Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

インターネット

ソーシャルメディアの語源から分かる課題

仕事の関係上、聞かない日がないくらい「ソーシャルメディア」という言葉をよく耳にします。しかしその言葉の使われ方に違和感を感じることがありますし、従来のメディア配信と変わらないと感じることもあります。そもそもソーシャルメディアという言葉はいつ使われ始めたのでしょうか? Danah M. Boyd と Nicole B. Ellison が、2007年に発表した「Social Network Sites: Definition, History, and Scholarship [http://jcmc.indiana.edu/vol13/issue1/boyd.ellison.html] 」というSNSに関する文献で始めて「ソーシャルメディア」という言葉が使われたといわれています。以下がその文献でソーシャルメディアという言葉が使われた文章になります。 > Furthermore, as the social media and user-generated content phenomena grew, websites focused on

TV

私が LOST を愛した理由

先週終了したTVシリーズ「LOST」についての記事ですが、ネタばれは書かれていません。記事の内容は全体的なテーマや番組が試みた手法について書かれているので、特定の謎についても説明されていません。ただし、リンク先がネタばれに繋がる場合があるので注意してください。 LOSTを取り巻く神話 LOST [https://www.amazon.co.jp/dp/B002L22FTY?tag=could-22&camp=1027&creative=7407&linkCode=as4&creativeASIN=B002L22FTY&adid=0KZTNK9TSR4D4H93XVY6&] がおもしろい理由のひとつとして数多く存在する象徴的表現にあると思います。John Locke [http://www.lostpedia.com/wiki/John_Locke] や Rousseau [http://www.lostpedia.

google

Google Font API で手軽に始めるフォント遊び

Say Hello to Google Font API昨日開催された WDE ex -vol9 [http://atnd.org/events/3819] (Twitter TL [http://twitter.com/#search?q=%23wdx]) の懇親会で「Google がフォントのホスティングやれば良いじゃないか」という話題が出ていたのですが、朝起きたら Google Font API [https://developers.google.com/fonts/] として現実的なものとなっていました。Web Font をホスティングしているサービスは海外で既に幾つかありますが、ほとんどが JavaScript のコードを貼付ける方法が採用されており、中には body 内に記述しなければならないものもあり、エレガントな方法とはいえませんでした。 今回公開された Google の API

アイデア

Operaのセミナーで感じた今のWebにみる危険性

もう、先週の金曜日になりますが Opera が主催するイベント「Tomorrow’s Web Today [http://my.opera.com/chooseopera-Japan/blog/2010/04/21/tomorrow-s-web-today] 」に参加してきました。Opera 共同創設者である Jon Stephenson von Tetzchner [http://bit.ly/aJsaJU] の話を聞けるということで、大変愉しみにしていました。HTML5 や CSS3 のようなキャッチーなトピックもイベントでは話されていましたが、彼がどう Web の未来をみているのかという部分に興味を引かれました。 昨年 Opera のパネルディスカッション [http://www.yasuhisa.com/could/diary/opera-japan-panel-discussion/] に参加したときにも感じたことですが、Opera

UX

デザインを知るきっかけを作る Design with Intent

イギリスのデザイナー Dab Lockton [http://architectures.danlockton.co.uk/] 氏が中心になって開発された Design with Intent [http://www.danlockton.com/dwi/Main_Page] は、デザインをより深く考えるのに便利なツールキットです。カードがリリースされたのは今月ですが、プロジェクト自体は 2008 年 [http://architectures.danlockton.co.uk/2008/01/05/towards-a-design-with-intent-method-v01/] から続いている長いプロジェクト。何度か形を変えたり、コンテンツが加わって現在の形になりました。 このツールキットはブレインストーミングやアイデアをつくるための材料として作られたそうですが、ひとつひとつ読むだけでも勉強になります。カードサイズであることから文字数も限られているので、英語でもさらっと読める感じ。101枚あるカードは8つのカテゴリ (視点) に分類されています。ダウンロードページ [http:

ビジネス

自由になったWebの情報と広告について

先日、某紙媒体の企業が定期的に開催している勉強会にゲストスピーカーとして参加させていただきました。紙媒体でのビジネスが中心ですが、豊富なコンテンツを揃えた Web サイトを長く運営しているこの企業。去年から社外の方を招いて今後の Web での展開を模索するために勉強会を開いているそうです。Webサイト制作だけでなくマーケティングに近い分野まで広げて講演をすることがあるので、こうした制作に特化しないところで話が出来て非常に有意義でしたが、同時に訪れた企業のビジネスモデルについて知識をもっているわけではないので、どこまで伝えることが出来るか不安でもありました。 勉強会での詳細は紹介出来ませんが、そこで感じたことを書き残しておきます。 自社の領域を示す囲みがないWeb 紙媒体だけではなくテレビにもいえることですが、コンテンツをパッケージング出来ることがひとつの特徴です。コンテンツ配信者側が考える最適なビジュアルと情報の分量をコントールし、そのままの形を視聴者に届けることが出来ます。当然、こうしたパッケージングの概念をもちいて成功している Web サイトは少なくありませんが、利用者と We

UX

機械的に評価をしない私たちだから

私たちは様々なことに対して「よかった」「イマイチだった」と評価することがあります。食べ物や音楽もそうですし、私たちが毎日のように利用する Web サイトもそうです。例えば食べ物を評価するとしましょう。その際、評価で最も重要となる要素は味です。食べ物であるわけですから、味が重要なのは当然ですが、果たして私たちは本当に味だけで食べ物を評価しているのかといえばそうではありません。場合によっては味が評価の際に最も重要な要素ではない場合もあります。 例えば、誰かのホームパーティに誘われたとしましょう。 そのときに出て来きたものは、腕のいいシェフが最高の食材を使って料理した食事にはほど遠いものです。コンビニで買った食べ物の味の方が良かったのかもしれません。しかし私たちはきっとそのホームパーティで食べた食事を「とても美味しかった」と記憶すると思います。 私たちは味だけでなく、どのような場所で誰と一緒に時間を共にして食事をしたのかということも含めて善し悪しを評価します。もしそのホームパーティが、一緒に料理をして自分達でつくったものを食べるという体験も含まれていたら、味は一層良く感じるかもしれません

広告

Webで広告を見せる前に必要なこと

Do we really hate ads? 広告 (バナーやテキスト広告) は Web サイト運営において貴重な収入源のひとつです。しかし、広告を観覧している利用者にとってはあまり好まれていない存在でもあります。AP (Associated Press) では民族誌学の視点からニュースサイト読者の研究 [http://www.niemanlab.org/2010/03/aps-ethnographic-studies-look-for-solutions-to-news-and-ad-fatigue/] を進めていますが、読者は現在の Web における広告の体験に満足しておらず、多くはウンザリしているそうです。しかし、広告そのものを嫌っているというわけではなく自分に関係のある広告であれば見たいと考える方も少なくありません。 こうした結果は AP による調査より以前から言われていることなので驚くことではありません。ビルボードや雑誌や TV の広告のように、今まで自分には関係のない広告をたくさん見てきた私たちが、なぜ Web だとウンザリしてしまうのでしょうか。その理由として、Web

サービス

ロイターが新聞向けに視覚化サービスを開始

部数が減って苦しい状況に置かれている新聞ですが、その新聞に向けて新しいサービスをロイターが提供を開始しました。Reuters Financial Infographics [http://thomsonreuters.com/products_services/media/media_products/news_agency/graphics/reuters_financial_infographics] は、ファイナンスデータを視覚化したものを、新聞社のニーズに合わせて提供するというもの。すべて自動化されているこのサービスは、紙面の大きさに合わせて作成してくれるだけでなく、特定の企業や業種に絞るといったカスタムビューも作ってくれます。印刷にも耐えられる EPS か PDF で、決まった日時にデータが送られるそうです。 以前、執筆した「ウェブらしい新聞サイトのあり方とは [http://www.yasuhisa.com/could/article/web-oriented-newspaper/] 」という記事で、新聞サイトはサービスプロバイダーになるべきだという話をしました。コ

UX

ところで「体験」ってなんですか?

Daniel KahnemanThe riddle of experience vs. memory Using examples from vacations to colonoscopies, Nobel laureate and founder of behavioral economics Daniel Kahneman reveals how our “experiencing selves” and our “remembering selves” perceive happiness differently. This new insight has profound implications for economics, public policy — and our own self-awareness. 「よりよい体験を提供する」 という言葉を耳にすることがありますが、

IA

1991年の資料から学ぶ情報デザインチェックリスト

Web デザインをきっかけに知ることになった方も多いと思いますが、IA (Information Architecture) の歴史は長く 30,40 年ほど遡ることが出来ます。IA と明確に書かれていない書籍でも IA に関わる資料が昔からたくさんあるわけですが、当時はどのようなことが書かれていたのでしょうか。今と変わらないもの、そして今とは違う事柄はあるのでしょうか。Volkside の「17 guidelines for better information architecture…from 1991 [http://www.volkside.com/2010/03/15-guidelines-for-better-information-architecture-from-1991/] 」という記事で Kent L. Norman が執筆した「The Psychology of Menu Selection: Designing Cognitive Control at the Human/Computer

google

価値のあるコンテンツを提供しているかを調べる方法

以前 Google のウェブマスターツール [https://www.google.com/accounts/ServiceLogin?service=sitemaps&hl=ja]を利用して 簡単にコンテンツが最適化されているかを見る方法 [http://www.yasuhisa.com/could/article/google-webmasater-tool/] を紹介しました。自分のサイトがどのようなキーワードを通して露出しているのかを知るのに手軽で便利なツールですが、検索エンジン (Google) からみた視点なので、訪問者全体を表しているわけではありません。そこで Google Analytics [https://www.google.com/analytics/] を利用して、読者がどのコンテンツを好むかを調べることが出来ます。機能が多い Analytics ですが、今回紹介する方法はほんの数分でできます。 Analytics の右側のメニューにある「コンテンツ」から「タイトル別のコンテンツ」を選択すればどのコンテンツが見られているのかを調べることが出来ます。ディフォル

UX

ゲームから学ぶ「おもしろさ」と「ハマる」の秘密

シナリオ < ゲームプレイ 今はゲームと一言でいってもかなり意味が広い時代です。ジャンル、機器、オフライン/オンラインなど分類すればキリがありまません。最近 Web ではソーシャルゲームという人とのコミュニケーションを軸にしたゲームが幾つか出て来ています。日本でも流行しはじめている foursquare [http://foursquare.com/] もその部類に該当します。人気になるゲームは「おもしろい!ハマる!」という言葉で表現されることが多いですが、おもしろいゲームとは一体どういった特徴をもっているのでしょうか。なぜ人はゲームにハマるのでしょうか。 Jesse Schell 氏の著書「The Art of Game Design [http://www.amazon.co.jp/gp/product/0123694965?ie=UTF8&tag=could-22&linkCode=as2&camp=247&

意見

新聞サイトのコンテンツと広告領域

新聞だけではありませんが、雑誌をはじめとした紙媒体メディアではページの一部を広告として販売することによって収入を得ています。Webでもこの手法は流用されており、ページの場所や大きさによって値段が細かく決められています。Webにおけるこうした広告モデルは確立されていますし、すぐにお金が入るだけでなく比較的安定した収益が見込めます。Web サイトを運営するのはタダでは出来ないわけですから、広告はなくてはならない存在です。 しかし、ただ貼付けているだけの広告では読者のサイト利用の邪魔になりかねませんし、だんだん広告が「ないもの」として扱われる場合もあります。現状、日本の新聞サイトではどのように広告が扱われているでしょうか。以下のスクリーンショットは XGA (1024×768) の解像度で撮影したものです。スクリーンショットの下に書かれているパーセントは、表示領域に対して広告がどれくらい占めているかを示しています(ブラウザのボタンや検索フィールドは表示領域に含まれていません)。 朝日新聞: 32.7%日経新聞: 15.5%毎日新聞: 19.6%中日新聞: 27.1%産経新聞: 12.4%

インターネット

情報の流れの変化を意識したウェブ戦略

左にあるスライドは、私がよく講演で使う図です。1つ目のスライドが今まで利用者が Web サイトへアクセスしてたのが、Web サイトの情報が直接利用者のほうに届けられるようになったということを示しています。例えば RSS のような情報をポータブル化出来る技術がそうですし、 Netvibes [http://www.netvibes.com/] のようなマイページと呼ばれる種類のサイトもそうです。 2つ目のスライドは、Web サイトへアクセスしなくても人が集まるところに情報が届けられていることを示しています。そして、その情報が多くの人々によって共有されたり、コミュニケーションのきっかけにもなっています。 Facebook [http://facebook.com]で企業が情報配信しているのがひとつの例でしょう。Compete Inc の調査によれば [http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2010/02/14/BUU51C0AMN.DTL]、Web サイトへのトラフィックは Google より Facebook

デザイン

Webデザインがつまらなく見えてしまう理由

魅力が伝え難いWebデザイン Webデザインを説明するのは非常にやっかいです。このサイトでも何度も取り上げては書き続けていることですが、上手く説明しきれていない部分は少なくありません。 最近よく感じることが Web サイトの魅力を伝えるのは難しいということと、そもそも「魅力・良さ」という部分も人それぞれであるという点です。いろいろな意味が含まれていると思いますが、Web における「魅力・良さ」は、見た目や動きに集約されることが多いです。 ときどき、Webデザイン専門学校の先生とお話をすることがありますが、HTML の勉強をずっとしてても、最終的に出て来る作品がフルFlashということがあるそうです。当然 Flash サイトが魅力的ではないわけはありません。良い Flash サイトもたくさんあります。学生さんが Flash を選んだ気持ちも分かります。パッと見たときの魅力やインパクトは Flash サイトのほうが感じやすいのは事実です。勉強のきっかけは誰か目指したいと思えるロールモデルがいるという場合もありますし、「こんなサイト作りたい」と思える単純な思いからです。見た目がいいものが

UX

UXの定義と私たちの仕事の関係

UXデザイナーと名乗る方にとって、体験という主観的かつ概念的な要素をいかにして測定し、価値を見出すのが課題のひとつです。それについては「 UXの測定項目を考えてみた [http://www.yasuhisa.com/could/article/ux-metrics/] 」という記事で候補になりそうな項目を幾つか挙げて解説しましたが、項目を考える上で常に UX (User Experience) とは何か?という質問に辿り着くのではないでしょうか。UX に興味がある方、又は仕事としている方はそれぞれ自分で UX を定義していると思いますが、明確なラインが引けないですし、すべて自分で出来るというものではないので説明が難しい言葉です。Webデザインより説明が難しいと感じることがあります。 「UX」とひとことで言い表すことが出来るわりには、包括する分野が非常にたくさんあります。UX を作り手、顧客、マーケットなど見る切り口によって違ってきますし、数多く存在するアプローチは分断しているのではなく、密接に入り組んでいます。UX の定義という難しい課題に多くの方々が挑戦しており、UXの視覚化に成功

意見

ウェブらしい新聞サイトのあり方とは

2月24日に「ネット時代のメディアとジャーナリズム [http://www.nikkeidigitalcore.jp/archives/2010/02/post_218.html] 」というオープンフォーラムが開催されました。本当は会場に行くべきでしたが、丁度 Ustream で中継がされていたので視聴させていただくことに。そのときの模様は Twitter の #mf224 [http://twitter.com/#search?q=%23mf224] で追うことが出来ます。パネルディスカッションはフォーラムの題名にもなっているメディアとジャーナリズムだけでなく、ビジネスモデルの話まで広げて議論がされていました。同じ日に日経が 有料のWeb刊サービスの開始 [http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100224/345010/] を発表しているので、こちらも踏まえて依然として存在する Web と紙とのギャップについて整理しておこうと思います。 新聞の価値がコンテンツの価値ではない 新聞はお金で買っていますが、Web にアクセスすれば無料

サービス

今だから出来る新しい紙媒体向けサービス

電子書籍が注目を集める今日ですが、印刷もここ数年間変わり続けています。例えば名刺印刷をみてみるとどうでしょう。年々印刷の質が上がっているのはもちろんですが、値段も下がり続けています。PDF や Illustrator ファイルを Web サイトでアップロードするだけで作業が終わるなんて数年前では想像しにくかったですが、今や当たり前です。 紙媒体は Web に比べるとスケーリングに乏しいです。ユーザー (読者) が増えるとその分印刷コストがかかります。初版でたくさん印刷出来ればコストを落とすことが出来ますが、なかなかそうはいきませんし、印刷の回数が増えればその分コストが嵩みます。しかし、ニッチな市場ではどうでしょうか。ある程度、読者数が想定出来るのであればコストを抑えつつ利益を上げることが出来るかもしれません。一昔であれば、紙媒体をもつにはそれなりに資金と印刷ボリュームを必要としましたが、近年の印刷コストの低下に伴い、ニッチな市場に向けた新しいビジネスも生まれています。 自己出版・制作サービスの老舗といえば Lulu [http://www.lulu.com/] というサービスがあ

マーケティング

オリンピックとソーシャルメディアの密接な関係

スーパーボールのCMは1億人に見られる巨大なテレビイベントですが、コカコーラによると同時期にオンラインで連動広告を見た方は5億人にものぼった [http://www.usatoday.com/money/advertising/2010-02-12-olysocial12_ST_N.htm] そうです。コカコーラはFacebookを活用 [http://www.facebook.com/cocacola]しているブランドとして知られていますし、 Espedition 206 [http://www.expedition206.com/] のようなソーシャルメディアを利用したマーケティングを得意としています。今回の結果は Web 上でのコミュニケーション経験が豊富なコカコーラだからといえるかもしれませんが、TVをはじめとした媒体を利用することでオンラインで多大な影響を及ぼすことが出来るというひとつの例として捉えることが出来ます。特に人とのリアルタイムでのコミュニケーションが発生しやすいスポーツイベントはソーシャルメディアと相性がいいのかもしれません。 コカコーラの成功もあったことから、

UI

ブラウジング型インターフェイスの長所・短所

検索は Web が使われるようになってから続く永遠の課題。技術だけでなく検索結果の見せ方も年々進化してきています。近年、セマンティック Web [http://www.yasuhisa.com/could/diary/cybergarden-semanticweb/] への注目が一層高まっていることから、また検索がおもしろくなりそうな気配です。検索の精度、そして結果を利用者に示すためのインターフェイスへの探求はこれからも続きますし、デザイナーとして興味深い話題のひとつ。 検索(特に検索結果)と少し関係があるデザインパターンのひとつにブラウジング(Browsing)があります。多くの情報を次々を観覧するのに長けているわけですが、最近ブラウジングを採用したサービスや Web サイトをよく見かけるようになりました。 Google Fast Flip [http://fastflip.googlelabs.com/] ニュースサイトをページをめくるような感覚で次々と見ることが出来ます。キーボード操作で次々とページを移動。ローディング時間も含めサクサクCooliris [http://ww

IA

様々な意味をもつWebサイトのスピード

「UXの測定要素 [http://www.yasuhisa.com/could/article/ux-metrics/] 」で最初にスピードを挙げたのは、Webの体験において近年重要なポジションになってきているからです。ブロードバンドだからこそスピードを要求されますし、モバイルだと欲求はさらに高まるでしょう。プログラムがより早く動作するように記述の工夫や構成の検討したり、CSS や HTML といったマークアップからでもパフォーマンスを上げることが出来ます。こうした技術的なアプローチだけではなく、情報の整理の仕方や心理的な部分からスピードを表現することが可能です。 例えば、トップページのように様々な導線も含まれた情報量の多いページがあるとします。技術的な工夫を施し、表示速度が早いページにしたとしても、情報が入り組んでいて利用者が見つけ難い構成であれば「時間がかかる=遅い」と感じるでしょう。「2つ以上の製品を比較したい」「製品の特徴を把握したい」という利用者に明確な目的がある場合はどうでしょうか。一見、きれいに情報が整理されているページだったとしても目的を達成するために複数のページを横

UX

UXの測定項目を考えてみた

日本でも UX デザイナーと名乗る方が増えてきましたが、去年あたりから Web では一種のバズワード的な存在になっている UX (User Experience)。『バズワード』と書きましたが、重要と感じている方が多くいるからこそ注目されているわけですし、流行から次のステージに進んでいるのも事実です。デザイナーと呼ばれている方はもちろん、Web サイトを構築する様々な職種の方が UX に反応しているのをみると、ひとつの共通言語 (認識) として重要なポジションになる可能性を秘めています。 ユーザーテスト、ペルソナ設定、アジャイル開発など、水準の高い UX を実現するための様々なアプローチが存在しますし、今でも模索が続けられています。作り出すほうだけでなく、作った後、つまりサイトの測定方法はどうでしょうか。UX を意識して作ったまでは良いですが、それをどう評価すれば良いのでしょうか。ページビューが上がる、売上が上がるという部分は重要ですが、それだけ体験を測定することが出来るのでしょうか。 UX が重要と分かっていても、言葉に「体験」と付いているが故に、見え難いあやふやな領域のように見え

仕事

D208にて残るWebサイトの特徴ついて話しました

MdN web creator が主催する Designer meets Designers [http://www.mdn.co.jp/webcre/d2/] で講演をしてきました。およそ1年半前に「さよなら Web 標準 [http://www.yasuhisa.com/could/diary/d2-03-thank-you/]」という講演をして以来の2度目になります。今回は「 好まれるWEBの7つの特徴に学ぶ、サイトづくりのキーワード」という少々長々しいタイトルで、今デザイナーが知っておきたいスキルについて話しました。 内容は今ホットな技術やテクニックについての紹介というよりかは、これからデザイナーとして又は Web に関わる仕事をしていく上で重要なことは何かという少し広い視野の内容。今話題の情報を紹介するだけでも良いのかもしれませんが、流行ネタだけでは身に付く能力に繋がらない場合もありますし、本質的なことを見失うこともあります。流れが速い時代だからこそ、ついて行くだけだと疲れ果ててしまうこともありますし、先が不安になるのではないでしょうか。今セッションでいう「知っておきたい

apple

iPadは第五のスクリーンになれるか

発表前に eBook や電子出版の噂が飛び交いましたし、実際 iBooks という専用アプリケーションがあることから、iPad [http://www.apple.com/jp/ipad/] と出版業界の今後をテーマに書かれている記事が多いです。書籍フォーマットは XML/HTML ベース [http://www.idpf.org/specs.htm]みたいですし、iPad 以外のデバイスでも同じ本が読めそうな期待が出来きますが、iPad はもう少し大きなビジョンをもったデバイスです。iPad は今までになかったスクリーンの提案をしようとしています。 第五のスクリーンが現れるか 「メディアの消費の仕方の変化 [http://www.yasuhisa.com/could/article/evolution-of-media-cunsumption/] 」という記事で、メディアの消費の仕方が大人数から次第に個人の体験へと変化しているということを書きました。映画という巨大スクリーンからテレビ、パソコン、そして携帯電話へと、私たちが見るスクリーンのサイズも小さくなっていきました。スクリーンと