Yasuhisa Hasegawa

Yasuhisa Hasegawa

Web やアプリのデザインを専門しているデザイナー。現在は組織でより良いデザインができるようプロセスや仕組の改善に力を入れています。ブログやポッドキャストなどのコンテンツ配信や講師業もしています。

ビジネス

企業ならではのマッシュアップとは

マッシュアップという言葉をきくとサイトAとサイトBのデータをかけあわせて、サイトCという新しい価値をもつサービスと連想します。しかし、技術側面からみると、 Netvibes [http://www.netvibes.com] のような独立したデータが表示される表層的なマッシュアップ、APIといったサーバーサイドソフトウェアを使ったマッシュアップ、Microsoft SQL Server [http://www.microsoft.com/japan/sql/default.mspx] のようなサーバーを使ってデータを完全にサーバーサイドでマッシュアップするといった方法もあります。 個人や小規模のチームで表層的なものや API を幾つか掛け合わせたマッシュアップは可能ですが、サーバーサイドのマッシュアップとなると、扱うデータがそもそもないといった場合もあるでしょう。しかし、企業のイントラネット/エクストラネットのソフトウェア開発であればサーバーサイドのマッシュアップの価値は高いです。 セールス、マーケットリサーチ、取引といったデータが今まで独立したソフトウェアやデータベースの中に存

microformats

Social Graph と hConnect

Google が今月初めに Social Graph API [http://code.google.com/apis/socialgraph/] を公開しました。Social Graph API について知りたい方はマイコミジャーナルの記事 [http://journal.mycom.co.jp/news/2008/02/04/032/] を参考にされると良いと思います。自分と友達の関係を特定のサービスに限定させることなく視覚化出来るという意味で非常に興味深いです。今後具体的になってくるであろう Google によるソーシャル検索のための伏線でしょうし、これが他サービスとどう組合わさって行くのかも楽しみですね。 もちろん、これにはプライバシーをどのように保護するのかといった課題も出てきます。例えば自分自身は Social Graph API を利用していなかったとしても、自分の友達が Social Graph API を利用して「友達である」と示していれば関係性が表に出てしまうのではないのでしょうか。つまり、自分が求めているかどうか関係なく自分に繋がっている誰かが API を利用

openwebdesign

「マインドマッピングツール」としてblogを見る視点

この記事は「タグの役割を考えた見せ方 [http://www.yasuhisa.com/could/followup/role-of-tags/] 」の続きにあたります。とても重要な視点だと思うので紹介します。 > rssky.tblr* [http://rssky.tumblr.com/post/26235525]より ここら辺の事をもう一回徹底的に考え直してみることが、実は「blogの次」に繋がっていくのだと思う。ここにプラスして小川宏高氏のラディカルなまでの正論と、あとやっぱトロット夫妻のもうそれはそれは絵に描いたようなリベラル理想主義の部分をプラスして。 ヤスヒサさんに欠落しているのは「マインドマッピングツール」としてblogを見る視点、かな。(立ち位置をはっきりさせるためあえて除外してるんだと思うのだけど) あるいは”個人のマインドマッピング”がサイト、というかコンテンツとして成り立ちうるか、とか。 ツリー構造のカテゴリーと横断的連接のタグの相関関係を明確に見せる手法とセマンティック検索技術がうまく結びついた瞬間に”次のかたち”はそこに立ち現れるように思える。 実に鋭

IA

タグの役割を考えた見せ方

この記事は「カテゴリとタグを上手に使い分ける [http://www.yasuhisa.com/could/article/category-tag/] 」の続きにあたります。 カテゴリに関して迷っている方は少なくないみたいですね。前回、提案したブログエントリーをタイプ別に分類する提案をしましたが、それに対して様々な意見や感想が出ているので、ここで共有しておこうと思います。 > lilac [http://www.yasuhisa.com/could/article/category-tag/#comment-19]さん (カテゴリは) ふつうにいらないんじゃね?みたいな。明確に必要、という答えが出せないんですよね・・・ 他の方も書いていらっしゃいましたが、機能が提供されているからといって使わなければならないというわけではないと思います。無理にいろいろ使おうとするとかえって複雑化してしまうので、そういった場合は思い切って省くことも重要です。これはデザインするときには重要な考え方のひとつでしょう。 今回のようにカテゴリをタイプと見なして使うのは自分のサイトにはフィットしているように思

IA

カテゴリとタグを上手に使い分ける

CMS にタグというコンセプトが組み込まれる以前は「カテゴリー」はどういった情報がコンテンツに含まれているのかを示すものでした。例えば、Mac、映画、ライフハック、仕事といった具合だと思います。しかし、タグ機能が CMS に導入されるようになると、以前カテゴリ名として扱っていた名称 (キーワード) がタグへ移行していきました。 ここで課題になってくるのが、タグがコンテンツに含まれている情報を示すようになったので、カテゴリに明確に違う役割を示さなくてはならないところです。もし従来のように「Mac」というカテゴリを作ってしまうと、Macに関する情報が書かれたエントリーに Mac というタグを書き込むことは重複になりますし、管理する側もこれはカテゴリなのかタグなのかというのが分かり難くなり、記事によって異なる示し方になりかねません。 ブログエントリーとひとことで言ってもエントリーによって様々なタイプ (形式) があります。徒然と文章が書かれていることもあれば、リストだけで終わっているものもあります。どういったブログエントリーを書くかによって、文章の構成は変わりますし、場合によっては文体も

wordpress

今使っている WordPress プラグイン

タグや個別ページもあらかじめ実装されているので、プラグインがなくてもそれなりに良い感じのサイトを作ることが出来る WordPress [http://wordpress.xwd.jp/] ですが、それでもやっぱりプラグインがあると便利です。サイトのコンセプトによって今後プラグインを増やしたり PHP を書き込むといった作業が発生すると思いますが、greenhug [http://www.greenhug.net/] でも使っているプラグインを紹介したいと思います。 wp-cache [http://mnm.uib.es/gallir/wp-cache-2/]WordPress はダイナミックにページを生成するので再構築する手間がないですが、サーバーへの負担が大きくなります。このプラグインでキャッシュページを作り、表示速度を上げています。 Gravatar [http://www.gravatar.com/implement.php#section_2_2] コメントに自分のカスタムアイコンを表示させることが出来るようになります。Gravatar の登録に関しては lomoさんのエント

テクノロジー

無線メッシュ・ネットワークの可能性

無線メッシュ・ネットワークは相互に無線接続することを可能にする技術で、電波の強度などに応じて接続ポイントを自動的に変えて最適な経路でネット接続が出来ます。無線メッシュ・ネットワークは数年前からあるので知っている方も多いと思いますが、最近再び注目を集めている印象があります。 One Laptop Per Child (OLPC) [http://laptop.org/] は、無線メッシュ・ネットワークを利用してネット接続するデバイスで、有線回線が1つしかなくても誰でもネットワークに繋がることが出来るようになっています。少し違いますが、Apple が Mac OSX に実装している Wireless Distribution System (WDS) も設定をすれば無線メッシュ・ネットワークのような使い方を可能にしています。無線メッシュ・ネットワークの長所は幾つかあります。 * 低コストもしくは無料でネット接続が可能になる * ほぼ無制限にネットワークを広げることが出来る高い拡張性 * 利用しているアクセスポイントが失ってもすぐに別のポイントからアクセス出来る柔軟性 OLPCを

求人

Job: エイチツーオー・スペースがアシスタントを募集中

技術とデザインの絶妙なバランスがとれている新宿の Web サイト制作会社エイチツーオー・スペース [H2O Space] [http://www.h2o-space.com/]。代表のたにぐちまことさんは、Ajax の情報ソースとして便利な Recently Ajax [http://www.h2o-ajax.com/] を運営されていたり、セミナーで講演をされているので知っている方もいるのではないでしょうか。「 Dreamweaver PHPスターティングガイド – DreamweaverではじめるWebプログラミング [http://www.amazon.co.jp/gp/product/4839920869?ie=UTF8&tag=could-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4839920869] 」をはじめ幾つか書籍を執筆されていますし、

求人

Job: 株式会社ローハイドがWebデザイナーを募集中

利用者第一に考えたアイデア満載のサービスを構築 [http://raw-hide.jp/service/]している株式会社ローハイド [http://www.raw-hide.jp/]。Ruby関連のブログあとで読むRailsのススメ [http://blog.japan.zdnet.com/yoshimi/]を通してご存じな方もいるのではないでしょうか。そんなローハイドが Web デザイナーを募集しています。 現在、株式会社ローハイドはエンジニアとプログラマーを中心に構成されたチームですが、デザインに理解のある方達ばかり。お互いの足りない部分を補いながら相乗効果的に Webサイトをデザイン出来る良いチャンスだと思います。興味のある方は以下の詳細を読んで応募してみてください。 業務Webデザイナー待遇初任給 20万〜25万円 交通費・そのほか経費支給応募資格 * 30歳まで。できれば女性。 * 新宿、もしくは渋谷まで通勤可能 * HTML / CSS / 画像処理が出来る * 基本的なデザインに関する知識 応募件名に「Webデザイナー募集」と記入し、info@raw-hid

openwebdesign

サイトの方向性を考える (後編)

この記事は「サイトの方向性を考える (前編) [http://www.yasuhisa.com/could/article/site-direction1/] 」の続きにあたります。 これからのWebサイトを構築するときにおいて、サイト訪問者の「インタラクション」「体験」「関係」を無視して作ることが出来なくなってきています。サイトの目的や性質を考えてデザインするのではなく、サイトの目的や性質を反映する「インタラクション」「体験」「関係」を考えてデザインするだけでも完成したものは従来と違ったものになるでしょう。しかし、これら3要素を考えて構築作業を開始すればいいといえば、そうでもありません。 例えば、3要素を補う技術というものは既にたくさん出回っており、Web 2.0 と呼ばれるサービスがそのひとつといえます。サービスが提供するウィジェットや API を利用して3要素にあたる部分を補うことは出来ますが、ただ導入しただけではバランスの悪いものであったりしまし、それぞれの要素に負の影響を及ぼすことも考えられます。そこでコアとなるこれら3要素を繋ぎ合わせる重要な『部品』が必要になってきます。

openwebdesign

サイトの方向性を考える (前編)

> masayaさん [http://masaya.tumblr.com/post/25116801]のコメント でもそれをやるにしても最初にある程度方向性は示さないと難しいのでは? これは正に仰るとおり! コンセプトも何もない状態でいきなり「サイト作ります」では、表面的でつまらないサイトになるでしょうし、宣言する意味もないですね。何か方向性があることで、それを起点にしてあなたとの会話もしやすくなると思います。誰でも分かる明確な形として説明出来るかどうか分かりませんが、頭の中で描いているイメージを書いていきたいと思います。 これからの Webサイトにおける基本3要素 サイトを構築するにおいて、従来のように『ページ』や『サイト』という単位での考え方から脱するのがスタートになります。Webアプリケーションを構築する方にとっては当たり前の考え方だといえますが、これは中小企業のサイトを作る際にもいえることですし、今回フォーカスになるブログについても同じことです。もちろんページを実際作り上げて行く作業段階では『ページ』をこしらえていくわけですが、その前段階でそういった単位は不必要ですし、かえ

アイデア

ニュースサイトと新聞サイト

> インターネットの普及をはじめ、メディアの多様性が進んでいるが、我々3社は新聞こそが最も信頼性の高いメディアであり、今後もそうあり続けたい 新s(あらたにす) [http://allatanys.jp/ ]の記者会見に出て来たことばです。この言葉が Web に対する意識のズレを表していると同時に、これから良くなるかもしれない希望も隠れているような気がします。 「ニュースサイトならではのウィジェットを考える [http://www.yasuhisa.com/could/article/news-widgets/] 」で書きましたが、新聞の読まれ方とニュースサイトの読まれ方は違いますし、読者との関係も違います。異なる媒体なわけですから当然のことです。媒体がもつ独自の良さを、別媒体に移行したとしても、それはギミックにしかならず、扱っている媒体の良さを最大限に活かしているとはいえません。 ポッドキャストで種村さんと対談 [http://www.yasuhisa.com/inflame/show.php?s=111] したときに、彼が興味深いことを言っていました。 > 本の魅力を Web

アイデア

ニュースサイトならではのウィジェットを考える

先日、朝日・日経・読売3社の記事を同時に読み比べることができる新s あらたにす [http://allatanys.jp/] がオープンしました。手短に言ってしまえば3社しか見れない Google ニュース [http://news.google.co.jp] といったところでしょうか。このサイトについては、いろいろ思うところがありますが、自社サイト以外にも記事を開放することを積極的にし始めているのは事実。RSSの配信やウィジェットの公開など少しずつステップアップしているといえます。 ニュースとの接点は増えて来ていますが、ただ新着情報を電光掲示板形式で流すだけでは物足りないです。BBC Backstage [http://backstage.bbc.co.uk/] ほど革新的なものは求めませんが、それでも出来ることは幾つかあるような気がします。ネットユーザーとニュースの関係をより親密にさせ、かつトラフィック増加に繋がるような形を考えてみました。 公式の情報が使えるという強み Webにおけるニュースサイトの利用のされ方は、他の媒体のように受動的に読者が情報を受け取るだけでなく、その

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このプロセスで何をオープンにしていくか

この記事は「オープン Web デザインを始めます [http://www.yasuhisa.com/could/announcement/open-web-design/]」の続きにあたります。コメント、Twitter [http://twitter.com/yhassy] 、ソーシャルブックマークなどを通して幾つかメッセージをいただきました。どういうものを目指しているのかを以前の記事で説明されていない部分があったと思いますので、コメントに応えながら説明していきたいと思います。 これはオープンソースということ? 「オープン Web デザイン」というフレーズを聞いて、オープンソースを連想された方は少なくないと思います。そう考えるとソースを公開してみんなで作るという感じになりそうな予感がしますね。 > DocSeriさん [http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.yasuhisa.com/could/announcement/open-web-design/] のコメント Wikiのような、何らかの無認証編集可能なシステムを利用して自由にCSSを編

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オープン Web デザインを始めます

去年の暮れから今年の始めにかけて Web デザインへの思いを書いてきました。その思いは「Web という媒体を理解した上でのデザイン [https://yasuhisa.com/could/entries/001211.php]」「Web デザインへの理解を深める [https://yasuhisa.com/could/entries/001210.php]」の2つの記事に集約されているかもしれません。これからも Web デザインへの興味は薄れることもないでしょうし、これからも続きになるような内容を書いていこうと思いますが、ここでひとつ問題があります。 掲載しているサイトのデザインがコンテンツに耐えられなくなって来ているという問題です。 コンテンツを反映しているサイトへ 長い間、このサイトを読んで下さっている方はご存じだと思いますが、以前のデザインは 3年半前に作ったものです。当時はそれで良かったかもしれませんし、そのときにはあまり見かけなかった情報の配置や見せ方をしていたと思います。しかし、今となっては使い古されたものですし、機能面や使いやすさは貧弱としか言いようがなかったといえま