のためのペルソナ ワークショップで築いたもうひとつのゴールは、

UX

UXに関する疑問に答えて気づいたこと

8月8日、クリーク・アンド・リバー社主催のイベント「と、コラボ特別編」で UX をテーマに座談会をしました(#tocolabo)。ポッドキャストで対談したネットイヤーグループ株式会社の坂本貴史さんと参加者といっしょに「UXってなに?」という初歩的でありながらも難しい課題について話し合いました。セミナーでもワークショップでもない、話をするだけのイベントでしたが、参加者の満足度が非常に高い有意義な時間になりました。 上図: webディレクターの阿呆な研究の @azumi0812 さんが、イベントで作ってくださったグラフィックレコーディング 共有できるかどうかが課題 以前、HTML 5 Experts のインタビューで「いま、UXを語るのはなぜ悩ましいのか?」を話したことがあります。仕事環境、クライアント関係、役割に応じて UX という言葉のニュアンスが微妙に違うことがあるので、言葉だけ聞いて決めつけると誤解を生むという内容でした。個人的に UX の定義というのにはそれほど興味をもっていなくて、自分の仕事を反映するような定義をもっていれば、それで良いと思っています。 ただし、チームメンバーやクライアントといった他の方と UX

コンテンツ

コンテンツを見直すための魔法のシートが必要な理由

マーケティングとデザインの共通点 2015年6月27日大阪 Re:Creator’s Kansai 主催のイベント「基礎からきちんとマーケティング」に登壇しました。デザイナーとして働いているのでマーケティングは畑違いのように見えますが、以前からマーケティングを扱った記事をたくさん書いています。カスタマージャーニーマップのようなマーケティングの手法がデザインプロセスの一部として採用されていたり、デザイン思考がマーケティングに取り込まれているなど、共通するところが幾つかあります。 例えば UX を学んでいるうちに行動経済学に興味を持つ方もいるでしょう。行動経済学はデザインにも取り込める興味深い学問ですが、マーケッティングを深く知る上でも役立ちます。デザインとマーケティング両方に興味をもつことは、デザイナーとしてごく自然のことではないでしょうか。人のこと、市場のこと、社会のことを知らないとデザインできないことろが増えてきています。 デザイナー向けのセミナーでマーケティング寄りの話をすることは以前からありましたが、関係性をうまく伝えきれていませんでした。今回のイベントは、Webプロデュース / マーケッターとして活躍しているインターネットストラテジーの角掛健志さんと一緒にできたので、マーケティングとデザインの関係性がより明確になったと思います。 作る前に知るべきこと 今回「課題を導き出す魔法のシートの作り方」と題して講演しました。魔法のシートという目新しいキーワードを入れてありますが、このサイトで以前から紹介している「Content Inventory (コンテンツ・インベントリー)」のことです。スプレッドシートにひたすらデータを入力する作業なので敬遠されていた方もいると思いますし、デザインと関係ないと感じていた方も少なくないと思います。 魔法のシートは、

UX

UXとコンテンツが繋がるワークショップの裏側

2月28日 Webridge Kagawa 主催で「UXデザインプロセスを活用したコンテンツの評価方法 」というセミナー&ワークショップが開催されました。このイベントは金沢と名古屋でも行いましたが、いずれも高い評価をいただきました。先週開催されたイベントでも、実戦にもつかえる手法を学ぶことができたという感想を述べていた参加者が何人かいました。 本イベントは 5 時間という長丁場だけでなく、2回のワークショップがカリキュラムに含まれています(初回の金沢では 6 時間半でした)。今回どうしても外せなかったのがワークショップを二回するという部分。カスタマージャーニーマップを作るだけでなく、実際に活用して欲しいからこそ 2 回のワークが必要となりました。それによりイベントが長時間になり、主催者側のリスクだったと思いますが、ご協力ありがとうございました。 道具は使ってはじめて活きる セミナーで紹介したペルソナやジャーニーマップは、私の中でデザインプロセスを進める手法というより、道具と捉えています。これらがあることでプロセスが進めやすくなりますが、ペルソナやジャーニーマップを作ったことで何か変わることはありません。進めるための道具であって、道具が進める力をもっているわけではないわけです。 ペルソナやジャーニーマップを作るワークショップに参加したことがありますが、なんとなく消化不良になることがあります。ジャーニーマップという名の道具を作っただけであって、それをどう使えば良いのかが明確にならなかったからかもしれません。 もちろん、そうした道具を作るワークショップが意味のない行為だとは思いませんし、まず基本を学習したい方も少なくありません。しかし、作り方を覚えただけではデザインを進めることが出来ないどころか、単なる負荷になることもあります。

プレゼン

自己陶酔にならない、伝わるプレゼンのヒント

2014年11月から2015年1月にかけて、青森で『プロから学ぶ「伝え方」講座』というレクチャーシリーズが開催されました。日本マイクロソフトの春日井良隆さん、西脇資哲さん。株式会社スイッチの鷹野雅弘さんという錚々たるメンバーの中に私も講師として参加させていただきました。私もセミナー・ワークショップは場数をこなしているいますが、他の方々は桁ひとつ違うくらい講演しているベテラン陣。プレッシャーもありましたが、参加者のプレゼンの審査を含めて良い経験になりました。 自分中心になっていないか プレゼンテーションのスライドは SlideShare や Speaker Deck へアクセスすれば、たくさん見ることができます。また、TED のように、動画でしっかりプレゼンテーションを見ることもできるようになりました。セミナーへ足を運ばなくても、情報を得ることができるのが魅力ですが、こうしたサービスには負の影響もあります。 ひとつは、講演者がオンラインで共有することを前提に作ってしまう点。これ自体は悪くありませんが、来場者以外でも分かるようにするあまり、必要としない情報をスライドに盛り込んでしまうことがあります。共有することが先立ってしまい、会場にわざわざ足を運んでいる来場者には適したスライドになっていない場合があります。スライドを朗読しているだけというプレゼンテーションでは伝えたいことも伝わりません。 SlideShareでは講演で使用したスライドではなく、SlideShareで公開することを前提にした独自コンテンツも公開されています。 もうひとつは、プレゼンテーションの目的が『魅せる』になってしまうことがある点。Speaker

コンテンツ

リセットして考えるデザインプロセスが必要な理由

CSS Nite と同様に、年末恒例になっているのが WCAN Winter。例年、ビジュアルデザインやコードの書き方など、「作り方・見せ方」をテーマにしたセッションが必ずひとつありましたが、今年は 3 つあるメインセッションがすべて「コンテンツ」をテーマにしていました。200名以上集まる Web サイト制作系のイベントで、全編「コンテンツ」をテーマにして話せたのは、大きな意味があったと思います。 昨年は「スマホサイトが嫌われる理由と改善方法」と題して、スマホサイトで足りないのはデザインではなく、コンテンツであるという話をしました。当時は、作る前にしっかりサイトの『健康診断』をして、コンテンツをゼロから見直しましょうという内容でした。今回は「なんとなく」を共有する、コンテンツを活かしたデザインプロセスと題して、コンテンツ制作やデザインを進めていく上で、理解・共有しやすくなるように工夫しましょうという事例やデータを紹介しながら話をしました。 私は登壇内容に関する参加者のレポートが幾つか公開されています。 WCAN 2014 Winter

コンテンツ

Webコンテンツを理解できる人になろう

9月13日に金沢で WDF Vol.15 が開催されました。今回はポッドキャストでおなじみのたにぐちまことさん、神森 勉さん、そして初共演になる株式会社キノトロープの生田 昌弘さんとご一緒させていただきました。昨年はコンテンツに関する講演やワークショップをしてきましたが、今年は 1 月以来ストップしていました(最近はデザインプロセスの話が多かったです)。今回は久しぶりのコンテンツ関連の講演ということもあって「コンテンツとはなにか?」という原点に立ち返って話をしました。 「コンテンツ」と言うけど コンテンツとはなにか?と尋ねられたら「訪問者・利用者のためになる情報」と応える方がいると思います。確かに利用者のためでなければいけないわけですが、立場によってニュアンスが異なる場合があります。 PR やプロモーションでは、自分たちをアピールすることで、お客様に商品・サービスの魅力を伝えるということがあります。つまり、自分たちを語ることこそ利用者のためになる情報ということになるわけです。これが行き過ぎると自己主張ファーストということになりますが、逆に訪問者が良いと思うようなコンテンツを続けることが、売り上げやサイトのゴールに直結するとは限りません。 つまり、「良いコンテンツを作りましょう」といった漠然とした表現でプロジェクトを進めると、照準がブレた内容になることがあります。バランスを見つけ、そのプロジェクトに適した「コンテンツ」

デザイン

デザインを決めて進めるために必要なこと

先月は東京、そして今月は大阪 で、クリーク・アンド・リバー社が主催する Web ディレクター向けのセミナーで登壇しました。私自身、Web ディレクターと名乗っていないので、依頼を受けたときは半信半疑でした。しかし、Web ディレクターをはじめとした「作り出す人」にある共通の話題があると考え、登壇を決めました。 点をどのように線にするか ツールの使い方。マークアップの仕方。コードの管理方法。ペルソナの作り方。コンセプトを固めるためのワークショップの仕方 … などなど。こうした行程の中にある『点(作業)』は、書籍や Web でたくさん見つけることができます。どれも重要ですが、行程全体からみたとき、その手法がどのような意味を持っていて、それを基にどうゴールに向かって走れば良いのか見えないことがあります。 点は理解できたけど、それをどう線にしたら良いか分からないわけです。 例えば社内ワークショップをしたとします。 手を動かしたり、同僚とデザインについて語れるので楽しい時間です。そこで、ひとつの「

コンテンツ

今CMSで本当に必要とされているもの

今の CMS の現実 ここ数年で、CMSは劇的に変化しています。 マイクロCMS が注目を集めているのは、その兆候のひとつですが、こうした変化の要因は、従来の CMS では今の利用者に届ける仕組みを作るのが困難だからです。自分の好きなデバイスでアクセスする利用者。より柔軟な表現。どのサービスを経由してアクセスされるか分からない情報経路の複雑化。WordPress, Drupal, Movable Type をはじめ、5 年以上経っている CMS の多くは、パソコン向けの『ページ』や構造に最適化された設計になっていることから、今後登場するかもしれない未知のデバイスやサービスまで見据えたマルチデバイス対応が難しいわけです。 実は、従来からある CMS でも「ページを量産して階層化して整理する」ツールとして利用されていない場合があります。Fast Company では、Drupal を CMS として利用していますが、ページ管理として使っておらず、テキスト・文字・

コンテンツ

嫌われないスマホサイトを作るための第一歩

2013年12月21日に WCAN Winter 2013 が開催されました。CSS Nite Shift と同様、WCAN も毎年招待していただいている年末イベント。今回は「スマホサイトが嫌われる理由と改善方法」と題して講演をしました。今年は全国各地でコンテンツ関連の講演・ワークショップを行ってきましたが、そのダイジェスト版のような内容。『スマホサイト』という制作者であれば身近なキーワードと合わせて話をしました。講演の詳細は 鈴木 健太郎さんの記事 がおすすめです。 コミットしている人が少ない領域 「スマホサイトは嫌われている」というキャッチーな題名を付けましたが、D2Cが 2012 年に行った調査をみても分かるとおり、見た目や使い勝手に不満を抱いている人が高いわけではありません。それより目立つのが、コンテンツ。つまり、欲しい情報が見つからないと感じている人が多い点。つまり、見た目は良いけど中身がないわけです。 制作者が素敵なデザインのサイトを作っても、(クライアントには喜ばれていても)訪問者には喜ばれていないという歯がゆい状態。こうなっている要因は幾つか考えられます。 制作者は「制作」しかコミットしていない(させてもらえない)

コンテンツ

核の共有がデザインやコンテンツ設計に役立つ理由

撮影: 田中舘 一久 10月19日、CSS Nite in SENDAI, Vol.7 が仙台で開催されました。今までありそうでなかった こもり まさあきさんと一緒に講演できました。私と彼の切り口も話し方も異なりますが、共通のメッセージが含まれているなと、勝手に親近感を抱いております。 無言語の言語化 今回は、Webサイトの核をデザインするための最初の一歩 と題して、ニュアンスがなんとなく伝わっているだけのコンセプトを、共有できるように言語化してデザインに繋げていこうという話をしました。最近コンテンツ設計の話が多かったですが、今回はその前にやらなければならないことを中心に掘り下げて解説しました。 誰もが企業・団体の良さを引き出した Web サイトを作りたいと思っています。しかし、「企業・団体の良さ」や「良い Web サイト」の定義があやふやのまま、制作フェイズに入っている場面を見かけることがあります。その結果、流行に流されたり、個人のテイストでデザインが決まったり、「企業の良さをお客様の価値に合わせて見せる」という視点が失われた情報構造になることがあります。コンセプトという無言語を言語化することは、

デザイン

模擬のWebから特性を活かしたWebへ

2013年10月5日に WebSig一日学校 2013 が開催されました。普通のセミナーとは異なり、廃校をリノベーションした独特の会場をつかって Web に関わる様々な分野の方が集まるイベントです。2011年も一日学校で講師をさせていただいたので、2回目の登壇になります。 WebSig一日学校は、毎回視野の広いテーマで開催されることから、日々の仕事にすぐ役立つ情報は少なめです。しかし、仕事にある制約や事情という縛りを一旦抜けて、自由に思考できる場なのが良いなと思っています。今年も1日学校の最後に開催されるワールドカフェに生徒の一員として参加しましたが、ひとりの Web の仕事に携わる人間として平等に語り合えるのは素晴らしいことだと思います。 模擬の時代の終焉 今年は「未来へ繋ぐWeb系デザイン思考」という題名で講演。作るだけでは価値がない時代に、どのように Web をデザインすれば良いのかという『心構え』のような内容です。少しずつ記事にしている WD101 シリーズ で触れた内容を踏まえつつ、Web のプロフェッショナルでしかできないコンテンツ設計について話をしました。 Web だけでなく、多くのメディア媒体は過去の知識やノウハウを模擬することから始めています。 初期のテレビ番組 例えばテレビ。 テレビの特性、テレビが得意なこと、

UX

デザインの決定に役立つビジョンの共有

9月24日 Samurai Startup Island で、久々に短めのプレゼンをしました。トピックは UX という広く浅いテーマということもあり、最初は登壇をお断りしようと思っていました。しかし、スタートアップとして奮闘している人たちと今まであまり接点がなく、他の登壇者の話に興味があったので、参加を決めました。参加者からの質問がたくさん出たパネルディスカッションも含め、よいイベントだったと思います。 作れば良いという時代ではない 昨年「スタートアップとデザインについて」という記事を執筆しました。当時と今では、状況は少し異なるところがあります。国内外問わず、インタラクションデザイン、インターフェイスデザインの質は向上していますし、そこへの投資(時間とお金)をしなければならないという認識も高まっています。 しかし、良いと思われるデザインを『導入』すれば品質向上につながるという誤解は未だに強く残っています。 スタートアップに限ったことではないですが、モノを作る人は、ついつい『なに』に注目しがちです。インターフェイスも、プログラミングも作ることが仕事です。それ故、形作るところに価値が集中してしまいがち。だから、UI デザインの話も「

講演

コンテンツ関連の講演・ワークショップのご紹介2

今月初めに幾つかイベントの紹介をしましたが、東京でもコンテンツ関連の開催が決まりました。 来週 4月23日(火)、クリーク・アンド・リバー様と DTP Transit 様の協力をいただいて緊急開催が決まりました。昨年 11 月よりコンテンツに関わるセミナー&ワークショップを重点的に行っていますが、こちらは番外編のような位置付けになります。 マジカルコンテンツツアー と題して「コンテンツ」関連に話題になっていること、学習しておきたいポイント、制作・運営面で気をつけておきたいところをひととおりすべて紹介します。コンテンツに関わる「なぜ」「なに」という基本からワークフローや UI の話まで、駆け足でお伝えする内容。広く浅いですが、美味しいところをつまみ食いしたいという方には最適です。 アウトラインのようなものが申し込みページに掲載されているので、興味がある方はぜひご覧ください。 なお、先日お伝えした大阪で開催のセミナー&ワークショップ 第12回リクリセミナー「マルチデバイス化のためのコンテンツ戦略」 の受付が開始されました。こちらは6月15日(土)に開催されます。

講演

コンテンツ関連の講演・ワークショップのご紹介

先月の Android Bazaar Conference 2013 Spring を最後に、久々に講演もない静かな日々を過ごしていますが、今月末から忙しくなりそうです。『基礎講座』と名付けて各地で開催していたコンテンツ講座も三回シリーズにすることを決めて準備を進めているところです。まだ東京都内では開催予定を固めていませんが、都外は続々と日程が決まりつつあります。中には募集を開始しているところもあるので、先 3ヶ月の講演予定をお知らせします。お近くの方はぜひ遊びにきてください。 CSS Nite in AOMORI Vol. 7 毎年青森には講演に行っているのですが、CSS Nite で登壇するのは Vol.1 以来になります。今回は「コンテンツ」をテーマにして様々なプロフェッショナルが集まるイベントになっています。私は基調講演なので、詳細は各スピーカー陣にお任せして、スマートフォン以降のビジョンも踏まえたコンテンツ+Web・アプリ制作の話をする予定です。 開催日時:2013年 4月27日(土)13:30〜