見やすいだけでは足りないスライドデザイン プレゼンテーションのスライドは読みやすく、できれば見た目も良くしたいと考える方は少なくないと思います。私もデザイナーの端くれですから、見た目の良いスライドを作ろうとしますが、読みやすい・見やすいのと、伝わることが完全にイコールとは言えません。読みやすい・見やすいプレゼンは、そのときは良かったと思えるものでも、思い出してもらえない場合があります。 SlideShare や Speaker Deck でスライドの共有がしやすくなったことで、スライドを見たら分かるようにすること、共有しやすいコンテンツに仕上げることを意識する方が増えました。しかし、スライドを読めば分かるようにしてしまうと登壇者がわざわざ話す必要性がなくなりますし、来場した方にその場でしか味わえない価値が提供できない場合があります。時間とお金をつかって来場している方に何かを残せないままでは、SlideShare でたくさん共有されたとしても、プレゼンテーションとしては失敗していると思います。 では、漠然とした印象さえ残すことができれば良いのかというと、そうでもありません。私の場合、昔から写真やグラフィックを大きくつかったスライドをデザインすることが多く、来場者に「綺麗なスライドですね」と言われることがよくありました。それは嬉しい反応ではありますが、肝心の内容は思い出してもらえないことがしばしばありました。魅せるという意味でのプレゼンテーションはうまくいっていましたが、何かを伝えるためのプレゼンテーションとしては失敗していたと思います。 しかし、そうした状況も変わり始めています。最近では 1, 2 年前にしたプレゼンテーションを思い出していただけることが増えましたし、